歪な戦士の異世界転生録 〜授かった【変換】スキルが尖り過ぎてて異常な性能を得る〜

チャド丸

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勇者の子供編

串焼きと恨みの種

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「ユウ、あなたが素晴らしいのはさっきのようなところよ。」‬

武術都市は王都より規模は小さいものの、賑わい方は勝っていた。沢山の露店や屋台が立ち並び、今もこうして食欲に負けたユウが肉の串焼きを買い込みハグハグと食べている。‬



そんなときに、先程の言葉をパルファから言われた。‬

(はて?屋台で串焼きを買ったときのことか?)‬

「でも20本くらいなら案外食べられるからね。確かに僕が注文したのは10本だけど、袋にまで詰めて貰ったあとに20本じゃなくて10本ですなんて、さすがに言えな」‬

「それじゃないわよ!!」‬



あれ違ったか、とユウがきょとんとしていると、パルファがため息をはく。‬

「まぁ、それを大したことじゃないと思って覚えていないのが、またいいんだけれどね。」‬

あの輩とは大違いよ、と言ったパルファの視線の先には、先ほど門で一悶着あった傭兵の集団がいた。‬



集団で幅をとって、すれ違う人々や露店の品物を小馬鹿にしたように歩いている。‬

「まったく、犯罪歴が無いからって。あんな輩は普通の人達からしたら魔物と同じよ。」‬

パルファが冷たい目でそう言う。確かに、普通に暮らす人たちからしたら、あの集団も魔物も変わらず恐怖の対象だろう。‬



そうして2人が見ていると、集団の中にいた先ほどの太った男が視線に気づき、ニヤニヤとこちらに近づいてきた。‬

「おうおう、さっきの奴らじゃねーか。そんなにジロジロ見られたら気分が悪ぃなあおい!」‬



あっという間にユウとパルファの2人は、壁を背に集団に囲まれてしまった。‬

全員が下卑た目をしている。ユウをボコボコにするか、見た目麗しいパルファを攫うかを考えているのだろう。‬



(強度は・・・CとDがチラホラか)‬

所作からそんなに強くないことは分かっていたが、念の為ユウは全員を視て強さを確認する。‬

その行動がガンつけていると勘違いされたのか、最初の標的はユウに決まったようだ。‬



「おうガキ、またガンくれやがったなこら。」‬

かなり顔を近づけて、太った男が威圧してくる。が、そもそも恐怖心も無く格下だと分かっているユウは、全く怖がる素振りを見せない。‬



パルファもユウを信頼しているため、自分に近い奴らを睨みつけて近づいてこさせないことに集中していた。‬

少しも動じないユウが面白くなかったのか、太った男は顔を離して違う攻め方をしてきた。‬



「ったく。どうやってそんな不格好な体でCランクになったか知らねえが、どうせ寄生だろ?あん?・・・ギャハハハ!みろよこいつ!片腕しかねえのに剣2本持ってやがるぜ!」‬

誹謗中傷でユウを泣かせようとでも思ったのか、次は外見を指摘する太った男。‬



そしてユウではなく、パルファから強い殺気が伝わってきた。‬

(パルファも怒りっぽいなぁ。こんなので手を出しちゃダメだよ)‬

ユウはとくに気にすることも無く、このケダモノが自分たちに飽きて居なくなるのを待っていた。‬



だがケダモノというのは理性がない。‬

それゆえタブーに触れてしまうのだ。‬



「どうやって片手で持つのか見せてみろよ!」‬

そう言って太った男がユウの腰に指した剣を取ろうとしたとき。‬



ーー太い腕に何本もの串が貫通した。‬



「あぐぅぅぅぅ!いてえええぇ!」‬

剣を取ろうと伸ばした右手を押さえて痛みのあまりのたうち回る男。もちろんそれを引き起こしたのは、今なお純新無垢な瞳で男を見つめるユウである。‬



「これは大切な人の形見なんですよ。申し訳ないですけど、あなた方には触ってほしくないですね。」‬

あまりに突然の出来事、さらにはユウの異質な雰囲気に身動きが取れない男たち。‬



だが曲がりなりにも彼らは傭兵だ。すぐに武器をだして、ユウを仕留めんと動こうとする。が、‬



「おいお前ら!何をしている!」‬

ちょうど良いタイミングで街の衛兵たちが駆けつけた。人数・状況・人相全てが傭兵たちに不利であったようで、衛兵たちは一瞬で傭兵を悪だとして取り押さえ始めた。‬



「離しやがれ!くそっ!」‬

「どこ見てやがる!こっちが怪我させられてんだぞ!」‬

「ガキと女!てめーら忘れねえからな!」‬

思い思いのセリフを吐く傭兵たちを眺めていると、ユウとパルファに声をかける者がいた。‬



「やぁ、さっきはどうも。なにかやらかすと思って通報しておいてよかった。」‬

それは先ほどの門番だった。傭兵たちが門を通過したとき、彼が衛兵に通報をしておいたらしい。‬



「あなたの計らいだったのですね。助かりました」‬

「ありがとうございます」‬

「いやいや、君たちとあいつらの様子を見比べたら、必要なかったかもしれないけどね。」‬



そう言って門番の男はポリポリとあごをかく。‬

「君たち、今日の宿は決まっているのか?」‬

「いえ、今から探そうかと思っていました。」‬



そういうと、門番の男はニコリと笑う。‬

「じゃあ親切ついでに、おすすめの宿へ案内するよ!」‬

そう言ってユウとパルファは、門番の男の後に付いて行った。‬

















――羽交い締めにされている太った男は、その背をひどく恨めしそうに見つめて歯を食いしばる。‬















「覚えてやがれよ・・・・」‬







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