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一年振りの幻の大地

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「わ、わたしは皆さんのように戦闘は役に立ちませんがそれ以外では頑張りますので」

 シルキーは頭を下げながら言うとチドラは俺に近づいてきて

「主人、幻の大地とここをつなげました。もういつでもここから幻の大地に向かうことは可能です」

 チドラは俺にいうと俺は

「それじゃ一度幻の大地にいるラガーオーク達にザオーガのことを紹介しようか。それじゃ5人とも行くよ!」

 チドラは幻の大地に続く空間の門を開き、俺、ミワ、チドラ、そしてシュラ達5人は幻の大地に移動した。
 幻の大地。一年ぶりだな。どうなっているだろうか。修行している間にもチドラにどんな状況か聞いたりしたけど要望とかは何もないと聞いたからな。さてさてさーて。どうなってるかな!
 俺が幻の大地に来てまず最初に驚いたことは目の前の光景、そう。幻の大地に町ができていた。

「・・・な、な、な、なんじゃこりゃぁぁぁぁ!」

 思わず叫んでしまう。えー!ラガーオーク達だけでこんな。一年で町ができるのか!割と不恰好な町だが。町には鉄や金属で建てた建物はなく全部木製だった。まぁラガーオーク達の集落でも家は家でも全部木製だったからな。しっかし木製でここまでできるとは。

 俺は驚き、チドラも驚く。ミワは何故かうなずいておりザオーガ達は「へー」みたいな顔をしていた。俺たちはとりあえずできている町に向かうとラガーオーク達が俺のそばにより

「おいお前たち!主人がご帰還なされた!キスキルを呼んでこい!」

 ラガーオークの1人が言うと近くにいたラガーオークはキスキルを呼びに向かう。

「主人!それに地龍様。1年ぶりでございます」

 キスキルは俺とチドラの前で頭を下げる。

「お、おう。1年ぶりだな。そ、それで、これはなんだ?」

 俺が町を指して言うとキスキルははてな顔で

「はて。これはなんと言われましても町を作ったとしか」
「いやいやいや。ラガーオークだけでここまでできるもんなのか?」
「はい。できますよ。私達ラガーオークは建築関係が得意ですから。特にわらや木を使ったら建物ですね」

 何じゃそりゃ。後もういっこあれびあれになれるじゃないか。しかしラガーオークは豚に部類するものなのか?

「主人。驚くのも無理はありません。我ですらこの光景に驚いていますから」
「え、お前はこれくらいできるとか予想がついていたんじゃないのか?」
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