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第二騎士団ヒーラー編
54話 過去の清算3
ベッドに寝かされて、覆いかぶさって来るレイナントの頭へ腕を回し、引き寄せてキスをする。
レイナントの温かさに、俺の心の蟠りが全て溶けていくのを感じる。
「……ふ、ぅ……っん」
「ルイ、ルイ……」
キスの隙間にレイナントが名前を呼んでくれるのが嬉しい。
「レイナント、早く欲しい」
「ダメです。慣らしてからじゃないと」
「大丈夫」
俺はレイナントの服に手をかけながら笑う。
「さっき、自分で解してきた」
「な……っ」
「部屋で着替える前に、風呂に入った時ちょっとだけ試したんだ。今日はどうしても抱き合いたくて」
レイナントの驚く顔を見ていると、悪戯が成功したみたいな気持ちになって楽しくなってくる。
「ルイ。あなたは本当に予想外な人ですね」
呆れたような、けれどどこか誇らしそうに俺を見つめるレイナントは、その表情のまま顔を近づけて唇を重ねた。
「んっ、レイナント……っ、脱がせられ、なっ」
体を近づけられてレイナントの服を上手く脱がせられない。
胸を叩いて文句を言えば、至近距離で楽しそうに笑う。
「私の楽しみを一つ取られてしまったので意趣返しをしようかと」
舌を絡めて俺の服を剥いでいく。
俺の胸にかかる長い黒髪を大切そうにすくって、愛しげにキスをして微笑む。
「こんな風に髪を降ろしたルイを見られるのは私だけなんですね」
「うん、そうだよ」
素の俺を見せるのはこれから先もずっとレイナントだけ。
ヒーラーとしてでも、団員としてでもない、一人の男として愛する人の前でだけ、俺は全てをさらけ出せる。
「ずるい人だ。どこまで惚れさせるつもりですか?」
「骨の髄まで。俺を一生愛せるように」
ちょっと臭いかななんて思ってみたけど、レイナントは穏やかに笑う。
「私はもう血の一滴まであなたに夢中ですよ」
色気を含んだ低い声にカウンターパンチを食らった。
顔のいい人間はこれだから困る。
しゃべっている間に俺を全裸にしたレイナントは自分で服を脱ぎ捨てた。
太ももを抱えて広げさせた間に入られると、興奮して大きくなった俺とレイナントのものが視界に入る。
「中から、溢れてきていますね」
「だから、もう入るって言っただろ」
視線がそこに注がれるとさすがに恥ずかしくなってきた。
さっきから欲しくてずっと中が疼いていて、物欲しげにそこが勝手に動いているのが自分でもわかる。
指を添えられると早く欲しいというように中へ勝手に導こうとする。
「ルイ……」
指を一本押し込まれても抵抗感はない。
「柔らかいです」
「言わなくて、いい……っ」
初めて解すときに自分で指を入れてみたけど、あの時は全然何も感じなかったのに。
レイナントの指が入っただけでこんなに気持ちいい。
すぐに引き抜かれ、今度は二本に増えて中を探る。
ぐちゅぐちゅと濡れた音が気恥ずかしさを煽った。
「んっ、あああっ」
「ここも、自分で触りましたか?」
「あっ、んんっ!」
腹側を擦られ腰が浮く。
「そんなとこ、触って、な……っ」
嘘だ。少し興味があってレイナントがしてくれるのを思い出して触れてはみた。
けれど、こんな風になんてならなかった。
愛しい人の手だから、熱くて、こんなに気持ちよくなるんだ。
「膨らんでいるのは分かりました? 興奮している時の方が手応えがあるそうですよ」
「ああっ、く……んぁ……っ」
レイナントの指が気持ちよくて、もっとして欲しい。
そう思うと後ろが勝手に指を締め付ける。
「大好きな胸も一緒にしましょうか?」
顔が近づき、唇が固くなっている胸の突起を包む。
舌で転がされ、快感で腰が浮く。
「はっ、ぁんっ……りょうほ、だめ……ぇ」
「このまま一度イきましょう」
笑うレイナントの声が胸元で響く。
中の指はゆったりと俺の中の膨らみを押し上げ揉んでじわじわと追い詰めて行く。
でも……。
「中、だけじゃ、イけないからぁ……」
「じゃあ、前を自分でしていいですよ? 見ていてあげます」
「……っ」
レイナントは時々すごく意地悪だ。
でも、そんなことをするのは俺だけなんだって思うと、体は勝手に熱くなる。
恥ずかしいけど、見て欲しいなんて、そんな気持ちも湧いてくるから困る。
胸にキスを落としてレイナントは顔をあげた。
「中は弄ってあげますから、どうぞ」
「あっ、ああっ」
気持ちはいいけれど、絶頂にはギリギリ届かない。
「イくまでこのままですよ?」
「ああっ!」
少し強めに刺激されて腰が跳ねた。
レイナントは普段は優しいけど、エッチの時だけちょっとSっ気を出してくる。
そんなギャップにときめいてるのは俺だけど……。
前は快感を示すように固くなって、先走りを零している。
このまま中を弄られ続けるということは、この生殺しみたいな快感がずっと続くってことなんだ。
レイナントの指は強い刺激をギリギリ避けていて、それを求めて腰を動かすとそっと外される。
もうイきたい。
そればかりが脳を支配して、俺は自分の前に手を伸ばした。
「いい子ですね。ルイのいいところを教えてください」
もうとっくに知っている癖に。
拗ねた気持ちで擦り始める。
両手で握り、擦りながら括れや鈴口を撫でていく。
俺の手の動きに合わせて中の指を動かされて、快感が高まる。
「あっ、も……イク……っっ!」
ほとんど動かさないうちに、俺は自分の手の中に吐き出した。
それを見たレイナントは俺の中から指を引き抜いた。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
「よく出来ました。可愛かったです」
手を取られ、そこについた精液を舐めとられていく。
「おいしくないだろ?」
「あなたの魔力が含まれていて、とてもおいしいです」
蜜を舐めるように丹念に舐めとったレイナントは俺の額にキスを落とした。
「も、入れてくれる?」
「ええ」
頷くレイナントの背中へ腕を回す。
「早く……」
腹の奥が熱くて我慢できない。
レイナントが欲しくてたまらない。
片足を抱えたレイナントの熱が後ろに当たる。
「ルイ」
「レイナント」
至近距離で目が合って、どちらからともなく唇が重なった。
「っ!」
それと同時に中へ熱が入って来る。
俺の嬌声はレイナントの口の中へ飲み込まれていき、全て食べたいというように舌が絡んできた。
奥まで入ってきたそれはそのまま動き始める。
「んっ……んっ、ぁ……っきもち、ぃ」
「私も、気持ちがいい、です……」
目が合い、笑い合う。
「俺、この世界に生まれてよかった」
「ルイがこの世界に生まれてくれて幸せです」
前の世界では見つけられなかった、俺だけの居場所。
やっと、手に入れた。
絶対離すものかと、背中に腕を回し強く抱きしめた。
朝日の眩しさに意識が覚醒していく。
身動ぎをすると、抱きしめられて、その温もりに俺はすり寄った。
「ルイ、おはようございます」
「おはよ」
声を出して自分の声が掠れていることに気付いた。
「少し、やりすぎましたね」
昨日は夕食も食べずに抱き合ってしまった。
窓にカーテンを引くのすら忘れていたんだな。
「んー、でもすっげぇ幸せだからいーや」
「あんまり可愛いことをされると、その……」
もぞもぞと腰を引くレイナントに悪戯心が湧く。
「シたい?」
足を絡めて顔を覗き込むと、キスをされた。
「休日をベッドで過ごしたいんですか?」
低く囁かれた。
「すみません。お腹が空きました」
本気の匂いを感じ取り、俺は素直に頭を下げる。
「何度も言いますが、煽って困るのはルイですからね」
「はい」
素直に頷く俺の額にキスを落とし、ベッドから出て行ったレイナントはガウンを二枚持って来て片方を俺に渡した。
「昨日持ってきたもので朝食にしましょうか」
「うん」
差し出される手を取ってベッドから出る。
窓から見える空は今日も良く晴れていて、朝も早いのに、荷物を運ぶ飛竜が飛んでいくのが見えた。
「今日もいい一日になりそうだな」
「ええ」
お互いの胸に揺れる魔石のペンダントが、日の光を浴びて輝いていた。
それはこれからも続いていく俺たちの未来を祝福しているようにも見えた。
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