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三章
ユーイング再び
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冒険者ギルドルーバー本部に出かける旨を、宿の人にデライラ達が戻ったら伝えるよう伝言を頼み、待たせていた受付のお姉さんと共に出かける。
宿とギルド本部は近いので、すぐに着く。世間話をするほどの時間も無かったけど、初めてお姉さんが名乗ってくれた。
「そう言えば自己紹介がまだでしたね。私はミゼットと申します。十九歳、独身です!」
「あ、ハイ……僕はショーンです。こっちがノワール、そしてアーテルです」
独身の件でちょっと語気が強まった気がしたけど、とりあえず僕達も自己紹介しておく。それに合わせてノワールとアーテルがペコリと会釈をした。
「ええ、お名前だけは王都でも聞き及んでいたのですがね。まさかこんなにお若い方とは思いませんでした。本部には中々お若い方っていらっしゃらないんですよ~」
彼女はそう言ってコロコロと笑う。そうしているうちにギルド本部に到着。そのままミゼットさんに引率されて中に入り、前回ユーイングさんと会った部屋へと案内された。
「中でグランドマスターがお待ちです。では、またいつかごゆっくりお話させて下さいね」
「はい、わざわざありがとうございました」
ミゼットさんと軽く一言交わした後、ドアをノックして室内に入ると、ユーイングさんが前と同じようなジャケットを着崩した格好で出迎えてくれた。
「よう、急に呼び出して済まねえな。まあ、楽にしてくれ」
「いえ」
ユーイングさんに促されてソファに座ると、ユーイングさんがテーブルに額を擦りつける勢いで頭を下げてきた。
「済まねえ!」
「へ?」
突然の事で訳が分からない。というか、心当たりはあるんだけど、まさか冒険者の頂点に立つグランドマスターがこんなにも簡単に頭を下げてくるのは予想外だったな。
「ドレクスラーや暴風とかいう冒険者の件ですか?」
「ああ」
僕が問いかけると、ユーイングさんが漸く顔を上げて答えてくれた。でも僕は第二区画のギルドでの一件はまだ報告していないんだけどなぁ……
「ここ数日、魔物の素材の取引が急増しやがってな。ちょっと市場価格が値下がり気味なんだよ。そんでどうなってのか調査したら、お前さんが支部に買い取らせてるっていうじゃねえか。そこから更に調べたら、支部でのトラブルに行き当たったって訳だ」
なるほど。
「まさか二つ名持ちのゴールドランカーやギルドマスターまでがああだとは思いませんでした。いっそ建物ごと更地にしてやろうかと思ったんですけどね。僕としても素材の買い取りはしてもらいたいので思い留まりました」
「いや、それはお前アレだ、勘弁してくれ」
「それで、今日の要件はそれですか?」
「ああ、ひとつはな」
ユーイングさんからの話とは、ひとつめはギルドでの買い取りの話。
日持ちのしない肉なんかの素材は仕方がないが、その他の長期保管が利く素材はギルドが決める適正量に従ってくれとの事。
これは王都の市場価格を適正にする為にどうしても必要な事で、そうしないとギルドとしても買い取り金額を下げざるを得ない。そうなると、他の冒険者が持ち込んだ素材を買い叩く事になってしまう訳だね。それは僕としても本位じゃないなあ。
今まで僕が売った分はギルドの予算を切り盛りして定価で取引していたらしい。
「あんまりお前さん一人の為にギルドの予算を崩す訳にもいかねえんだ。分かってくれ。その代わり、レアな素材はどんどん買い取るからよ」
最後のところで白い歯を輝かせながら親指を立てるユーイングさん。この人、ホント偉い人なのに気取ったところがないよね。
「分かりました。それで他には?」
「ああ、アナークとギルマスのドレクスラーのヤツは俺がきっちり更生させてやっからよ。どうか勘弁してやってくれ」
「ユーイングさんがそう言うなら。でも、僕も次はないですからね?」
「おう」
特に相手がブンドルと関係がある上で僕に絡んでくるなら、僕にとっては敵だ。一度は見逃しても次はない。
「それからこれが本題だ。お前のプラチナランク昇格試験についてなんだがな」
「……はい」
結構重要な話題だと思うんだけど、ノワールもアーテルも全く関係なさそうなのが面白い。所詮は人間が決めた肩書だから興味がないのか、僕なら合格して当たり前と思っているから無関心なのか。
ユーイングさんが言うには、昇格試験に必要なのはその冒険者が拠点にしている地方の領主の推薦。それにはまず傑出した実績を残してギルドマスターが領主に伺いを立てる必要がある。
僕はダンジョン攻略という実績と、グリペン侯爵の推薦があるからそこはクリアーしているね。
そしてその次はギルド本部のグランドマスターの承認。これも前回の面談でクリアーしている。
そして最後、国王が承認した上で試験内容は国王とグランドマスターが協議の上決めるらしい。
「女王陛下が先代国王の跡を継いで、今回が初めての昇格試験でな。なかなか面白い試験内容だったぜ。残念ながらまだ公開出来ないが、お前さんの受験は女王陛下によって無事承認された事を伝えておく」
この国の王様って、確かまだ若い女性だった気がする。レベッカ陛下だったかな。そんな人がどんな内容を考えたのか、ちょっと心配だなぁ。
「そうですか。分かりました。僕は何かすべきことはありますか?」
そんな僕の質問に、ユーイングさんはニヤリと笑いながら答える。
「自分が後悔しないように、頑張るんだな」
どこか含みを持たせた言い方だなぁ。
宿とギルド本部は近いので、すぐに着く。世間話をするほどの時間も無かったけど、初めてお姉さんが名乗ってくれた。
「そう言えば自己紹介がまだでしたね。私はミゼットと申します。十九歳、独身です!」
「あ、ハイ……僕はショーンです。こっちがノワール、そしてアーテルです」
独身の件でちょっと語気が強まった気がしたけど、とりあえず僕達も自己紹介しておく。それに合わせてノワールとアーテルがペコリと会釈をした。
「ええ、お名前だけは王都でも聞き及んでいたのですがね。まさかこんなにお若い方とは思いませんでした。本部には中々お若い方っていらっしゃらないんですよ~」
彼女はそう言ってコロコロと笑う。そうしているうちにギルド本部に到着。そのままミゼットさんに引率されて中に入り、前回ユーイングさんと会った部屋へと案内された。
「中でグランドマスターがお待ちです。では、またいつかごゆっくりお話させて下さいね」
「はい、わざわざありがとうございました」
ミゼットさんと軽く一言交わした後、ドアをノックして室内に入ると、ユーイングさんが前と同じようなジャケットを着崩した格好で出迎えてくれた。
「よう、急に呼び出して済まねえな。まあ、楽にしてくれ」
「いえ」
ユーイングさんに促されてソファに座ると、ユーイングさんがテーブルに額を擦りつける勢いで頭を下げてきた。
「済まねえ!」
「へ?」
突然の事で訳が分からない。というか、心当たりはあるんだけど、まさか冒険者の頂点に立つグランドマスターがこんなにも簡単に頭を下げてくるのは予想外だったな。
「ドレクスラーや暴風とかいう冒険者の件ですか?」
「ああ」
僕が問いかけると、ユーイングさんが漸く顔を上げて答えてくれた。でも僕は第二区画のギルドでの一件はまだ報告していないんだけどなぁ……
「ここ数日、魔物の素材の取引が急増しやがってな。ちょっと市場価格が値下がり気味なんだよ。そんでどうなってのか調査したら、お前さんが支部に買い取らせてるっていうじゃねえか。そこから更に調べたら、支部でのトラブルに行き当たったって訳だ」
なるほど。
「まさか二つ名持ちのゴールドランカーやギルドマスターまでがああだとは思いませんでした。いっそ建物ごと更地にしてやろうかと思ったんですけどね。僕としても素材の買い取りはしてもらいたいので思い留まりました」
「いや、それはお前アレだ、勘弁してくれ」
「それで、今日の要件はそれですか?」
「ああ、ひとつはな」
ユーイングさんからの話とは、ひとつめはギルドでの買い取りの話。
日持ちのしない肉なんかの素材は仕方がないが、その他の長期保管が利く素材はギルドが決める適正量に従ってくれとの事。
これは王都の市場価格を適正にする為にどうしても必要な事で、そうしないとギルドとしても買い取り金額を下げざるを得ない。そうなると、他の冒険者が持ち込んだ素材を買い叩く事になってしまう訳だね。それは僕としても本位じゃないなあ。
今まで僕が売った分はギルドの予算を切り盛りして定価で取引していたらしい。
「あんまりお前さん一人の為にギルドの予算を崩す訳にもいかねえんだ。分かってくれ。その代わり、レアな素材はどんどん買い取るからよ」
最後のところで白い歯を輝かせながら親指を立てるユーイングさん。この人、ホント偉い人なのに気取ったところがないよね。
「分かりました。それで他には?」
「ああ、アナークとギルマスのドレクスラーのヤツは俺がきっちり更生させてやっからよ。どうか勘弁してやってくれ」
「ユーイングさんがそう言うなら。でも、僕も次はないですからね?」
「おう」
特に相手がブンドルと関係がある上で僕に絡んでくるなら、僕にとっては敵だ。一度は見逃しても次はない。
「それからこれが本題だ。お前のプラチナランク昇格試験についてなんだがな」
「……はい」
結構重要な話題だと思うんだけど、ノワールもアーテルも全く関係なさそうなのが面白い。所詮は人間が決めた肩書だから興味がないのか、僕なら合格して当たり前と思っているから無関心なのか。
ユーイングさんが言うには、昇格試験に必要なのはその冒険者が拠点にしている地方の領主の推薦。それにはまず傑出した実績を残してギルドマスターが領主に伺いを立てる必要がある。
僕はダンジョン攻略という実績と、グリペン侯爵の推薦があるからそこはクリアーしているね。
そしてその次はギルド本部のグランドマスターの承認。これも前回の面談でクリアーしている。
そして最後、国王が承認した上で試験内容は国王とグランドマスターが協議の上決めるらしい。
「女王陛下が先代国王の跡を継いで、今回が初めての昇格試験でな。なかなか面白い試験内容だったぜ。残念ながらまだ公開出来ないが、お前さんの受験は女王陛下によって無事承認された事を伝えておく」
この国の王様って、確かまだ若い女性だった気がする。レベッカ陛下だったかな。そんな人がどんな内容を考えたのか、ちょっと心配だなぁ。
「そうですか。分かりました。僕は何かすべきことはありますか?」
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どこか含みを持たせた言い方だなぁ。
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