ターンオーバー

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その七

エピローグ

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 サヤちゃんはもう普通の女の子には戻れないかもしれない。鳥取県に引っ越してからも、ひと月かふた月に一度、ひとり旅で私を訪ねに来るの。
 私は岡崎富司さん、トミーの家の二階のふた間を間借りしているんだけど、サヤちゃんは家に入ると玄関先で衣服を全部脱いじゃうのよ。
 私がこの家ではみんな裸族になってもらってる、と言ったからだって言うんだけど、私は「二階に上がったら、」って言ったつもりなんだけどなあ。

 もっとも家にトミーと私の二人だけの時は、この家全体を裸族スペースにしている。でもそれはトミーが決めたことだわ。

 最初、私の部屋でサヤちゃんと二人でいた時に、トミーが入ってきた時はちょっと大変だった。
 あの時、私はサヤちゃんの前で立て膝をついて化粧の仕方を教えていた。その時に丸裸のトミーが入ってきたの。
 サヤちゃんはトミーのあそこを見て、
「にくなすび!」と叫ぶと私に抱きついて顔を埋めてきた。

「 サヤちゃん、大丈夫。あの人が私の愛するトミーだよ。あの人の顔を見て。サヤちゃんに悪いことしそうな顔してるか、よく見て。ぶらんぶらんもぶらんぶらんのままよ。何なら触ってみてもいいわよ」

「はじめまして。サヤちゃんのことは聞いてますよ。マキさんのおっぱい、サヤちゃんのものなんだよね。でも僕、時々借りてます。嫌なことがあった時なんかに、マキさんのおっぱいにしゃぶり付くんだよ。そしたら気持ちが楽になるんだよね。サヤちゃんもそうしたらいいかも」

 トミーの優しい声に、サヤちゃんはそっと顔を上げる。確認するのはトミーの目とあそこ。

 私はトミーに、
「こっち来て」と呼びかけた。
「 ほら、触ってみて」

 私は手を添えてサヤちゃんにトミーのぶらんぶらんを触らせる。
「ほら、これはサヤちゃんを痛めつけようなんて思ってないしるしよ」
 と、言って軽く握ると、あら?ほんの少し硬くなってる!

 私はじろりトミーを睨むように見た。何よ、嬉しい顔しちゃってさ。でも仕方ないかもね。サヤちゃんは女児でも女子でもない、天使のような美しいおとな子どもだもの。

 サヤちゃんとトミーはすぐに仲良しになったわ。二人は六十歳近く離れているのにね。ホント歳なんて関係ないのね。

 さて二人が仲良くお風呂にいくのを見送ってから、私はサイドテーブルに置いてあるスマホを手に取った。これからお客さんからのメールチェックよ。対象は今もシニア世代ね。寂しい人をしばらくだけでも幸せにしてあげれるなら、私はなんでもしてあげる。それじゃ、ベッドに横になって見るから、このへんで。


     終 わ り

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