歪な戦士の異世界転生録 〜授かった【変換】スキルが尖り過ぎてて異常な性能を得る〜

チャド丸

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希望の炎編

悪夢と悪霧

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希望の炎一行は、洞窟の中を問題なく進んでいた。

獣型の魔物がちょこちょこ現れるものの、特に苦戦するまでもなく奥へと進む。

「ほーら。パルファは心配し過ぎなのよ。私の言ったとおりだったでしょう?」

ケールの腕に絡みつきながらミュアが言う。



「あのなぁ・・・パルファは皆の安全を考えて」

「いいわケール。何か起こってしまったその時に、やっとわかるでしょうから。」

ケールのフォローをパルファが中断させる。すこしイライラしているみたいだ。



「・・・まぁまぁ皆さん。ここまでは情報と同じです。最後まで情報通りなら、もうすぐ湖のある広間にでますよ。」

ユウは人に向かっていた意識を洞窟の奥に向けさせる。

そうして一行は、湖がある広間にたどり着いた。



「うわぁ・・・きれい。」

ミュアがつぶやく。広間はドーム状になっており、天井や壁にはキラキラと輝くクリスタルのような原石が輝いていた。その空間の中心には湖があり、湖の水分のせいか少し霧がかって神秘的な空間となっていた。



「この原石が天井や壁でなく湖の中に生成されると、さらに深い輝きを放つそうよ。それが・・・」

パルファが言い終わらないうちに、ケールが湖の中に腕を突っ込んでこぶし大の深い輝きを放つ石を取り出した。

「この深淵石ってわけだな!」



お目当てであった深淵石を手に入れたのだった。



「さてと、じゃあさっさと戻りましょう?っていいたいところだけど・・・」

ミュアがそう言いながらパルファを見据える。

「外で野営の陣なんて組んでいたら、もっと時間がかかるところだったわ。パーティーの足を引っ張ろうとしたこと謝ってくれる?」



そう言って、パルファに向かって杖を構えた。



~~~~~



今まで以上に喧嘩腰なミュアの発言に、ユウとケールは一瞬固まった。

「おいおい、ちょっと待てよミュア!いくらなんでもそりゃねーぞ!」

ケールが急いで仲裁に入る。だが・・・



「退きなさいケール。ちょっと痛い目を見せないと分からないみたいだから。」

普段冷静であるはずのパルファも、カチンときたのかミュアに剣を向ける。



「おいおいお前ら・・・どうしたってんだよ・・・」

ケールは何が起こっているのか信じられないと言わんばかりに、顔を手で押さえてうなだれる。だが、

「俺のミュアに剣を向けてんじゃねーぞゴラァ!!」

先ほどまで仲裁をしていたはずのケールは、いきなりグローブをはめてパルファに殴りかかった。



―――ガキン!!

ユウはパルファとケールの間に入って、剣の腹でケールの打撃を止める。

瞬間、顔の横から剣が伸びてケールの心臓を狙う。パルファがユウ越しにケールを狙ったのだ。ケールはそれをバク転で避けて、元居た位置に戻った。



(なにかがおかしい・・・)

一連の出来事の中で、ユウはこの状況をまともじゃないと考えていた。

確かにここまで確執はあったが、こんなに大事になるほどではなかった。クエストが終わって酒場で、ごめんねと言いあって終わるレベルのものだ。なのにどうして・・・



(ここにきてから何かがあったのか・・・?)

だがまだこの広間に来て数分も経っていない。したことといえば深淵石を取ったくらいだが、その深淵石はケールしか触っていないし、すでに自分の袋にしまっている。



そうこう考えているうちに、ケールは再度こちらへ向かってくる。霧でよく見えないが、ミュアも後ろで呪文の準備をしているようだ・・・ん?霧が濃くなっている?



ケールの攻撃を凌ぎ、ミュアの呪文詠唱を石などの投擲で邪魔をする。パルファに関しても、ケールやミュアを狙わないよう意識を外さない。

それをしつつ注意深く霧を観察する。この霧はなにかおかしい。見ていると・・・心がざわつく気がする。



まさかと思い辺りを見回してみると一か所特に霧が濃い部分があり、霧の向こうに笑っている黒い口元が一瞬見えた。

ケールをミュアの方に弾き飛ばしパルファから意識を外して、全細胞を霧の向こうにいる相手を攻撃することに使う。そうして霧に向かって剣を横なぎにふるうと、ガキンという金属音がして剣が止まった。



(どうなった?)

後ろをちらっと見ると、3人はあと一歩のところで驚愕して止まっていた。あと数センチ、あと一言で誰かが誰かの命を奪うというところで、何とか我に返ったようだ。



「ンンン?キミノメ、ナニカガオカシイナァ。」

不安になるほど高い声が前方からした瞬間、霧が晴れていく。

そこにいたのは白と黒の色しか持たない、人間の形をしたなにかだった。
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