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精霊持ちとしての力を発揮できない妃の私より、王は美しい聖女を傍に置く事を選びました。
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半年前、私のお母様が亡くなった。
そんなお母様は、精霊に愛される精霊持ちだった。
そしてその娘である私は、当然その力を受け継ぐ…この国の王は、そう思ったのだろう。
私を自身の妃に選んだ。
でも実際の私は、城に来てからずっとその力を発揮できずにいた。
「お前の様な無能を妃にしてしまうとは…全く、最悪だな。」
「も、申し訳ありません…。」
「王様…お妃様もこうして謝ってるわ。まぁいいじゃないですか、あなたには私という聖女が居るんですから。」
「そうだな、俺には君が居る。あぁ…いっそ今からでも、君を妃に出来たらいいのに─!」
王に寄り添う彼女は、私とほぼ同時期にこの城に来た巡礼旅の聖女だ。
彼女は大層美しい娘で…王は、彼女の事を大いに歓迎した。
そしてそんな彼女を気に入った王は、いつも彼女を自身の傍に置き離しはしないのだった。
しかし、どうして私の力は発揮できないのか─。
まさか…精霊さんたち、私を嫌いになってしまったとか?
それとも、お母様と違い私では精霊持ちとして役不足という事なの─?
私は自身を取り巻くこれらの状況に、大きく心を痛めるのだった。
※※※
ある日…俺は、いつもより早く聖女の元を訪ねた。
すると聖女がある物を手にし、何事かを話しかけている所に遭遇した。
あれは…精霊たちなのか!?
「聖女よ…これはどう言う事なんだ─!」
「お、王様!?」
俺に気付いた聖女は、焦った様にこう述べた。
この城に来て、すぐに王に一目ぼれした為、妃に迎えられたばかりのあの女が邪魔だと思った。
その腹いせに、聖女としての力を使い神具を用い精霊たちを捕えた。
そうすれば精霊を失った妃は、普通の女に成り下がりいずれ城から追い出される…そう、思ったのだと─。
「私は、嫉妬の余りこんな事を─」
「…いや、構わん。俺も、君を一目で好きになってしまったからな。君を手に入れる為に、どうやってあの妃を始末しようか密かに考えていたくらいだから─。」
そして俺は、捕らえられた精霊たちを見てニヤリと笑った。
「こいつらは、王の俺に悪戯を働いたという事にしよう。それを君が聖女として諫め、捕らえた事にすればいい。精霊持ちとして精霊の管理が出来ないようでは、もはやあいつには何の価値もない…妃としても失格だ。そう言い張れば、皆きっと納得してくれるさ─。」
※※※
次の日…私は、王に大事な話があると呼び出された。
「お前の精霊たちは、ずっと俺の傍に居て悪戯を繰り返していた。それに困って居た所、聖女の彼女が捕らえてくれたのだ。」
「そんな…その子たちは悪戯など─」
「言い訳など聞きたくない!無能の上に、王に害をなすような者は妃失格!もう城を出て─」
その時…突如、空から雷の様なものが王の目の前に落ちた。
そして、そこには一人の男が─。
「私の可愛い子供たちが、悪戯だと…?ふざけた事を申すな!その子たちを返して貰うぞ!」
その男が呪文の様な物を口にすれば…精霊を捕えていた神具が、バキリと音を立て壊れ…と同時に、中から精霊たちが飛び出し私の元へ飛んで来た。
そして彼らの話から、私は全ての事を知る事に─。
「聖女様、あなたなんて事を…!それに王様…あなたは彼女の悪事を知り、その上で加担なさったんですね!?」
全てを知られた王と聖女は、冷や汗を流しオロオロしている。
「クソ、上手く行ってたのに…この妙な男のせいで…!お前は一体何者だ!?魔族か、悪魔なのか!?」
「俺は精霊王…その子たちの生みの親だ。そして、精霊持ちであるこの娘をずっと見守って来た存在だ。」
「せ、精霊王!?」
人間の世界や魔族の世界に王が居る様に、精霊の世界にも王が居るとは聞いていたけど…精霊王は、滅多に人前にお姿を現さない。
私も、実際にお会いするのはこれが初めてだわ…。
「お前たちには、精霊を無断で捕らえ精霊持ちの娘を陥れ虐げた罪を償って貰わねばならん。王よ…今後、この国から全ての精霊たちが去る。そうなれば、この国を守る力は弱まるだろう。そして聖女よ…こんな卑劣な事をするお前は、もはや聖女ではない。お前から、聖女の力を剥奪してやろう。」
「せ、精霊王、どうか考え直してくれ!」
「そ、そうよ…もう悪い事はしないから!」
「どんなに慌てようが、もう遅い─。」
※※※
その後…この国から、精霊の気配が全て消えた。
そしてその代わりに、この地には邪霊や魔物が集まる様に─。
するとその事態に恐れた国の民たちは、次々と他国へ逃げ出し…この国は、国として成り立たなくなってしまった。
結果、王はその責任を取らされ力をなくした聖女と共に処刑される事に─。
一方、精霊が戻って来た事で精霊持ちの力を取り戻した私は精霊王の勧めで隣国に渡り…そして、光栄な事にその国王の妃に迎えられた。
と言うのも、隣国の王と精霊王は密かに交流があり…この男になら私を任せられると、精霊王は判断して下さったらしい。
そしてその御考え通り、隣国の王は私を…そして私の傍に居る精霊たちも大事にして下さり、私は毎日を幸せに過ごしているわ──。
そんなお母様は、精霊に愛される精霊持ちだった。
そしてその娘である私は、当然その力を受け継ぐ…この国の王は、そう思ったのだろう。
私を自身の妃に選んだ。
でも実際の私は、城に来てからずっとその力を発揮できずにいた。
「お前の様な無能を妃にしてしまうとは…全く、最悪だな。」
「も、申し訳ありません…。」
「王様…お妃様もこうして謝ってるわ。まぁいいじゃないですか、あなたには私という聖女が居るんですから。」
「そうだな、俺には君が居る。あぁ…いっそ今からでも、君を妃に出来たらいいのに─!」
王に寄り添う彼女は、私とほぼ同時期にこの城に来た巡礼旅の聖女だ。
彼女は大層美しい娘で…王は、彼女の事を大いに歓迎した。
そしてそんな彼女を気に入った王は、いつも彼女を自身の傍に置き離しはしないのだった。
しかし、どうして私の力は発揮できないのか─。
まさか…精霊さんたち、私を嫌いになってしまったとか?
それとも、お母様と違い私では精霊持ちとして役不足という事なの─?
私は自身を取り巻くこれらの状況に、大きく心を痛めるのだった。
※※※
ある日…俺は、いつもより早く聖女の元を訪ねた。
すると聖女がある物を手にし、何事かを話しかけている所に遭遇した。
あれは…精霊たちなのか!?
「聖女よ…これはどう言う事なんだ─!」
「お、王様!?」
俺に気付いた聖女は、焦った様にこう述べた。
この城に来て、すぐに王に一目ぼれした為、妃に迎えられたばかりのあの女が邪魔だと思った。
その腹いせに、聖女としての力を使い神具を用い精霊たちを捕えた。
そうすれば精霊を失った妃は、普通の女に成り下がりいずれ城から追い出される…そう、思ったのだと─。
「私は、嫉妬の余りこんな事を─」
「…いや、構わん。俺も、君を一目で好きになってしまったからな。君を手に入れる為に、どうやってあの妃を始末しようか密かに考えていたくらいだから─。」
そして俺は、捕らえられた精霊たちを見てニヤリと笑った。
「こいつらは、王の俺に悪戯を働いたという事にしよう。それを君が聖女として諫め、捕らえた事にすればいい。精霊持ちとして精霊の管理が出来ないようでは、もはやあいつには何の価値もない…妃としても失格だ。そう言い張れば、皆きっと納得してくれるさ─。」
※※※
次の日…私は、王に大事な話があると呼び出された。
「お前の精霊たちは、ずっと俺の傍に居て悪戯を繰り返していた。それに困って居た所、聖女の彼女が捕らえてくれたのだ。」
「そんな…その子たちは悪戯など─」
「言い訳など聞きたくない!無能の上に、王に害をなすような者は妃失格!もう城を出て─」
その時…突如、空から雷の様なものが王の目の前に落ちた。
そして、そこには一人の男が─。
「私の可愛い子供たちが、悪戯だと…?ふざけた事を申すな!その子たちを返して貰うぞ!」
その男が呪文の様な物を口にすれば…精霊を捕えていた神具が、バキリと音を立て壊れ…と同時に、中から精霊たちが飛び出し私の元へ飛んで来た。
そして彼らの話から、私は全ての事を知る事に─。
「聖女様、あなたなんて事を…!それに王様…あなたは彼女の悪事を知り、その上で加担なさったんですね!?」
全てを知られた王と聖女は、冷や汗を流しオロオロしている。
「クソ、上手く行ってたのに…この妙な男のせいで…!お前は一体何者だ!?魔族か、悪魔なのか!?」
「俺は精霊王…その子たちの生みの親だ。そして、精霊持ちであるこの娘をずっと見守って来た存在だ。」
「せ、精霊王!?」
人間の世界や魔族の世界に王が居る様に、精霊の世界にも王が居るとは聞いていたけど…精霊王は、滅多に人前にお姿を現さない。
私も、実際にお会いするのはこれが初めてだわ…。
「お前たちには、精霊を無断で捕らえ精霊持ちの娘を陥れ虐げた罪を償って貰わねばならん。王よ…今後、この国から全ての精霊たちが去る。そうなれば、この国を守る力は弱まるだろう。そして聖女よ…こんな卑劣な事をするお前は、もはや聖女ではない。お前から、聖女の力を剥奪してやろう。」
「せ、精霊王、どうか考え直してくれ!」
「そ、そうよ…もう悪い事はしないから!」
「どんなに慌てようが、もう遅い─。」
※※※
その後…この国から、精霊の気配が全て消えた。
そしてその代わりに、この地には邪霊や魔物が集まる様に─。
するとその事態に恐れた国の民たちは、次々と他国へ逃げ出し…この国は、国として成り立たなくなってしまった。
結果、王はその責任を取らされ力をなくした聖女と共に処刑される事に─。
一方、精霊が戻って来た事で精霊持ちの力を取り戻した私は精霊王の勧めで隣国に渡り…そして、光栄な事にその国王の妃に迎えられた。
と言うのも、隣国の王と精霊王は密かに交流があり…この男になら私を任せられると、精霊王は判断して下さったらしい。
そしてその御考え通り、隣国の王は私を…そして私の傍に居る精霊たちも大事にして下さり、私は毎日を幸せに過ごしているわ──。
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