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96話 秘密基地
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藤井が出現させたのはF-35B。通称ライトニングⅡ。
電波を反射させない黒い機体は新鋭ステルス機である事を誇示しているようであり、エンジンは単発ながら一世代前の双発機と同等の出力を発生させる。
そしてもう一つの特徴は、STOVLである事。滑走路の短い空母の甲板から発艦するには都合の良い機体である。
「コイツなら短い滑走路でも大丈夫ですね」
藤井がにこやかにそう言う。
「隊長もライトニングⅡに乗るんですか?」
「いや、俺はファントムさ」
中谷の質問に三戸が答えると、岡本も参戦してきた。
「でもファントムじゃカタパルトがないとそれなりの長さの滑走路欲しいっすよね?」
確かに岡本の言う通りである。しかし三戸のファントムはアンジーの魔改造済み。
「俺のアンジーはVTOL機に進化してんだ。滑走路はいらねえよ」
三戸はそう言ってニヤリと笑う。
その上性能も最新鋭機を遥かに凌駕する事を伝えると、三人は半ば呆れるのだった。
「アンジーさん、そのうち荷電粒子砲とかレールガンとかも装備しちゃいそうっすね」
何気なく放った岡本の一言に、アンジーの瞳がキラリと輝いたのは誰も知らない。
結局、滑走路は二機同時に発進出る幅を確保し、長さ五百メートル、幅五十メートルにする事を決める。離陸ポイントはスキーのジャンプ台のような傾斜も付けた。不測の事態でF-35Bが使えない状況の時、他の機体も離陸可能にするためだ。
整地と舗装は関羽とリチャードに任せたところで、どうせなら基地化してしまおうという中谷の発言から、どこに何を設営するかをわいわいがやがやと話し合っていた三戸達。
そこに少年のように瞳を輝かせたサラディンとアスキーが乱入してきた。
『秘密基地』とはいくつになっても男子の心をくすぐるものらしく、ジャンヌの肩で最後まで我慢していたオウム姿のブリューナクも、ついにウズウズを我慢出来なくなって秘密基地設計の輪の中に飛び込んだ。
「まったく……男の子ってああいうの好きよね」
「いいではありませんか。殺伐とした戦いばかりでは息も詰まりますからね」
「ん。おじいちゃんかわいい」
ジャンヌとナイチンゲールが生暖かい視線で男子連中を見ている横で、ジハードは微笑んでいた。
「でもせっかくなので、女子の意見も取り入れてもらいましょうよ!」
「そうですね!」
結局ジャンヌもナイチンゲールも参加する事に。
そうして滑走路が完成し、仮設のテント等の設営が終わって一段落したところに、アンジーのレーダーが反応を捉える。
「二体、ですね。こちらにゆっくりと近付いていますね。データ、転送します!」
アンジーから三戸へデータが転送される。三戸の脳裏には解析されたアンジーからのデータが映し出されていた。
「スピードは徒歩、反応の大きさは人間の大人くらいだな」
「はい……瘴気の反応がないので人間かと思いますが……」
「全員、一応警戒しといてくれ」
三戸はそう指示を出す。何が出るか分からないのがこの並行世界だ。そして三戸は、ある事に気が付いた。
「そういやアンジー、ここはどこで、いつの時代なんだ?」
景色は美しく空気も水も澄んでいる。木々には色とりどりの果実が成り、人が住むには絶好の場所に思える。しかしここには『生活のにおい』というものが感じられない。
このような場所に人がいないとは、いったいどこで、いつの時代なのか。そしてここで待ち受けているのはどんな人物なのか。
「……それが、確定できないのです。時代、不明。座標、特定できず……申し訳ありません」
アンジーが申し訳なさそうにペコリと頭を下げた。
「ふむ……」
ここに来る途中で神との対話の空間へ行ったこと、戦力強化されたこと。異例といえば異例な事ばかり。おそらくこの場所はまともじゃない。そう思っていた三戸だが、まさか何もかもが不明だとは。
「分からんものは仕方がない。お客さんに話を聞いてみるか」
三戸がそう話した視線の先には、木陰に隠れて顔だけを出している二人の人間の姿があった。
電波を反射させない黒い機体は新鋭ステルス機である事を誇示しているようであり、エンジンは単発ながら一世代前の双発機と同等の出力を発生させる。
そしてもう一つの特徴は、STOVLである事。滑走路の短い空母の甲板から発艦するには都合の良い機体である。
「コイツなら短い滑走路でも大丈夫ですね」
藤井がにこやかにそう言う。
「隊長もライトニングⅡに乗るんですか?」
「いや、俺はファントムさ」
中谷の質問に三戸が答えると、岡本も参戦してきた。
「でもファントムじゃカタパルトがないとそれなりの長さの滑走路欲しいっすよね?」
確かに岡本の言う通りである。しかし三戸のファントムはアンジーの魔改造済み。
「俺のアンジーはVTOL機に進化してんだ。滑走路はいらねえよ」
三戸はそう言ってニヤリと笑う。
その上性能も最新鋭機を遥かに凌駕する事を伝えると、三人は半ば呆れるのだった。
「アンジーさん、そのうち荷電粒子砲とかレールガンとかも装備しちゃいそうっすね」
何気なく放った岡本の一言に、アンジーの瞳がキラリと輝いたのは誰も知らない。
結局、滑走路は二機同時に発進出る幅を確保し、長さ五百メートル、幅五十メートルにする事を決める。離陸ポイントはスキーのジャンプ台のような傾斜も付けた。不測の事態でF-35Bが使えない状況の時、他の機体も離陸可能にするためだ。
整地と舗装は関羽とリチャードに任せたところで、どうせなら基地化してしまおうという中谷の発言から、どこに何を設営するかをわいわいがやがやと話し合っていた三戸達。
そこに少年のように瞳を輝かせたサラディンとアスキーが乱入してきた。
『秘密基地』とはいくつになっても男子の心をくすぐるものらしく、ジャンヌの肩で最後まで我慢していたオウム姿のブリューナクも、ついにウズウズを我慢出来なくなって秘密基地設計の輪の中に飛び込んだ。
「まったく……男の子ってああいうの好きよね」
「いいではありませんか。殺伐とした戦いばかりでは息も詰まりますからね」
「ん。おじいちゃんかわいい」
ジャンヌとナイチンゲールが生暖かい視線で男子連中を見ている横で、ジハードは微笑んでいた。
「でもせっかくなので、女子の意見も取り入れてもらいましょうよ!」
「そうですね!」
結局ジャンヌもナイチンゲールも参加する事に。
そうして滑走路が完成し、仮設のテント等の設営が終わって一段落したところに、アンジーのレーダーが反応を捉える。
「二体、ですね。こちらにゆっくりと近付いていますね。データ、転送します!」
アンジーから三戸へデータが転送される。三戸の脳裏には解析されたアンジーからのデータが映し出されていた。
「スピードは徒歩、反応の大きさは人間の大人くらいだな」
「はい……瘴気の反応がないので人間かと思いますが……」
「全員、一応警戒しといてくれ」
三戸はそう指示を出す。何が出るか分からないのがこの並行世界だ。そして三戸は、ある事に気が付いた。
「そういやアンジー、ここはどこで、いつの時代なんだ?」
景色は美しく空気も水も澄んでいる。木々には色とりどりの果実が成り、人が住むには絶好の場所に思える。しかしここには『生活のにおい』というものが感じられない。
このような場所に人がいないとは、いったいどこで、いつの時代なのか。そしてここで待ち受けているのはどんな人物なのか。
「……それが、確定できないのです。時代、不明。座標、特定できず……申し訳ありません」
アンジーが申し訳なさそうにペコリと頭を下げた。
「ふむ……」
ここに来る途中で神との対話の空間へ行ったこと、戦力強化されたこと。異例といえば異例な事ばかり。おそらくこの場所はまともじゃない。そう思っていた三戸だが、まさか何もかもが不明だとは。
「分からんものは仕方がない。お客さんに話を聞いてみるか」
三戸がそう話した視線の先には、木陰に隠れて顔だけを出している二人の人間の姿があった。
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