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一章
通説と真実
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アーテルお陰で、僕がどれほど強大な力を保持しているかは分かってもらえたと思う。ああ、僕自身の力という意味じゃなくて、僕の戦力という意味でね。これで僕の話を信じてもらう事ができるだろう。
「さっきのダンジョンの話に戻しますね」
僕のその発言があたりの空気を引き締めた。全員の視線が集まる。
ダンジョンボスを倒せばダンジョンの機能は失われるという定説は、アーテルがダンジョンを離れてもダンジョンが存続している事で既に覆されていると思う。
「ダンジョンのボスを倒しただけではダンジョンは無くなりません。新たな魔物がボスとして君臨するだけです」
ちらりとアーテルに視線を向けると、サマンサギルド長もイヴァン副ギルド長も、納得したように頷いた。
「で、ダンジョンを潰すには『ダンジョンコア』というものを破壊しなければならないそうです」
それは最下層にあり、ボスをどうにかしなければならないのが大前提である事も付け足しておく。
「お前さんは、前回最下層に辿り着いてアーテルとよしみを通じたんだろ? なぜコアを破壊しなかった?」
「僕の一存でそんな事出来る訳ないでしょう」
ダンジョンというのは魔物の素材という意味では領の、いや、国の財産とも呼べる一面があるんだ。僕が潰したとして、あとで叱られたらどうするのさ。
「まあそうね。賢明な判断だと思うわ」
サマンサギルド長の言葉に頷いて、僕は続ける。
スタンピードの仕組みについてだ。今までアーテルが主として君臨していた時は、彼女自身人間には無関心だったため、スタンピードは自然発生したものばかりだった。故に、一度発生すると次に起きるまでにある程度の時間的猶予がある。
「つまり、今起こったスタンピードは、意図的に起こされたものだって事ね?」
「そうですね。その証拠に、もうこのダンジョン内には殆ど魔物は残っていません」
自然発生したスタンピードでは、ダンジョンの許容範囲を超えた魔物が溢れ出してくる訳で、ダンジョンが空になるなんて事はない。それが今は、ノワールの索敵によれば最下層にいるボスだけなんだよね。文字通り、全戦力を投入したスタンピードだったって事。時間をかければまた魔物は何処からともなく生み出されてくるんだろうけど。
「なぜそんな事が分かるんだ……ってのも今更か。元ダンジョンボスが眷属になってるんだからな」
イヴァン副ギルド長がなんか諦めたように首を振る。正確にはアーテルじゃなくてノワールの力なんだけど、まあそれはいいか。勝手に誤解してくれるならこっちとしても都合がいいしね。
「まあそういう事ですね。それから僕の事なんですけど、僕が何者なのか詮索されても僕自身よく分からないのでお答えできません」
これは本当だよ。何故誰も持っていない闇属性に適正があるのか、本当に分からない。創世の女神ルーベラ様のみぞ知るってところかな。
「あー、その辺りはいいや。どうせ聞き出そうとしても力づくじゃ敵わねえだろうし、お前らが人間に敵対してるって訳でもねえ」
「そうね。面倒な事はこのダンジョンを出てから考えるわ。それで、勝算はあるのかしら?」
あれ? 意外とあっさり引いてくれたな。僕等と下手に拗れるよりは、侯爵の依頼を優先した方がいいって事かな?
でも、結果的にアーテルが言った通り、事態は好転しているみたいだ。ありがとね、アーテル。
さて、勝算か。ノワールの索敵で、最下層に居座っている魔物の存在は把握している。なかなか厄介なヤツが現れたものだ。
「ギルド長と副ギルド長は、マンティコアとやり合えますか?」
「マンティコア……だと?」
「……それが今のダンジョンボスって事?」
「そうですね」
二人共、とても難しい表情になったよ。
マンティコアとは、獅子の身体にサソリの尾、顔は人間のようで人を喰らう。滅多にお目にかかるような魔物ではないので色んな説が飛び交っているようだけど、頭にヤギのような角があるとか、背中に蝙蝠のような翼があるとか、定かじゃない。
まあ、どの噂にも共通しているのは、強靭な四肢から繰り出される攻撃は強力無比、岩をも砕く。またその牙は剣を受け止めてもビクともせず、噛みつかれたら最後逃れる前に咀嚼されておしまいだ。
さらにサソリの尾の一撃も強烈だが、刺突による毒攻撃。これが厄介だという。また、直接突き刺さなくても毒液を噴射するという、アウトレンジからの攻撃もある。
「マンティコアは、記録によればゴールドランカーのパーティが三チーム合同で漸く倒したらしいわね。しかも盾役は全員死亡」
サマンサギルド長の説明に思わずげんなりしてしまった。三チームというから、おそらく十人以上のゴールドランカーが一斉にかかってようやく討伐。しかも犠牲者まで出して、か。
ノワール、アーテル、どうだい?
(問題ありません。蹴り倒しますので)
(問題ない。殴り倒せばよい)
二人共頼もしいな。
「じゃあ、僕達が行ってきますので、皆さんは待っててください」
「待て待て待て。俺も行く」
イヴァン副ギルド長がオーガ隊長の剣を拾いながらそう言うと、肩をぐるぐる回してウォーミングアップを始めた。
「あたしも行けるわよ!」
デライラがよろめきながら立ち上がる。身体は凄く辛そうだけど、目は死んでいないね。おっと、でもまだふらついてるじゃないか。
「私の魔力も回復してきたわ。大きいのは無理だけど、支援火力なら任せなさい」
よろめいたデライラを支えながらサマンサギルド長がそう言った。
「それに私はギルドの責任者として、見届ける義務があるのよ」
なるほど、それもそうだよね。
僕達はデライラのペースに合わせて、ゆっくりと下層へ向かって行った。
「さっきのダンジョンの話に戻しますね」
僕のその発言があたりの空気を引き締めた。全員の視線が集まる。
ダンジョンボスを倒せばダンジョンの機能は失われるという定説は、アーテルがダンジョンを離れてもダンジョンが存続している事で既に覆されていると思う。
「ダンジョンのボスを倒しただけではダンジョンは無くなりません。新たな魔物がボスとして君臨するだけです」
ちらりとアーテルに視線を向けると、サマンサギルド長もイヴァン副ギルド長も、納得したように頷いた。
「で、ダンジョンを潰すには『ダンジョンコア』というものを破壊しなければならないそうです」
それは最下層にあり、ボスをどうにかしなければならないのが大前提である事も付け足しておく。
「お前さんは、前回最下層に辿り着いてアーテルとよしみを通じたんだろ? なぜコアを破壊しなかった?」
「僕の一存でそんな事出来る訳ないでしょう」
ダンジョンというのは魔物の素材という意味では領の、いや、国の財産とも呼べる一面があるんだ。僕が潰したとして、あとで叱られたらどうするのさ。
「まあそうね。賢明な判断だと思うわ」
サマンサギルド長の言葉に頷いて、僕は続ける。
スタンピードの仕組みについてだ。今までアーテルが主として君臨していた時は、彼女自身人間には無関心だったため、スタンピードは自然発生したものばかりだった。故に、一度発生すると次に起きるまでにある程度の時間的猶予がある。
「つまり、今起こったスタンピードは、意図的に起こされたものだって事ね?」
「そうですね。その証拠に、もうこのダンジョン内には殆ど魔物は残っていません」
自然発生したスタンピードでは、ダンジョンの許容範囲を超えた魔物が溢れ出してくる訳で、ダンジョンが空になるなんて事はない。それが今は、ノワールの索敵によれば最下層にいるボスだけなんだよね。文字通り、全戦力を投入したスタンピードだったって事。時間をかければまた魔物は何処からともなく生み出されてくるんだろうけど。
「なぜそんな事が分かるんだ……ってのも今更か。元ダンジョンボスが眷属になってるんだからな」
イヴァン副ギルド長がなんか諦めたように首を振る。正確にはアーテルじゃなくてノワールの力なんだけど、まあそれはいいか。勝手に誤解してくれるならこっちとしても都合がいいしね。
「まあそういう事ですね。それから僕の事なんですけど、僕が何者なのか詮索されても僕自身よく分からないのでお答えできません」
これは本当だよ。何故誰も持っていない闇属性に適正があるのか、本当に分からない。創世の女神ルーベラ様のみぞ知るってところかな。
「あー、その辺りはいいや。どうせ聞き出そうとしても力づくじゃ敵わねえだろうし、お前らが人間に敵対してるって訳でもねえ」
「そうね。面倒な事はこのダンジョンを出てから考えるわ。それで、勝算はあるのかしら?」
あれ? 意外とあっさり引いてくれたな。僕等と下手に拗れるよりは、侯爵の依頼を優先した方がいいって事かな?
でも、結果的にアーテルが言った通り、事態は好転しているみたいだ。ありがとね、アーテル。
さて、勝算か。ノワールの索敵で、最下層に居座っている魔物の存在は把握している。なかなか厄介なヤツが現れたものだ。
「ギルド長と副ギルド長は、マンティコアとやり合えますか?」
「マンティコア……だと?」
「……それが今のダンジョンボスって事?」
「そうですね」
二人共、とても難しい表情になったよ。
マンティコアとは、獅子の身体にサソリの尾、顔は人間のようで人を喰らう。滅多にお目にかかるような魔物ではないので色んな説が飛び交っているようだけど、頭にヤギのような角があるとか、背中に蝙蝠のような翼があるとか、定かじゃない。
まあ、どの噂にも共通しているのは、強靭な四肢から繰り出される攻撃は強力無比、岩をも砕く。またその牙は剣を受け止めてもビクともせず、噛みつかれたら最後逃れる前に咀嚼されておしまいだ。
さらにサソリの尾の一撃も強烈だが、刺突による毒攻撃。これが厄介だという。また、直接突き刺さなくても毒液を噴射するという、アウトレンジからの攻撃もある。
「マンティコアは、記録によればゴールドランカーのパーティが三チーム合同で漸く倒したらしいわね。しかも盾役は全員死亡」
サマンサギルド長の説明に思わずげんなりしてしまった。三チームというから、おそらく十人以上のゴールドランカーが一斉にかかってようやく討伐。しかも犠牲者まで出して、か。
ノワール、アーテル、どうだい?
(問題ありません。蹴り倒しますので)
(問題ない。殴り倒せばよい)
二人共頼もしいな。
「じゃあ、僕達が行ってきますので、皆さんは待っててください」
「待て待て待て。俺も行く」
イヴァン副ギルド長がオーガ隊長の剣を拾いながらそう言うと、肩をぐるぐる回してウォーミングアップを始めた。
「あたしも行けるわよ!」
デライラがよろめきながら立ち上がる。身体は凄く辛そうだけど、目は死んでいないね。おっと、でもまだふらついてるじゃないか。
「私の魔力も回復してきたわ。大きいのは無理だけど、支援火力なら任せなさい」
よろめいたデライラを支えながらサマンサギルド長がそう言った。
「それに私はギルドの責任者として、見届ける義務があるのよ」
なるほど、それもそうだよね。
僕達はデライラのペースに合わせて、ゆっくりと下層へ向かって行った。
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