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勇者の子供編
スキルレベルと武術都市
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「今日はここで野営しましょう」
もうすぐ日が暮れるだろう頃に、視界が開けた草原でパルファがそう言った。ところどころ野営の跡があるため、この辺では今いる場所が旅人の野営ポイントなのだろう。
ユウはテントの準備、パルファは日中に倒したシルバーウルフの肉を調理し始める。
「そういえば、ユウの【変換】スキルのレベルはいくつなの?」
ウルフの肉を焼くための火を準備しつつ、パルファがユウへと尋ねる。
「レベル?あぁ、1のままだよ。」
ユウもテントの準備をしつつ片手間で答えると、背後から何かを落としたような音が聞こえた。
振り返るとパルファが火種となる枝を地面に落として、驚いたようにこちらを見ていた。
「レベル1であんな効力があるの!?てっきり3くらいかと・・・」
どうやらユニークスキルについて、パルファにもっと詳しく聞いた方がよさそうだ。
「そもそもユニークスキルのレベルって上がるの?」
「え、えぇ。通常のスキルと同じく、スキルを使用したりなにか苦難を乗り越えたりしたときにレベルが上がると言われているわ。レベルが上がるたびに効力が強くなるの。」
その後もスキルレベルについて話を聞く。たとえば火魔法Lv1の場合、人の頭の大きさ程度の火しか生み出せないらしい。だがLv最大となると、一軒家を包み込むくらいの炎を使えるようになる、と。
つまりLv1にして「人体機能や部位を変換して他を強化する」なんて、ユウの【変換】スキルはそもそもの水準がおかしいそうだ。パルファのユニークスキル【純白】でさえ今Lv2で、レベルが上がってからようやく魔法系統を使えるようになったらしい。
ちなみに通常のスキルであればレベル5で最大となるそうだが、ユニークスキルの最大レベルはスキルによって異なるらしい。
「でも今でさえリスクが高いスキルなのに、レベルが上がるとどうなることやら・・・」
お互いの仕事が終わって食事をしながら、ユウはスキルの先行きについて呟いた。
「確かに。でも、もしかしたら変換したものをもう一度戻せるようになるとか、レベルアップで万能性が高まるかもしれないわよ?」
パルファはそう言ってくれる。が、
(この歪んだスキルにそんなことがあるだろうか・・・)
もやもやとした思いを残しつつ、その晩は見張りを交代しながら休んだのだった。
~~~~~
翌朝、進み始めたユウとパルファは、魔物を狩りつつ昼過ぎに街へと到着した。
「国境のダンジョンへは、2つの大きな街を通るの。ここはそのひとつめの街ね。」
「たしか、武術都市ディガイアか・・・ここは素通りする?」
まだ昼過ぎだし、進めるところまで進むという手もある。ユウは見聞が狭いため少し名残惜しさがあるが、だからこそパルファに判断を仰ぐことにした。
「それでもいいんだけれど、別に最速で行かなきゃいけないというわけじゃないしね。今日はここで一泊していきましょう」
そう言ってパルファは門の方へと近づいていき、ユウもそれに続いた。
門には少し列が出来ている。商人や流れの冒険者が並んでおり、ユウとパルファはその最後尾についた。
「(あ、ちなみにユウ。昨晩とかはスキルの話をしたけど、基本的にユニークスキルっていうのは隠した方がいいわよ)」
パルファがユウに耳打ちをする。少し首を傾げてなんで?という意を見せると、パルファは続ける。
「(ユニークホルダーのことを悪用しようとする人も多いのよ。強引な契約をして囲いこもうとしたり、王族と繋がってると信じ込んで誘拐したりね・・・)」
なるほど。カムス村の皆や王都で知り合った人達が良い人過ぎて忘れていたが、確かにそういう輩は存在しているだろう。
「(私は剣士のパルファ、あなたは戦士のユウよ)」
パルファの言い聞かせに小さく返事をした頃、ちょうどユウ達の順番が回ってきた。
「次の方、身分を証明できるものを」
門番にそう言われて、ユウとパルファは純銅でできた冒険者証を提示した。
「ふむ、Cランク冒険者のパルファ殿とユウ殿。確認できたのでどう」
「おいおい!この女と片腕のガキがCランクだぁ!?」
門番が街への入場を促し終える前に、背後から侮蔑を含めた大声が聞こえた。
出処を見ると、3人ほど挟んだ後ろに10人のガラの悪い集団が並んでいた。声を上げたのは、その中の大柄で太った男だろう。今もなお仲間たちに何かを言ってヘラヘラと笑っている。
「すまんな、あれは流れの傭兵だろう。順番の際によく言っておくから、ここは無視して行ってくれないか?」
門番の男は傭兵たちをジロリと見たあと、申し訳なさそうにユウとパルファに言う。
「えぇ、もちろん構わないわ」
「僕もです。あの、僕らは全然大丈夫なので、門番さんが恨まれたりしないようにしてくださいね」
街中へと歩き出す前にユウがそう伝えると、門番の男は少しキョトンとして苦笑いを浮かべた。
「あいつらとキミ、どっちが大人か分かったもんじゃないな。ようこそディガイアへ、キミ達を歓迎する。」
ひと悶着あったものの、ユウとパルファは武術都市ディガイアの中へと入った。
もうすぐ日が暮れるだろう頃に、視界が開けた草原でパルファがそう言った。ところどころ野営の跡があるため、この辺では今いる場所が旅人の野営ポイントなのだろう。
ユウはテントの準備、パルファは日中に倒したシルバーウルフの肉を調理し始める。
「そういえば、ユウの【変換】スキルのレベルはいくつなの?」
ウルフの肉を焼くための火を準備しつつ、パルファがユウへと尋ねる。
「レベル?あぁ、1のままだよ。」
ユウもテントの準備をしつつ片手間で答えると、背後から何かを落としたような音が聞こえた。
振り返るとパルファが火種となる枝を地面に落として、驚いたようにこちらを見ていた。
「レベル1であんな効力があるの!?てっきり3くらいかと・・・」
どうやらユニークスキルについて、パルファにもっと詳しく聞いた方がよさそうだ。
「そもそもユニークスキルのレベルって上がるの?」
「え、えぇ。通常のスキルと同じく、スキルを使用したりなにか苦難を乗り越えたりしたときにレベルが上がると言われているわ。レベルが上がるたびに効力が強くなるの。」
その後もスキルレベルについて話を聞く。たとえば火魔法Lv1の場合、人の頭の大きさ程度の火しか生み出せないらしい。だがLv最大となると、一軒家を包み込むくらいの炎を使えるようになる、と。
つまりLv1にして「人体機能や部位を変換して他を強化する」なんて、ユウの【変換】スキルはそもそもの水準がおかしいそうだ。パルファのユニークスキル【純白】でさえ今Lv2で、レベルが上がってからようやく魔法系統を使えるようになったらしい。
ちなみに通常のスキルであればレベル5で最大となるそうだが、ユニークスキルの最大レベルはスキルによって異なるらしい。
「でも今でさえリスクが高いスキルなのに、レベルが上がるとどうなることやら・・・」
お互いの仕事が終わって食事をしながら、ユウはスキルの先行きについて呟いた。
「確かに。でも、もしかしたら変換したものをもう一度戻せるようになるとか、レベルアップで万能性が高まるかもしれないわよ?」
パルファはそう言ってくれる。が、
(この歪んだスキルにそんなことがあるだろうか・・・)
もやもやとした思いを残しつつ、その晩は見張りを交代しながら休んだのだった。
~~~~~
翌朝、進み始めたユウとパルファは、魔物を狩りつつ昼過ぎに街へと到着した。
「国境のダンジョンへは、2つの大きな街を通るの。ここはそのひとつめの街ね。」
「たしか、武術都市ディガイアか・・・ここは素通りする?」
まだ昼過ぎだし、進めるところまで進むという手もある。ユウは見聞が狭いため少し名残惜しさがあるが、だからこそパルファに判断を仰ぐことにした。
「それでもいいんだけれど、別に最速で行かなきゃいけないというわけじゃないしね。今日はここで一泊していきましょう」
そう言ってパルファは門の方へと近づいていき、ユウもそれに続いた。
門には少し列が出来ている。商人や流れの冒険者が並んでおり、ユウとパルファはその最後尾についた。
「(あ、ちなみにユウ。昨晩とかはスキルの話をしたけど、基本的にユニークスキルっていうのは隠した方がいいわよ)」
パルファがユウに耳打ちをする。少し首を傾げてなんで?という意を見せると、パルファは続ける。
「(ユニークホルダーのことを悪用しようとする人も多いのよ。強引な契約をして囲いこもうとしたり、王族と繋がってると信じ込んで誘拐したりね・・・)」
なるほど。カムス村の皆や王都で知り合った人達が良い人過ぎて忘れていたが、確かにそういう輩は存在しているだろう。
「(私は剣士のパルファ、あなたは戦士のユウよ)」
パルファの言い聞かせに小さく返事をした頃、ちょうどユウ達の順番が回ってきた。
「次の方、身分を証明できるものを」
門番にそう言われて、ユウとパルファは純銅でできた冒険者証を提示した。
「ふむ、Cランク冒険者のパルファ殿とユウ殿。確認できたのでどう」
「おいおい!この女と片腕のガキがCランクだぁ!?」
門番が街への入場を促し終える前に、背後から侮蔑を含めた大声が聞こえた。
出処を見ると、3人ほど挟んだ後ろに10人のガラの悪い集団が並んでいた。声を上げたのは、その中の大柄で太った男だろう。今もなお仲間たちに何かを言ってヘラヘラと笑っている。
「すまんな、あれは流れの傭兵だろう。順番の際によく言っておくから、ここは無視して行ってくれないか?」
門番の男は傭兵たちをジロリと見たあと、申し訳なさそうにユウとパルファに言う。
「えぇ、もちろん構わないわ」
「僕もです。あの、僕らは全然大丈夫なので、門番さんが恨まれたりしないようにしてくださいね」
街中へと歩き出す前にユウがそう伝えると、門番の男は少しキョトンとして苦笑いを浮かべた。
「あいつらとキミ、どっちが大人か分かったもんじゃないな。ようこそディガイアへ、キミ達を歓迎する。」
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