ターンオーバー

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その5

5−2

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 新金岡駅を出て地上に上がると、ときはま線と中央環状の交差点になる。その角にあるビルの一階が、私が勤務するクリーニング店なの。

 覚えることは多くないわ。品物に応じたサービス料金と仕上がり日がわかれば誰でも受付スタッフになれる。

 スタッフは全員で六人いて、忙しい朝夕は二人、他の時間は一人で勤務するシフトが組まれていたわ。

 全員女性なのがちょっぴり寂しい。お客様も女性ばかりなの。あんな目に合った私だけど、おじいさんたちと裸のおつきあいをしたことがたまらなく懐かしく思い出されるの。
 だから日に二度、預かり品の集荷と納品に回ってるドライバーがやってくるのが楽しみなのね。
 うちの店に来るドライバーは二人。一人は三十代で遊び人風の沢田君。もうひとりが私と同じくらいの五十代で無口な黒木洋司さん。目当ては当然、黒木さん。本当はもう少し歳上がいいんだけど、優しそうな顔をしてるしあまり性欲が強くなさそうだから。

 でもある日、同僚の明子さんから、
「あ~、黒木さんね。あの人は駄目よ。岡村みどり、会ったことある?あるならわかるでしょ、若くてスラッとして。出てるとこは出ててさ。それにあの美貌、黒木さん首ったけなのよ。私、裏の駐車場で二人、ヤッてるの見たことあんの。森川さん、あなたどうせご無沙汰でしょう、機会があったら覗き見したらいいわよ。すっごい激しいの、あの二人」

 そんな話しを聞いてしまった。岡村さんとは何度かコンビになってるから知ってるんだけど、あの子には勝てない、って感じの人。三十歳前後かな、ピチピチお肌でおっぱいはちゃんと前を向いてる。お腹に贅肉がついてたりもしてないし、欠点の見つからないボディなの。私は諦めるしかなかった。

 そんな話しを聞いてガックリしていたところに、久しぶりに洋子さんから会わないかってメールがあった。
 私はもちろん、会いましょう!って返事した。
 それでその日の午後・・・。

 洋子さんは変わらず元気そうだ。
「それで今でも笹木さんとは会ってるんですか」

「そうねえ。笹木さんとは最近は会ってないかな。あたしね、笹木さんの他に三人、お友だちがいるのよ。私には四つのカプセル怪獣って呼んでるんだけどね」

「何ですか?それ」

「ウルトラセブンのカプセル怪獣だよ。ミクラスとかウィンダムとか。子どもの頃見てなかった?」

「ウルトラセブン?洋子さん、古過ぎですよ」


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