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119話 開戦!
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基地に向かって接近してきた五体の黒翼の天使のうち、四体がジャンヌ、関羽、リチャード、サラディンによって釘付けにされた。そして残る一体も基地内に侵入を図るが、ふぁむちゃんの管制による対空砲火が容易にそれを許さない。
「ヤツの事です。もうこちらを捕捉しているのでしょうね。それだけにふぁむちゃんも狙いやすいという事でしょうか」
空中で回避と防御を強制されている黒翼の天使を見ながら、ナイチンゲールが口を開いた。彼女達は司令塔を離れ、エレファント達デーモンのねぐらとなっている倉庫に移動している。当然、自分達の盾となるエレファント、イーグル、ホーク、ファルコンと行動を共にする為だ。彼等の巨体ではさすがに司令塔に入ってこれない。
さらに、前回と違うのはこちらの火力だ。10式戦車の投入前はまるで歯が立たなかった黒翼の天使の絶対防御。しかし今回は10式を投入している以外にも、多数の速射砲が迎撃に当たっている。
ciwsだけなら防げていた防御も、護衛艦の主砲クラスが直撃しては無傷では済まないのだろう。黒翼に身をくるみ、被弾を避けようと必死なようだ。
「だが、このままでは埒が明かないのではないかね? ☆」
「それでいいのでは? じきにジャンヌさん達が加勢してくれるでしょうから」
「ふむ、信頼しているのだね☆」
ナイチンゲールは前線で戦う救世者達が負けるとは欠片も考えていない。だからこそ、リスクを負わず現状維持で十分だと考えていた。
一度は苦戦した相手だが、二度同じ相手に不覚をとるようなメンバーはいない。その信頼感から、アスキーへは無言の笑顔を返すナイチンゲールだった。
△▼△
かつて苦戦を強いられた黒翼の天使を相手に、今度はたった一人で対峙している。敵が発するプレッシャーも以前同様、圧し潰されんがばかりだ。
しかし背中の燃えるような真っ赤な翼をはためかせ、全身を赤いオーラに包まれたジャンヌ・ダルクは、その黒翼の天使を正面に見据え、些かも怯む様子はない。いや、むしろ高揚しているようにすら見える。
「当たれば即死の魔力光線。そしてあの黒翼による絶対防御。おかしいわね。難攻不落の強敵なのに負ける気が一切しないのよね」
『当たり前だ。今のお前は俺の全てを取り込んでるんだ。あんな紛いモンの天使なんぞより余程お前の方が神々しいぜ?』
「ふふっ、そうね。じゃあ、見せてやるわ! オルレアンの聖女の力を!」
ジャンヌの中の気が爆発的に高まった。それを感じた黒翼の天使が右手をジャンヌに向ける。その右手は赤黒く、そして禍々しく光っていた。そしてその光は徐々に濃縮されていく。
「ふっ。これは私の位置取りが不味かったわね」
ジャンヌがちらりと後方を振り返り、そう呟く。
『全くだぜ。お前、力を手に入れて舞い上がってんじゃねえのか?』
「そうね。反省するわ」
そんなジャンヌの失策は、自分の中にいるブリューナクの声に叱責される。
光った瞬間を見た時には既に貫かれているという魔力光線。幸い、瘴気を集めて収束させるという予備動作があるために、事前に察知して避ける事は可能だ。
しかし、黒翼の天使がジャンヌに向けた射線の延長線には、基地の司令塔があったのである。これではジャンヌは避ける事が出来ない。避けたら中にいるナイチンゲール達に被害が及ぶ。(この時すでに、ナイチンゲール達は移動していたのだが)
その時ジャンヌには、目も鼻も口もない黒翼の天使の顔がほくそ笑んだように見えた。そしてその瞬間、黒翼の天使の右手が赤黒くスパークした。
同時にジャンヌも口角を吊り上げ、前方に左手を翳した。自分に向けて撃って来いと。そして受け止め切ってみせると。
そして黒翼の天使から魔力光線が放たれる。光を認識したと同時にジャンヌの左手を襲う衝撃。
「くっ……ぐぅ……ハァッ!」
ジャンヌの左手ごと貫いて行くかと思われた魔力光線は、彼女の左手に展開された赤いオーラに防がれていた。しかしジャンヌの方も気を抜けば突破されてしまう。
彼女は左手に意識を集中し、力と気を込める。そして最後に渾身の気合を込めて、その左手を握りしめた。
――!!
表情がない黒翼の天使が、明らかに驚愕した。
ジャンヌが左手を握りしめると、敵を貫くはずの魔力光線が霧散してしまったのである。
「ふふっ、さすがに強烈だったけど、なんとかなるものね。さあ、今度はこっちの番よ!」
ジャンヌが上昇し、黒翼の天使の頭上を取る。そして右手の槍を四度振るった。
「食らいなさい!」
ジャンヌの槍の穂先から、青白い四つの炎弾が放たれた。
「ヤツの事です。もうこちらを捕捉しているのでしょうね。それだけにふぁむちゃんも狙いやすいという事でしょうか」
空中で回避と防御を強制されている黒翼の天使を見ながら、ナイチンゲールが口を開いた。彼女達は司令塔を離れ、エレファント達デーモンのねぐらとなっている倉庫に移動している。当然、自分達の盾となるエレファント、イーグル、ホーク、ファルコンと行動を共にする為だ。彼等の巨体ではさすがに司令塔に入ってこれない。
さらに、前回と違うのはこちらの火力だ。10式戦車の投入前はまるで歯が立たなかった黒翼の天使の絶対防御。しかし今回は10式を投入している以外にも、多数の速射砲が迎撃に当たっている。
ciwsだけなら防げていた防御も、護衛艦の主砲クラスが直撃しては無傷では済まないのだろう。黒翼に身をくるみ、被弾を避けようと必死なようだ。
「だが、このままでは埒が明かないのではないかね? ☆」
「それでいいのでは? じきにジャンヌさん達が加勢してくれるでしょうから」
「ふむ、信頼しているのだね☆」
ナイチンゲールは前線で戦う救世者達が負けるとは欠片も考えていない。だからこそ、リスクを負わず現状維持で十分だと考えていた。
一度は苦戦した相手だが、二度同じ相手に不覚をとるようなメンバーはいない。その信頼感から、アスキーへは無言の笑顔を返すナイチンゲールだった。
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かつて苦戦を強いられた黒翼の天使を相手に、今度はたった一人で対峙している。敵が発するプレッシャーも以前同様、圧し潰されんがばかりだ。
しかし背中の燃えるような真っ赤な翼をはためかせ、全身を赤いオーラに包まれたジャンヌ・ダルクは、その黒翼の天使を正面に見据え、些かも怯む様子はない。いや、むしろ高揚しているようにすら見える。
「当たれば即死の魔力光線。そしてあの黒翼による絶対防御。おかしいわね。難攻不落の強敵なのに負ける気が一切しないのよね」
『当たり前だ。今のお前は俺の全てを取り込んでるんだ。あんな紛いモンの天使なんぞより余程お前の方が神々しいぜ?』
「ふふっ、そうね。じゃあ、見せてやるわ! オルレアンの聖女の力を!」
ジャンヌの中の気が爆発的に高まった。それを感じた黒翼の天使が右手をジャンヌに向ける。その右手は赤黒く、そして禍々しく光っていた。そしてその光は徐々に濃縮されていく。
「ふっ。これは私の位置取りが不味かったわね」
ジャンヌがちらりと後方を振り返り、そう呟く。
『全くだぜ。お前、力を手に入れて舞い上がってんじゃねえのか?』
「そうね。反省するわ」
そんなジャンヌの失策は、自分の中にいるブリューナクの声に叱責される。
光った瞬間を見た時には既に貫かれているという魔力光線。幸い、瘴気を集めて収束させるという予備動作があるために、事前に察知して避ける事は可能だ。
しかし、黒翼の天使がジャンヌに向けた射線の延長線には、基地の司令塔があったのである。これではジャンヌは避ける事が出来ない。避けたら中にいるナイチンゲール達に被害が及ぶ。(この時すでに、ナイチンゲール達は移動していたのだが)
その時ジャンヌには、目も鼻も口もない黒翼の天使の顔がほくそ笑んだように見えた。そしてその瞬間、黒翼の天使の右手が赤黒くスパークした。
同時にジャンヌも口角を吊り上げ、前方に左手を翳した。自分に向けて撃って来いと。そして受け止め切ってみせると。
そして黒翼の天使から魔力光線が放たれる。光を認識したと同時にジャンヌの左手を襲う衝撃。
「くっ……ぐぅ……ハァッ!」
ジャンヌの左手ごと貫いて行くかと思われた魔力光線は、彼女の左手に展開された赤いオーラに防がれていた。しかしジャンヌの方も気を抜けば突破されてしまう。
彼女は左手に意識を集中し、力と気を込める。そして最後に渾身の気合を込めて、その左手を握りしめた。
――!!
表情がない黒翼の天使が、明らかに驚愕した。
ジャンヌが左手を握りしめると、敵を貫くはずの魔力光線が霧散してしまったのである。
「ふふっ、さすがに強烈だったけど、なんとかなるものね。さあ、今度はこっちの番よ!」
ジャンヌが上昇し、黒翼の天使の頭上を取る。そして右手の槍を四度振るった。
「食らいなさい!」
ジャンヌの槍の穂先から、青白い四つの炎弾が放たれた。
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