【完結】魔物をテイムしたので忌み子と呼ばれ一族から追放された最弱テイマー~今頃、お前の力が必要だと言われても魔王の息子になったのでもう遅い~

柊彼方

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神獣VS主人公

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「せやぁ!」

 俺は何度も雷弾を神獣に向かって放つ。
 その威力は一発で大地にカルデラを生むほどの威力。そのため、他の獣人たちは全て幹部たちの制圧に行ってもらった。
 幹部たちは神獣の魔法で戦闘能力も向上している二倍から三倍の人数は必要だろう。

「目障りなんだよ!」

 そんな俺の雷弾を神獣は切り裂いて分裂させる。
 この雷弾魔王級であれば、その腕が吹き飛ぶレベルのはずだ。
 やはり魔神級は格が違うようだ。

「オラオラオラッ!」

 神獣と同じように空中に留まっていた俺へと神獣は突進してくる。
 そして大きな鍵爪を俺向いてふりかざしてきた。

「【契約憑依レゾナンス】 ドラ!」

 俺はすぐさまドラに憑依を交換する。ドラは俺の配下の中で一番高い防御力を誇る。
 俺の背中から赤色の翼に生え変わり、角も赤色になる。

「…………ぐはっ!」

 そして、神獣の攻撃を両手でどうにか防ぎきる。
 だが、その防御の上からまるで何トンもの重みで押しつぶされているような感覚になった。

「【契約憑依レゾナンス】 グレード!」

 俺はすぐに憑依を交換する。
 生えていた翼は消えて、ドンッという音ともに地に落下する。
 これじゃあ空中戦が出来ないじゃないか。と思うだろう。最低でも神獣は思っているらしく、不思議そうな視線を向けてくる。

「風の加護のもとに! 我の羽となり翼となれ! 【空中の覇者エアロウィング】!」

 これは昔、グレーとグレードの親子対決の時にグレードが使っていた魔法の応用魔法だ。
 術式は同じぐらいだが、魔力の消耗が激しすぎるというところが難点の魔法である。
 まぁ俺ならどれだけ減っても魔力切れにはならないので構わないのだが。

「【風の羽剣エアロウル】!」

 俺は翼となっていた風魔法で出来た羽を剣のように鋭く、鋭利にさせて神獣に向かって放つ。
 流石に数が多すぎる。神獣も全部はかわしきれてないようで、

「……………ちッ!」

 何本かの羽が神獣を切り刻んでいる。
 本当なら肉を裂き、骨を切り刻むほどの威力であるはずなのだが、皮しか裂けていないようだ。

「決定打がない……………」
「しゃらくせぇ!」

 カウンターするように神獣は俺に飛びかかってきた。命を刈りとるような攻撃が何度も繰り出される。
 徐々に俺の防御も削られていく。
 そして、俺がガードが開いた隙に神獣の攻撃が俺のみぞめがけて飛んでくる。
 まともに食らえば一撃で死ぬだろう。しかし、ガードは間に合いそうにない。

「…………くっ! これは――」
「一人で格好つけるからだよ。僕にも格好つけさせてくれよ」
「――ラン君!」

 ランドロフは魔法で羽を生やしたのか、俺の横で口角を上げながら言った。
 その攻撃をランドロフの長剣が逸らしてくれる。

「次から次へとぉ!」

 神獣は顔に血管を浮き上がらせながら憤りをあらわす。
 そんな神獣を放ってランドロフは俺に声をかけてくる。

「アレン! 合わせるぞ!」
「分かった!」

 俺とランドロフは神獣に向かって同時に突進した。

 半年前までは命をかけて戦った仲である俺たち。
 まさか、こうして互いに背中を任せて協力する仲になるとは思っていなかった。
 だから神獣とも…………

「おらおらおらぁ!」
「せやぁ!」
「…………ぐはッ!」

 俺とランドロフは上段と下段へと同時に攻撃を仕掛ける。その攻撃は神獣の防御の上からでもしっかり入った。
 やはりランドロフはここ最近、実力が上がってきた気がする。
 もしかしたら、俺たちなら神獣を抑えられるのではないか。そう思ってしまうほどだ。

「…………クソっ!」

 先ほどの劣勢の状況からとは真逆で、俺たちに優勢な風が流れ始める。
 少し後ろの方へ視線を移すが、そちらの方も鎮圧できそうだ。

「治癒の加護のもとに…………【ハイヒール】!」

 やはり神獣も俺たちに深手を負わせてくる。しかしリーシャが随時に回復魔法をかけてくれるため、何の問題にもならない。
 そして、神獣の方はというと、

「我が魔力よ! 陽炎となってここに顕現せよ! 【陽炎斬月】!」

 ランドロフの剣が何重にもぶれ、まるで数十本の斬月が神獣に放たれたように見える。
 こういう時は実体を見つけ、そこを集中的に攻撃する。それが鉄則である。
 神獣も実体を探そうとしているようだ。

 しかし、ランドロフは狐族だ。変化へんげに特化した種族なのである。

「…………ああああああぁぁ!」

 全ての斬月が実体であるため神獣が振り払った一つの斬月以外、全ての斬月が神獣の身を骨を切り刻んだ。

 ドンッ!

 そして、限界が来たのか、神獣は脱力するように地面に落ちたのだった。
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