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AD1189
21話 魔改造
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本来の姿であるファントムの機体となったアンジーのコックピットに収まった三戸は、操縦桿を倒して機体をややロールさせる。
「結構いるが……まあ、あいつらなら大丈夫だろ。ciwsもあるしな」
キャノピー越しに地上にいる魔物の規模を確認する。必要であればこの場で出来る限り間引く事も考えたが、それには及ばないと判断した。だが。
「でもまあ、せっかくだから少し落としていくか」
「まあ、マスターったら。クスクスクス」
今のアンジーは機体そのものだ。その機体から声が聞こえることに多少の違和感を感じながらも、三戸は二発の無誘導爆弾を投下した。本当は魔物を倒してしまいたい欲求を堪えきれない三戸を、アンジーはからかうように笑う。
爆弾の落下音に気付いた魔物達が上空を見上げるが、当のファントムは既に彼方に飛び去っている。そして、着弾。落下してきたものが何か分からない魔物達はその場に留まっており、爆発に巻き込まれおよそ数十体の魔物が葬り去られた。
「ところでアンジー。ciwsの制御は大丈夫なのか?」
「はいっ! 自律プログラムと識別センサーを組み込みました!」
「は?」
「敵味方をオートで識別、魔物だけを狙って迎撃する優れものなんですよっ!」
対人兵器ではないciwsが、アンジーによって魔改造されていたようだ。無人対魔物迎撃システムとでも言おうか。元いた世界と違い、敵と味方でそれぞれ識別信号を出しているとか、そんな便利な状況ではない。ロックオンするにしても射撃するにしても、まずは自分の目による判別が必要だ。
「魔物が出している瘴気をセンサーが感知するんです!」
……という事らしい。おそらくciwsだけでなく、他の誘導兵器類も魔改造されているんだろうな、と三戸は内心苦笑する。
「んふふ~、ちゃんとアンジー本体だって性能アップしてますからねぇ~?」
「ほう?」
「私、アンジーがサポートAIとしてマスターを全力でお助けする以外にも……って、瘴気の穴です!」
「ああ、視認した。アンジー、ASM-2準備。デカいの食らわせてやる」
「はいっ!」
戦闘機と会話している。恐らくアンジーは自分がコックピットにいなくても、この機体を自由自在に動かす事が出来るのだろう。それなのに、自分を立ててくれているのだろうかと思うと、はやり会話の相手が戦闘機とは思えない三戸だった。
「マスター! それは違います! 私一人で自律飛行ができるようになったら、マスターが乗ってくれなくなるじゃないですか! だからそれだけはゼッッッタイにやりません!」
突然目の前に半透明なモニターパネルが出現し、そこにはほっぺを膨らませたアンジーの顔が映し出されていた。そのパネルは実体がなく、触ろうとしても通り過ぎてしまう。
「ホログラムか何か、なのか?」
「はい! 通常のパネルとしての性能はもちろん、戦闘機モードの時にアンジーちゃんとテレビ電話的な使い方もできる優れものですっ! ついでに、ジャンヌさん達の上空にドローンを飛ばせてあるので、あちらの様子も確認できますよ!」
「そ、そうか。すごいな……」
退役するようなロートルの機体に、アニメでしか見たことがないような未来装備。
「そのうちレーザー砲とかレールガンとかも出てきそうだな……」
思わず口にした三戸の言葉に、モニターの向こうでアンジーの顔がキラキラ輝いた。
「それ、採用します! あ、既にVTOLとしての機能は付けてますからねっ!」
VTOLのあたりでアンジーがドヤ顔になる。どんな表情でも可愛らしいな、などと思っていた三戸だが、呆けている場合ではない事を思い出す。
「おっと、おしゃべりは後回しだ。ASM-2発射!」
瘴気の穴に向かって、機体下部から対艦ミサイルが射出される。
「さあ、ドッグファイトをしようじゃないか!」
操縦桿を握った三戸の口角が上がっていた。
瘴気の穴に飲み込まれた対艦ミサイルが爆発を起こす。ややおいて、わらわらと魔物が湧きだしてきた。文字通り、ハチの巣を突いたような騒ぎである。
ピ、ピ、という電子音をさせながら、三戸はモニターに表示される敵反応をロックオンしていく。
「スパロー、発射!」
翼下の空対空ミサイルが魔物目掛けて飛翔していく。
「次!」
命中したかどうかなど気にしない。再びモニターを見ながらロックオンしては発射。ミサイルはアンジーが補充してくれる。
「アンジー、ロックオン任せる!」
「はいっ!」
接近しすぎた敵には20㎜機関砲での攻撃。
「マスターの精神に高揚感が見受けられますが?」
「ああ、お前とこうしてまた飛べてるんだ。高揚するなって方が無理ってモンだ!」
「まあ……」
パイロットと機体。この二つの要素が融合した今、二人の戦闘力は極大値に達した。
「結構いるが……まあ、あいつらなら大丈夫だろ。ciwsもあるしな」
キャノピー越しに地上にいる魔物の規模を確認する。必要であればこの場で出来る限り間引く事も考えたが、それには及ばないと判断した。だが。
「でもまあ、せっかくだから少し落としていくか」
「まあ、マスターったら。クスクスクス」
今のアンジーは機体そのものだ。その機体から声が聞こえることに多少の違和感を感じながらも、三戸は二発の無誘導爆弾を投下した。本当は魔物を倒してしまいたい欲求を堪えきれない三戸を、アンジーはからかうように笑う。
爆弾の落下音に気付いた魔物達が上空を見上げるが、当のファントムは既に彼方に飛び去っている。そして、着弾。落下してきたものが何か分からない魔物達はその場に留まっており、爆発に巻き込まれおよそ数十体の魔物が葬り去られた。
「ところでアンジー。ciwsの制御は大丈夫なのか?」
「はいっ! 自律プログラムと識別センサーを組み込みました!」
「は?」
「敵味方をオートで識別、魔物だけを狙って迎撃する優れものなんですよっ!」
対人兵器ではないciwsが、アンジーによって魔改造されていたようだ。無人対魔物迎撃システムとでも言おうか。元いた世界と違い、敵と味方でそれぞれ識別信号を出しているとか、そんな便利な状況ではない。ロックオンするにしても射撃するにしても、まずは自分の目による判別が必要だ。
「魔物が出している瘴気をセンサーが感知するんです!」
……という事らしい。おそらくciwsだけでなく、他の誘導兵器類も魔改造されているんだろうな、と三戸は内心苦笑する。
「んふふ~、ちゃんとアンジー本体だって性能アップしてますからねぇ~?」
「ほう?」
「私、アンジーがサポートAIとしてマスターを全力でお助けする以外にも……って、瘴気の穴です!」
「ああ、視認した。アンジー、ASM-2準備。デカいの食らわせてやる」
「はいっ!」
戦闘機と会話している。恐らくアンジーは自分がコックピットにいなくても、この機体を自由自在に動かす事が出来るのだろう。それなのに、自分を立ててくれているのだろうかと思うと、はやり会話の相手が戦闘機とは思えない三戸だった。
「マスター! それは違います! 私一人で自律飛行ができるようになったら、マスターが乗ってくれなくなるじゃないですか! だからそれだけはゼッッッタイにやりません!」
突然目の前に半透明なモニターパネルが出現し、そこにはほっぺを膨らませたアンジーの顔が映し出されていた。そのパネルは実体がなく、触ろうとしても通り過ぎてしまう。
「ホログラムか何か、なのか?」
「はい! 通常のパネルとしての性能はもちろん、戦闘機モードの時にアンジーちゃんとテレビ電話的な使い方もできる優れものですっ! ついでに、ジャンヌさん達の上空にドローンを飛ばせてあるので、あちらの様子も確認できますよ!」
「そ、そうか。すごいな……」
退役するようなロートルの機体に、アニメでしか見たことがないような未来装備。
「そのうちレーザー砲とかレールガンとかも出てきそうだな……」
思わず口にした三戸の言葉に、モニターの向こうでアンジーの顔がキラキラ輝いた。
「それ、採用します! あ、既にVTOLとしての機能は付けてますからねっ!」
VTOLのあたりでアンジーがドヤ顔になる。どんな表情でも可愛らしいな、などと思っていた三戸だが、呆けている場合ではない事を思い出す。
「おっと、おしゃべりは後回しだ。ASM-2発射!」
瘴気の穴に向かって、機体下部から対艦ミサイルが射出される。
「さあ、ドッグファイトをしようじゃないか!」
操縦桿を握った三戸の口角が上がっていた。
瘴気の穴に飲み込まれた対艦ミサイルが爆発を起こす。ややおいて、わらわらと魔物が湧きだしてきた。文字通り、ハチの巣を突いたような騒ぎである。
ピ、ピ、という電子音をさせながら、三戸はモニターに表示される敵反応をロックオンしていく。
「スパロー、発射!」
翼下の空対空ミサイルが魔物目掛けて飛翔していく。
「次!」
命中したかどうかなど気にしない。再びモニターを見ながらロックオンしては発射。ミサイルはアンジーが補充してくれる。
「アンジー、ロックオン任せる!」
「はいっ!」
接近しすぎた敵には20㎜機関砲での攻撃。
「マスターの精神に高揚感が見受けられますが?」
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「まあ……」
パイロットと機体。この二つの要素が融合した今、二人の戦闘力は極大値に達した。
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