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147話 戦い終えて
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三戸を乗せた銀の機体が浮上する。
『マスターは座っているだけでいいですよ! 私が自動操縦でやります!』
それなら自分はいらないだろうと突っ込みたくなる三戸だったが、アンジーにとっては三戸は至上の存在だ。自分一人で物事を片付ける事には何の意味もないのだろう。全ては三戸の為に。それがアンジーである。それを分かっている三戸だから、大人しくシートに収まっている。
少し飛ぶと、前方に黒い物体は浮遊しているのが確認できた。飛ぶというより浮いている。そう表現したほうがしっくり来る。まるで強風に揉まれる蝶のように頼りない。
胴体に開いた穴は身体を焦がし、目も虚ろだ。あれだけの力を誇った存在が、いっそ憐れにも思える姿だった。
「アンジー、全弾発射。塵も残さず消滅させる」
『はいっ!』
しかし三戸は容赦のない命令を下した。アンジーもそれに嬉々として従う。元々三戸に敵対する者には容赦のない性格のアンジーだ。全身の骨が砕けている三戸を見れば、敵であるルシフェルに欠片程の容赦を掛けよう筈もない。
僚機も飛んでいない今、アンジーは無言で空対空ミサイルを発射した。次いで20mm機関砲。
自分に向かってくるミサイルと銃弾の雨に、虚ろだった瞳は一瞬見開かれるが、ルシフェルに出来たのそれだけだった。
ミサイルの直撃を受けて爆散した肉体を、20mm機関砲の弾丸がさらに肉片へと変えていく。それは爆発の炎に焼かれながら、はらはらと地表へと落下していった。
「よくやった、アンジー。さあ、みんなの所へ帰ろう」
『はいっ!』
眼下に、元々基地があった場所が見えてきた。ルシフェルとの戦闘で、整えられた滑走路や施設などは見る影もないが、対空火器や速射砲などの残骸は見てとれる。
しかしアンジーによって魔改造を受けたファントムは、垂直着陸すら可能になっている。地上で手を振り迎えに来た仲間達から少し離れた場所に、ファントムの機体をゆっくりと降下させる。
『見て下さい、マスター? 皆様ご無事のようですね! ……マスター?』
話しかけるアンジーに、三戸は反応しない。
『全て終わりました。マスター、今はゆっくりお休み下さいね?』
他の救世者達は、ナイチンゲールとアスキーによって、全員治癒と回復が完了していた。膨大な気力を消費したナイチンゲールはやや疲労の色が見えたが、他の救世者達は問題なさそうに見える。
さらに、融合を果たした筈のブリューナクや青龍、エクスカリバー達は人型となって分離していた。皆それぞれ、自分の主の下で寄り添っていた。
そして三戸の帰還を迎え出た皆だが、着陸したファントムのキャノピーが開かない事に疑問を持ち始める。まずは異変を察した元自衛隊の三人がファントムに駆け寄った。次いで、アスキー、ナイチンゲール。彼等が見たのは、コックピット内で気を失っている三戸の姿だった。
△▼△
三戸は白い世界にいた。
「よう、仕事は終わったぞ。これでいいんだろ?」
彼は見えない存在に向かって話しかけていた。存在する次元が異なるため、目には見えない。そう、三戸を戦いへと誘った、神に対してだ。
『うむ、ようやった。これでお前の元の世界も、この先の歴史を紡ぐ事が出来よう』
「そりゃ何よりだ。で、いくつか聞きたい事がある」
三戸はどっかりと座って胡坐をかいた。この場所は上下や前後左右が認識できない場所だ。四次元空間の中に浮遊しているかのような錯覚すら覚える。ゆえに、胡坐をかいて座るというのは、あくまでも三戸がそういうつもりになったという事だ。
「俺とアンジーは明らかに他の救世者達とは違っていた。どういう事だ?」
『ふむ……』
姿こそ見えないが、三戸には神が考え込んでいる様がありありと伝わってきていた。
『本人の口から聞くのがよかろう』
神がそう言うと、三戸の目の前に銀色の美少女が現れた。
「マスター、今まで黙っていてごめんなさい……」
彼女は少しだけバツの悪そうな表情で微笑んでいた。
『マスターは座っているだけでいいですよ! 私が自動操縦でやります!』
それなら自分はいらないだろうと突っ込みたくなる三戸だったが、アンジーにとっては三戸は至上の存在だ。自分一人で物事を片付ける事には何の意味もないのだろう。全ては三戸の為に。それがアンジーである。それを分かっている三戸だから、大人しくシートに収まっている。
少し飛ぶと、前方に黒い物体は浮遊しているのが確認できた。飛ぶというより浮いている。そう表現したほうがしっくり来る。まるで強風に揉まれる蝶のように頼りない。
胴体に開いた穴は身体を焦がし、目も虚ろだ。あれだけの力を誇った存在が、いっそ憐れにも思える姿だった。
「アンジー、全弾発射。塵も残さず消滅させる」
『はいっ!』
しかし三戸は容赦のない命令を下した。アンジーもそれに嬉々として従う。元々三戸に敵対する者には容赦のない性格のアンジーだ。全身の骨が砕けている三戸を見れば、敵であるルシフェルに欠片程の容赦を掛けよう筈もない。
僚機も飛んでいない今、アンジーは無言で空対空ミサイルを発射した。次いで20mm機関砲。
自分に向かってくるミサイルと銃弾の雨に、虚ろだった瞳は一瞬見開かれるが、ルシフェルに出来たのそれだけだった。
ミサイルの直撃を受けて爆散した肉体を、20mm機関砲の弾丸がさらに肉片へと変えていく。それは爆発の炎に焼かれながら、はらはらと地表へと落下していった。
「よくやった、アンジー。さあ、みんなの所へ帰ろう」
『はいっ!』
眼下に、元々基地があった場所が見えてきた。ルシフェルとの戦闘で、整えられた滑走路や施設などは見る影もないが、対空火器や速射砲などの残骸は見てとれる。
しかしアンジーによって魔改造を受けたファントムは、垂直着陸すら可能になっている。地上で手を振り迎えに来た仲間達から少し離れた場所に、ファントムの機体をゆっくりと降下させる。
『見て下さい、マスター? 皆様ご無事のようですね! ……マスター?』
話しかけるアンジーに、三戸は反応しない。
『全て終わりました。マスター、今はゆっくりお休み下さいね?』
他の救世者達は、ナイチンゲールとアスキーによって、全員治癒と回復が完了していた。膨大な気力を消費したナイチンゲールはやや疲労の色が見えたが、他の救世者達は問題なさそうに見える。
さらに、融合を果たした筈のブリューナクや青龍、エクスカリバー達は人型となって分離していた。皆それぞれ、自分の主の下で寄り添っていた。
そして三戸の帰還を迎え出た皆だが、着陸したファントムのキャノピーが開かない事に疑問を持ち始める。まずは異変を察した元自衛隊の三人がファントムに駆け寄った。次いで、アスキー、ナイチンゲール。彼等が見たのは、コックピット内で気を失っている三戸の姿だった。
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三戸は白い世界にいた。
「よう、仕事は終わったぞ。これでいいんだろ?」
彼は見えない存在に向かって話しかけていた。存在する次元が異なるため、目には見えない。そう、三戸を戦いへと誘った、神に対してだ。
『うむ、ようやった。これでお前の元の世界も、この先の歴史を紡ぐ事が出来よう』
「そりゃ何よりだ。で、いくつか聞きたい事がある」
三戸はどっかりと座って胡坐をかいた。この場所は上下や前後左右が認識できない場所だ。四次元空間の中に浮遊しているかのような錯覚すら覚える。ゆえに、胡坐をかいて座るというのは、あくまでも三戸がそういうつもりになったという事だ。
「俺とアンジーは明らかに他の救世者達とは違っていた。どういう事だ?」
『ふむ……』
姿こそ見えないが、三戸には神が考え込んでいる様がありありと伝わってきていた。
『本人の口から聞くのがよかろう』
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「マスター、今まで黙っていてごめんなさい……」
彼女は少しだけバツの悪そうな表情で微笑んでいた。
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