22 / 233
面倒事を押し付けて来る姉が婚約破棄を望んだお相手は、私にとっては運命の人でした!
しおりを挟む
「私が、婚約破棄を…?」
「そうよ。私に代わり、お相手に伝えて来て。いい?しっかり断って来るのよ!」
またお姉様に、面倒事を押し付けられてしまった…。
姉は、面倒事をすぐ人に押し付け楽をしようと言う嫌な性格の女で…大抵それを押し付けられるのは、妹であるこの私だった。
「…でもお姉様。今回の婚約は、お姉様も喜んでらっしゃったんじゃ─」
「そりゃあ、お相手はこの領地でもかなりの金持ちだから気に入ってたわよ?でも…それだけじゃあね。あなたも知ってるでしょう?彼の噂─。」
「確か…野獣のような、とても醜い顔をして居ると─。」
「そう!私、それだけがどうしても嫌でね…。だから…この婚約話と並行して、他に良い男が居ないか探してたのよ。」
「えぇ!?」
「そしたらこの前のパーティーで、そこそこ美形のお金持ちの男に声をかけられてね。話してみたらすっかり意気投合して…それで、お付き合いする事が決まったの。同じ金持ちなら…顔が良い方を選ぶに決まってるじゃない。分かったら、さっさと出かけて頂戴!」
そう言って、お姉様は部屋を出て行ってしまった─。
何て、身勝手な─。
でもお姉様は、昔から容姿でしか人を判断しないから…そのお相手の中身まで、ちゃんと見た上で決めたのかしら?
いや、それより私は…お相手の方に何て言って断ればいいの?
まさか、あなたの顔が理由ですなどと言えないし…。
あぁ、本当に困ったわ─。
結局、私は重い足取りでお姉様の婚約相手だった方の元へ向かった─。
そして彼の家に着いた私は、使用人にある部屋に案内されそこで彼を待つ事になった。
その間ふと部屋の壁を見れば…そこには、一枚の肖像画が─。
…何て素敵な殿方なのかしら─。
私は、思わずその絵を傍でじっと見つめた。
すると、部屋のドアをノックする音がしたので…私は慌ててソファーにかけた。
あぁ…これからどんな修羅場になるのだろう。
恐ろしくて、とてもお相手の顔を見る事が出来ないわ─。
「君は、彼女の妹さんだね?一体、俺に何の用かな。」
「あ、あの…お姉様との婚約話、無かった事にしていただけませんか?」
「え…?」
「や、やはりあなた様の様な格式の高い方と、自分は釣り合わないと、姉がそう言いまして…。」
「…そうか。うん、分かったよ。どうせこうなると思ってたから。」
「それは、どういう─」
「彼女もどうせ、俺の顔が醜いのが嫌だったんだろう。いいよ、分かってる。わざわざ来て貰って、すまなかったね。」
そんな…。
この方が謝る事など、全く無いのに─。
私はこれ以上彼に謝って欲しくなくて、彼に自分の気持ちを伝え様と、顔を上げたのだが…彼の顔を見た私は、そのまま固まってしまった─。
な、何て素敵な方なの…!?
この方の、一体どこが醜いというのよ!
あれ…でもこの顔、つい最近見た覚えが─。
そうよ、あの壁に掛けてある肖像画と同じじゃない!
すると…そんな私を不審に思った彼が、声をかけて来た。
「どうかしたのかい?」
「あ、あなたの顔が…あちらの肖像画にそっくりで─。とても素敵なお顔をされて居たから、驚いてしまって。」
すると私の言葉を聞いた彼は、驚きで目を見開き…そしてすぐに、歓喜の声を上げた。
「俺の顔が、あの絵と同じに見えるのかい!?」
「は、はい。」
「そうか…。あの女が言った事は、嘘ではなかったんだ─!」
その瞬間、彼の身体から黒い塊が飛び出て来て…そして、粉々になって消えて行った。
「い、今のは一体!?」
「あれは、俺にかけられていた黒魔術だ。俺は、俺に邪な想いを抱いたある女に顔が醜くなる術をかけられたんだ。恐らく、彼女の気持ちを受け入れなかった腹いせだろう。そして、彼女はこう言った─。」
『運命の相手なら、あなたの本当の顔が分かるわ。そして、そのその術も解ける。でも、そんな相手はそうそう出会えないから…あなたは一生醜いままよ─!』
「この術をかけられてから、どんな女性に出会っても醜いと嫌われてきたから…俺には、そんな相手は居ないのだと諦めていたんだが…そうか、君が─。君さえ良ければだが…君が、俺の婚約者になってはくれないだろうか?」
「わ、私が!?」
私はただ、姉の婚約破棄を告げに来ただけだ。
でもこんな素敵な方から運命を感じて貰えるだなんて、正直嬉しいわ。
あの絵を見た時から…そして彼の顔を見た時から、私の心は決まって居たのね─。
こうして私は…術が解け元の顔に戻った彼と、婚約する事となった。
が…それを面白く思わないのは、婚約破棄をした姉だ。
まさか、彼の本当の顔がそんなに素敵だった何てと、地団駄を踏み悔しがった。
まぁ…姉がここまで悔しがるのも、無理はない。
と言うのも…パーティーで仲良くなったという例の殿方は実は金使いが荒く、裏では莫大な借金を抱えている事が判明したからだ。
こんな事になるなら、あなたに用を頼むんじゃなかった…彼の元に行かせなければ良かったと、姉は後悔して居るが…もう、何もかも遅いわ。
だって彼と私は、今や強い愛で結ばれ…誰も割り込む事の出来ない程の仲になってしまったのだもの─。
「そうよ。私に代わり、お相手に伝えて来て。いい?しっかり断って来るのよ!」
またお姉様に、面倒事を押し付けられてしまった…。
姉は、面倒事をすぐ人に押し付け楽をしようと言う嫌な性格の女で…大抵それを押し付けられるのは、妹であるこの私だった。
「…でもお姉様。今回の婚約は、お姉様も喜んでらっしゃったんじゃ─」
「そりゃあ、お相手はこの領地でもかなりの金持ちだから気に入ってたわよ?でも…それだけじゃあね。あなたも知ってるでしょう?彼の噂─。」
「確か…野獣のような、とても醜い顔をして居ると─。」
「そう!私、それだけがどうしても嫌でね…。だから…この婚約話と並行して、他に良い男が居ないか探してたのよ。」
「えぇ!?」
「そしたらこの前のパーティーで、そこそこ美形のお金持ちの男に声をかけられてね。話してみたらすっかり意気投合して…それで、お付き合いする事が決まったの。同じ金持ちなら…顔が良い方を選ぶに決まってるじゃない。分かったら、さっさと出かけて頂戴!」
そう言って、お姉様は部屋を出て行ってしまった─。
何て、身勝手な─。
でもお姉様は、昔から容姿でしか人を判断しないから…そのお相手の中身まで、ちゃんと見た上で決めたのかしら?
いや、それより私は…お相手の方に何て言って断ればいいの?
まさか、あなたの顔が理由ですなどと言えないし…。
あぁ、本当に困ったわ─。
結局、私は重い足取りでお姉様の婚約相手だった方の元へ向かった─。
そして彼の家に着いた私は、使用人にある部屋に案内されそこで彼を待つ事になった。
その間ふと部屋の壁を見れば…そこには、一枚の肖像画が─。
…何て素敵な殿方なのかしら─。
私は、思わずその絵を傍でじっと見つめた。
すると、部屋のドアをノックする音がしたので…私は慌ててソファーにかけた。
あぁ…これからどんな修羅場になるのだろう。
恐ろしくて、とてもお相手の顔を見る事が出来ないわ─。
「君は、彼女の妹さんだね?一体、俺に何の用かな。」
「あ、あの…お姉様との婚約話、無かった事にしていただけませんか?」
「え…?」
「や、やはりあなた様の様な格式の高い方と、自分は釣り合わないと、姉がそう言いまして…。」
「…そうか。うん、分かったよ。どうせこうなると思ってたから。」
「それは、どういう─」
「彼女もどうせ、俺の顔が醜いのが嫌だったんだろう。いいよ、分かってる。わざわざ来て貰って、すまなかったね。」
そんな…。
この方が謝る事など、全く無いのに─。
私はこれ以上彼に謝って欲しくなくて、彼に自分の気持ちを伝え様と、顔を上げたのだが…彼の顔を見た私は、そのまま固まってしまった─。
な、何て素敵な方なの…!?
この方の、一体どこが醜いというのよ!
あれ…でもこの顔、つい最近見た覚えが─。
そうよ、あの壁に掛けてある肖像画と同じじゃない!
すると…そんな私を不審に思った彼が、声をかけて来た。
「どうかしたのかい?」
「あ、あなたの顔が…あちらの肖像画にそっくりで─。とても素敵なお顔をされて居たから、驚いてしまって。」
すると私の言葉を聞いた彼は、驚きで目を見開き…そしてすぐに、歓喜の声を上げた。
「俺の顔が、あの絵と同じに見えるのかい!?」
「は、はい。」
「そうか…。あの女が言った事は、嘘ではなかったんだ─!」
その瞬間、彼の身体から黒い塊が飛び出て来て…そして、粉々になって消えて行った。
「い、今のは一体!?」
「あれは、俺にかけられていた黒魔術だ。俺は、俺に邪な想いを抱いたある女に顔が醜くなる術をかけられたんだ。恐らく、彼女の気持ちを受け入れなかった腹いせだろう。そして、彼女はこう言った─。」
『運命の相手なら、あなたの本当の顔が分かるわ。そして、そのその術も解ける。でも、そんな相手はそうそう出会えないから…あなたは一生醜いままよ─!』
「この術をかけられてから、どんな女性に出会っても醜いと嫌われてきたから…俺には、そんな相手は居ないのだと諦めていたんだが…そうか、君が─。君さえ良ければだが…君が、俺の婚約者になってはくれないだろうか?」
「わ、私が!?」
私はただ、姉の婚約破棄を告げに来ただけだ。
でもこんな素敵な方から運命を感じて貰えるだなんて、正直嬉しいわ。
あの絵を見た時から…そして彼の顔を見た時から、私の心は決まって居たのね─。
こうして私は…術が解け元の顔に戻った彼と、婚約する事となった。
が…それを面白く思わないのは、婚約破棄をした姉だ。
まさか、彼の本当の顔がそんなに素敵だった何てと、地団駄を踏み悔しがった。
まぁ…姉がここまで悔しがるのも、無理はない。
と言うのも…パーティーで仲良くなったという例の殿方は実は金使いが荒く、裏では莫大な借金を抱えている事が判明したからだ。
こんな事になるなら、あなたに用を頼むんじゃなかった…彼の元に行かせなければ良かったと、姉は後悔して居るが…もう、何もかも遅いわ。
だって彼と私は、今や強い愛で結ばれ…誰も割り込む事の出来ない程の仲になってしまったのだもの─。
65
あなたにおすすめの小説
追放された侯爵令嬢の幸せと、彼女を捨てた者たちの末路
桜塚あお華
恋愛
王太子の婚約者として王政を支えてきた侯爵令嬢であるセレスティア。
誇りと責任を胸に国政に尽くしてきた彼女だったが、愛人に溺れた王太子により婚約を破棄され、反逆の濡れ衣を着せられて国外追放されてしまう。
全てを失い、辺境の地で命を狙われたセレスティアは、一人の男――平民出身の将軍・カイに救われる。
彼は彼女の過去を知らず、ただ人としての強さと優しさを尊重し、愛し始める。
一方、セレスティアを追い出した王太子と王妃、貴族たちは、彼女のいない国を操ることに失敗し、ゆっくりと、だが確実に滅びへの道を歩んでいく。
これは、復讐しない令嬢が手に入れる、
真の愛と幸せな居場所の物語。
そして彼女を捨てた者たちが辿る、因果応報の末路の話である。
その支払い、どこから出ていると思ってまして?
ばぅ
恋愛
「真実の愛を見つけた!婚約破棄だ!」と騒ぐ王太子。
でもその真実の愛の相手に贈ったドレスも宝石も、出所は全部うちの金なんですけど!?
国の財政の半分を支える公爵家の娘であるセレスティアに見限られた途端、
王家に課せられた融資は 即時全額返済へと切り替わる。
「愛で国は救えませんわ。
救えるのは――責任と実務能力です。」
金の力で国を支える公爵令嬢の、
爽快ザマァ逆転ストーリー!
⚫︎カクヨム、なろうにも投稿中
私を家から追い出した妹達は、これから後悔するようです
天宮有
恋愛
伯爵令嬢の私サフィラよりも、妹エイダの方が優秀だった。
それは全て私の力によるものだけど、そのことを知っているのにエイダは姉に迷惑していると言い広めていく。
婚約者のヴァン王子はエイダの発言を信じて、私は婚約破棄を言い渡されてしまう。
その後、エイダは私の力が必要ないと思い込んでいるようで、私を家から追い出す。
これから元家族やヴァンは後悔するけど、私には関係ありません。
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結保証】
星森 永羽
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
婚約者が裏でこっそり姫と付き合っていました!? ~あの時離れておいて良かったと思います、後悔はありません~
四季
恋愛
婚約者が裏でこっそり姫と付き合っていました!?
あの時離れておいて良かったと思います、後悔はありません。
お姉さまに婚約者を奪われたけど、私は辺境伯と結ばれた~無知なお姉さまは辺境伯の地位の高さを知らない~
マルローネ
恋愛
サイドル王国の子爵家の次女であるテレーズは、長女のマリアに婚約者のラゴウ伯爵を奪われた。
その後、テレーズは辺境伯カインとの婚約が成立するが、マリアやラゴウは所詮は地方領主だとしてバカにし続ける。
しかし、無知な彼らは知らなかったのだ。西の国境線を領地としている辺境伯カインの地位の高さを……。
貴族としての基本的な知識が不足している二人にテレーズは失笑するのだった。
そしてその無知さは取り返しのつかない事態を招くことになる──。
お姉様のお誕生日を祝うのが、なぜ我儘なの?
月白ヤトヒコ
ファンタジー
健康で、元気なお姉様が羨ましかったの。
物心付いたときから、いつも体調が悪かった。いつもどこかが苦しかった。
お母様が側にいてくれて、ずっと看病してくれた。お父様は、わたしのお医者様の費用やお薬代を稼ぐのが大変なんだってお母様が言ってた。
わたし、知らなかったの。
自分が苦しかったから。お姉様のことを気にする余裕なんてなかったの。
今年こそは、お姉様のお誕生日をお祝いしたかった……んだけど、なぁ。
お姉様のお誕生日を祝うのが、なぜ我儘なの?
※『わたくしの誕生日を家族で祝いたい、ですか? そんな我儘仰らないでくださいな。』の、妹視点。多分、『わたくしの誕生日を~』を先に読んでないとわかり難いかもです。
設定はふわっと。
愚か者が自滅するのを、近くで見ていただけですから
越智屋ノマ
恋愛
宮中舞踏会の最中、侯爵令嬢ルクレツィアは王太子グレゴリオから一方的に婚約破棄を宣告される。新たな婚約者は、平民出身で才女と名高い女官ピア・スミス。
新たな時代の象徴を気取る王太子夫妻の華やかな振る舞いは、やがて国中の不満を集め、王家は静かに綻び始めていく。
一方、表舞台から退いたはずのルクレツィアは、親友である王女アリアンヌと再会する。――崩れゆく王家を前に、それぞれの役割を選び取った『親友』たちの結末は?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる