【立場逆転短編集】幸せを手に入れたのは、私の方でした。 

Nao*

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殿方から大層好かれる事を自慢に思う可愛い妹ですが、幸せになれるとは限りませんよ…?

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 私の妹は、年ごろになり異性から大層好かれる様になった。



 彼女は元々可愛い顔立ちをして居て大人になるにつれ色気も出てきたから、当然の事なのかしら?

 でも…私には、気になる事があるのよね─。



「お姉様、聞いて!私ったら、今日も告白されちゃったの!別の方からラブレターを貰ったばかりなのに…どうしようかしら。」

「どうするも何も…あなた、恋人が居るじゃない?」

「あぁ…彼とはもう別れたわ。何だか、しっくりこなくって。でも、私と付き合いたいという殿方は山程居るんだし、良いじゃない。」



 あなた…友人から略奪してまで、付き合う事にした人よね?

 私は、妹の言葉に呆れつつ助言した。



「…姉として一言、あばたはもう少し真剣なお付き合いをした方がいいわ。そうすれば、人を見る目も養える─」

「何それ、お説教なの?あぁ、分かったわ…お姉様ったら、ご自分がモテないからって私に嫉妬してるんでしょう?でもそんなの仕方ないじゃない。お姉様は私よりも可愛くないし、愛嬌だってないんだから。人の事をあれこれ言う前に、早く恋人の一人や二人作りなさいよね!」

 そう言って、妹は私の忠告をまともに受け取る事はしなかった。



 しかしそんな妹も、内心では一人の殿方に狙いを定めたいと考えて居たらしく…自分に言い寄って来る殿方の身辺を積極的に調査をする事にしたと言う。

 すると、とんでもない事実が判明した。



 何と調査の結果…妹に言い寄って来る男たちは皆、それぞれに大きな問題を抱えて居たのだ。



「この男は金持ちを装ってるけど、本当は借金だらけ。こっちは年齢を詐称、こっちは前科者!?こっちは顔は整形で作り物って…?もう、何でこんな男ばかり寄って来るの!?こうなったら、自分から気に入った殿方に声をかけるわ!」



 などと、怒鳴りながら使用人に当たり散らかして居た妹だったが…、その日以降、道行く殿方やパーティーで出会った殿方の中で好みの殿方に片っ端から声をかけるようになった。




 しかし良い男達は妹を冷たく振り切り、全く相手にしない。

 そして、代わりに寄って来るのは…実は金遣いが荒いだとか酒癖が悪いとか、これまたろくでもない男ばかりで…それに対し妹はまた憤り、私はそんな彼女を冷めた目で見るのだった。




 それから少しして─。

 私に、婚約話が舞い込んで来た。



 そしてそのお相手はある名家のご子息様で、顔も良ければ性格も良い文句なしの方だった。



 するとそれを知った妹は、私を差し置きお姉様が幸せを手にするなど絶対許さない。

 お姉様からお相手を強引に奪うからと言い、彼を誘惑した。

 しかし…。



「…その手を放せ!君に触れられると気分が悪い。君を視界に入れるのも嫌だ。これ以上、俺に近寄らないでくれ!」

「ど、どうしてそこまで私を拒否するのよ!?酷いじゃない!」



 大層嫌がる彼とそれに怒り狂う妹を見るのに耐え兼ねた私は、二人の間に割って入った。




「もう辞めなさい。あなたが素敵な殿方に拒否されるのは仕方ないの。だって…あなたは、呪われた女なのだから─。」

「何を言うの、お姉様!?変な言いがかりはよして!」

「だって、本当の事だもの。もう黙って居られないから教えてあげるわ。あなた…ある令嬢から、面白半分で婚約者を奪ったでしょう?そしてその後から、異様に異性に好かれる様になった。そこに違和感を感じた私は…その令嬢について調べる事にした。するとその令嬢は…ある魔術師に、あなたを呪う様に依頼したそうよ。あなたが、ろくでもない男としか縁が結べない様に…そしてそれにより、一生幸せになれない様に─。」

「何ですって!?」

「呪いの効果は抜群ね。まともな殿方は、あなたにかけられた呪いに反応する様になって居るそうで、あなたに近寄る事は無いし…。このままじゃあなた…一生独り身ね。姉の私を馬鹿にしている場合では無かったのよ。」

「そ、そんな…。」

 恐ろしい真実に、妹は真っ青な顔になりブルブルと震えた。



「そうそう、お父様が言ってたけど…呪われた娘など我が家の恥だから、この家を出て行けですって。でも、あなたには愛してくれる男たちが沢山居るのだから…どうとでもなるでしょう。」

「う、嘘でしょう…?」

 私に付き付けられた言葉に…妹はその場に崩れ落ち、やがて声を上げ涙した。



 その後…家から追放された妹は、すぐにある男に声をかけられその男の家に連れて行かれたが…その男は女を虐めて遊ぶのが好きなサディストだった様で、妹はとても辛い思いをする事に─。

 そしてそれに結局耐えられず、妹は別の男を頼ったが…勿論この男もろくでもない性格で、妹はどこへ行っても男で苦労している様だ。



 その呪いは、あなたが死ぬまで消えないそうだから…もう、どうしようも出来ないわね─。



 一方、無事そのご子息と婚約する事が出来た私は、彼に愛され幸せな毎日を送って居る。



 大勢の殿方に愛されなくても、私はちっとも構わないわ…。

 こうして、私だけを愛してくれる人が一人居るなら…私はそれで十分幸せよ─。
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