29 / 65
第2章 成犬編
side:タロ(5~9)
しおりを挟む
ご主人様のスケッチブックに裸の男の人の絵を見つけた時、なぜか僕はものすごく嫌な気持ちになった。
その男の人は顔も裸の体もきれいで、絵のモデルにぴったりだということはわかる。
……でも、なんでこんなにたくさんあるの?
表紙に一年近く前の日付が書いてあるそのスケッチブックは、半分以上がその男の人の裸や服を着た絵で埋まっていた。
まるでこれ、今の僕みたいだ。
このスケッチブックではなく、最近の――ご主人様が僕と一緒に暮らし始めてからのスケッチブックは、半分以上……いや、7、8割のページに犬や人間の姿の僕が描かれている。
じゃあ、もしかしてこの人も僕みたいに、ご主人様と一緒に暮らしていていたのかな。
けど、それにしたって……。
確かに僕とその男の人は、同じようにスケッチブックに描かれてはいるけれども、しかし僕とその人の絵には決定的な違いがある。
それは、人間姿の僕の絵が全て服を着ているのに対して、その男の人の絵のほとんどが裸だということだった。
しかもただ裸だというだけではなく、なんだかその男の人が交尾をしている時のメス犬のように見える絵まである。
……なんか、もやもやする。
いや、もやもやというより、むしろむかむかする。
この男の人の絵を見ていると、なぜだかわからないが、腹が立って仕方がない。
見ていると腹が立ってくるのに、それでもその絵から目を離すことができなくて、僕がその絵をじっと見ていると、やがて僕がその絵を見ていることに気付いたご主人様が、慌てた様子で僕からスケッチブックを取り上げた。
――――――――――――――――
その後、その絵の人はご主人様の恋人だったのだと聞いた。
そしてご主人様が男同士で交尾をする人なのだと聞いて、僕は驚き、そしてその相手がスケッチブックの絵の人だったのだと聞いて、また嫌な気持ちになった。
そしてさらに、ご主人様は男の人と交尾する人なのに、僕とは交尾したくないと聞いて、なぜだかわからないけれど、すごくがっかりしてしまった。
ご主人様と僕は恋人同士ではないのだから、ご主人様が僕と交尾したくならないのは当然のことだ。
それなのになぜ、そのことに自分ががっかりしてしまったのか、その時の僕はよくわかっていなかったのだけれど。
――――――――――――――――
その後、あの絵の男の人――光さんがこの家にやってきて、それでようやく僕は自分の気持ちがわかったのだ。
僕が思わず人間に変身して光さんのことを追い出してしまった後、ご主人様に光さんのことが嫌だったのかと聞かれて、僕は自分が光さんに嫉妬していたこと、そしてそれは自分も光さんみたいに、ご主人様の恋人になってご主人様と交尾がしたかったからなのだと気付いた。
そしてそれと同時に、僕は自分がすでに失恋していることにも気付いてしまったのだ。
ご主人様は僕と交尾したくないと言っていたのだから、僕は逆立ちしたって、ご主人様の恋人にはなれない。
そのことに気付いた僕は、ご主人様とろくに話もせずに犬に戻り、ご主人様のそばにいるのもつらくて、そのまま二階に上がってしまったのだった。
――――――――――――――――
けれどもその翌日、僕に人間に変身する力をくれた方と話をしてみて、このままご主人様を避けていてはいけないと思った。
ご主人様は、僕と交尾はしないと言っていたし、それは恋人にもならないということだとは思う。
けれども、僕はご主人様と恋人になりたいし、交尾もしたい。
その願いを両方叶えるのは、たぶん無理だと思う。
けれども、僕がご主人様に交尾してもいいかなと思ってもらえるように一所懸命がんばったら、もしかしたらご主人様も一回くらい僕と交尾をしてくれるかもしれない。
……うん、がんばってみよう。
がんばって、もし一回だけでも交尾してもらえたら、そしたらそれを大事な思い出にして、また今までみたいな飼い犬とご主人様という関係を続けていこう。
そう決心すると、胸がきゅっと痛む。
けれどもその痛みを無視して、僕はちょうど来てくれたノリさんに、男同士の交尾のやり方を教えてもらったのだった。
――――――――――――――――
夜になって、ご主人様が二階に寝に行ってから、僕は人間に変身して、お風呂でこっそりノリさんに教えてもらった通りに準備した。
お尻の中を交尾できるように準備するのは大変だったけれど、ご主人様に交尾してもらうためには必要なことなのでがんばった。
準備が終わると、裸のままで二階に上がった。
そして目を覚まして驚いているご主人様に、僕の正直な気持ちを伝えて、ご主人様が僕と交尾したくなるように、がんばってあの光さんの絵のまねをした。
そうしたら!
そうしたら、ご主人様は僕と交尾したいと言ってくれたのだ!
その上、僕のことが交尾がしたいという意味で――つまり、恋人にしたいという意味で好きだとまで言ってくれた。
僕はもう、うれしくてうれしくて、そして、力が強くなって人間の体が大きくなってしまうくらいに、すごくすごく幸せだった。
そしてその後、ご主人様は僕のことを、とても大切に抱いてくれた。
初めての交尾はちょっと苦しいこともあったけれど、すごく気持ちよくて、そしてうれしくて幸せで。
そして、初めての交尾で色々いっぱいいっぱいになってしまった僕は、ご主人様に自分のおちんちんをこすってもらって子種を出した後、そのまま気絶してしまったのだった。
その男の人は顔も裸の体もきれいで、絵のモデルにぴったりだということはわかる。
……でも、なんでこんなにたくさんあるの?
表紙に一年近く前の日付が書いてあるそのスケッチブックは、半分以上がその男の人の裸や服を着た絵で埋まっていた。
まるでこれ、今の僕みたいだ。
このスケッチブックではなく、最近の――ご主人様が僕と一緒に暮らし始めてからのスケッチブックは、半分以上……いや、7、8割のページに犬や人間の姿の僕が描かれている。
じゃあ、もしかしてこの人も僕みたいに、ご主人様と一緒に暮らしていていたのかな。
けど、それにしたって……。
確かに僕とその男の人は、同じようにスケッチブックに描かれてはいるけれども、しかし僕とその人の絵には決定的な違いがある。
それは、人間姿の僕の絵が全て服を着ているのに対して、その男の人の絵のほとんどが裸だということだった。
しかもただ裸だというだけではなく、なんだかその男の人が交尾をしている時のメス犬のように見える絵まである。
……なんか、もやもやする。
いや、もやもやというより、むしろむかむかする。
この男の人の絵を見ていると、なぜだかわからないが、腹が立って仕方がない。
見ていると腹が立ってくるのに、それでもその絵から目を離すことができなくて、僕がその絵をじっと見ていると、やがて僕がその絵を見ていることに気付いたご主人様が、慌てた様子で僕からスケッチブックを取り上げた。
――――――――――――――――
その後、その絵の人はご主人様の恋人だったのだと聞いた。
そしてご主人様が男同士で交尾をする人なのだと聞いて、僕は驚き、そしてその相手がスケッチブックの絵の人だったのだと聞いて、また嫌な気持ちになった。
そしてさらに、ご主人様は男の人と交尾する人なのに、僕とは交尾したくないと聞いて、なぜだかわからないけれど、すごくがっかりしてしまった。
ご主人様と僕は恋人同士ではないのだから、ご主人様が僕と交尾したくならないのは当然のことだ。
それなのになぜ、そのことに自分ががっかりしてしまったのか、その時の僕はよくわかっていなかったのだけれど。
――――――――――――――――
その後、あの絵の男の人――光さんがこの家にやってきて、それでようやく僕は自分の気持ちがわかったのだ。
僕が思わず人間に変身して光さんのことを追い出してしまった後、ご主人様に光さんのことが嫌だったのかと聞かれて、僕は自分が光さんに嫉妬していたこと、そしてそれは自分も光さんみたいに、ご主人様の恋人になってご主人様と交尾がしたかったからなのだと気付いた。
そしてそれと同時に、僕は自分がすでに失恋していることにも気付いてしまったのだ。
ご主人様は僕と交尾したくないと言っていたのだから、僕は逆立ちしたって、ご主人様の恋人にはなれない。
そのことに気付いた僕は、ご主人様とろくに話もせずに犬に戻り、ご主人様のそばにいるのもつらくて、そのまま二階に上がってしまったのだった。
――――――――――――――――
けれどもその翌日、僕に人間に変身する力をくれた方と話をしてみて、このままご主人様を避けていてはいけないと思った。
ご主人様は、僕と交尾はしないと言っていたし、それは恋人にもならないということだとは思う。
けれども、僕はご主人様と恋人になりたいし、交尾もしたい。
その願いを両方叶えるのは、たぶん無理だと思う。
けれども、僕がご主人様に交尾してもいいかなと思ってもらえるように一所懸命がんばったら、もしかしたらご主人様も一回くらい僕と交尾をしてくれるかもしれない。
……うん、がんばってみよう。
がんばって、もし一回だけでも交尾してもらえたら、そしたらそれを大事な思い出にして、また今までみたいな飼い犬とご主人様という関係を続けていこう。
そう決心すると、胸がきゅっと痛む。
けれどもその痛みを無視して、僕はちょうど来てくれたノリさんに、男同士の交尾のやり方を教えてもらったのだった。
――――――――――――――――
夜になって、ご主人様が二階に寝に行ってから、僕は人間に変身して、お風呂でこっそりノリさんに教えてもらった通りに準備した。
お尻の中を交尾できるように準備するのは大変だったけれど、ご主人様に交尾してもらうためには必要なことなのでがんばった。
準備が終わると、裸のままで二階に上がった。
そして目を覚まして驚いているご主人様に、僕の正直な気持ちを伝えて、ご主人様が僕と交尾したくなるように、がんばってあの光さんの絵のまねをした。
そうしたら!
そうしたら、ご主人様は僕と交尾したいと言ってくれたのだ!
その上、僕のことが交尾がしたいという意味で――つまり、恋人にしたいという意味で好きだとまで言ってくれた。
僕はもう、うれしくてうれしくて、そして、力が強くなって人間の体が大きくなってしまうくらいに、すごくすごく幸せだった。
そしてその後、ご主人様は僕のことを、とても大切に抱いてくれた。
初めての交尾はちょっと苦しいこともあったけれど、すごく気持ちよくて、そしてうれしくて幸せで。
そして、初めての交尾で色々いっぱいいっぱいになってしまった僕は、ご主人様に自分のおちんちんをこすってもらって子種を出した後、そのまま気絶してしまったのだった。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】※セーブポイントに入って一汁三菜の夕飯を頂いた勇者くんは体力が全回復します。
きのこいもむし
BL
ある日突然セーブポイントになってしまった自宅のクローゼットからダンジョン攻略中の勇者くんが出てきたので、一汁三菜の夕飯を作って一緒に食べようねみたいなお料理BLです。
自炊に目覚めた独身フリーターのアラサー男子(27)が、セーブポイントの中に入ると体力が全回復するタイプの勇者くん(19)を餌付けしてそれを肴に旨い酒を飲むだけの逆異世界転移もの。
食いしん坊わんこのローグライク系勇者×料理好きのセーブポイント系平凡受けの超ほんわかした感じの話です。
僕の、しあわせ辺境暮らし
* ゆるゆ
BL
雪のなか3歳の僕を、ひろってくれたのは、やさしい16歳の男の子でした。
ふたりの、しあわせな辺境暮らし、はじまります!
ぽて と むーちゃんの動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵もあがります。
YouTube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。
プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら!
【完結】抱っこからはじまる恋
* ゆるゆ
BL
満員電車で、立ったまま寄りかかるように寝てしまった高校生の愛希を抱っこしてくれたのは、かっこいい社会人の真紀でした。接点なんて、まるでないふたりの、抱っこからはじまる、しあわせな恋のお話です。
ふたりの動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵もあがります。
YouTube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。
プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら!
完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
BLoveさまのコンテストに応募しているお話を倍以上の字数増量でお送りする、アルファポリスさま限定版です!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
完結・オメガバース・虐げられオメガ側妃が敵国に売られたら激甘ボイスのイケメン王から溺愛されました
美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる