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*18話 まだ少しの平穏を
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大砂嵐から1年が経った。
日々は驚くほど穏やかに流れ、大きな変化はない。
あの時、命を懸けてまで固めた覚悟は何だったのか。
気づけばそんな思いが浮かぶほど、穏やかな時間が続いていた。
唯一の変化といえば、グードに新しい家族ができたことくらいだ。
出かける時以外は鞍もつけず、自由だったグードが、ある日どこからか雌のラクドを連れて帰ってきた。
それ以来、彼女はオアシスのそばを離れず、いつしか家族のようにそこにいるのが当たり前になった。
そして10日前、小さな命が誕生した。
産まれたその子をヤグと名付けた。
雌ラクドのリンダ、そして小さなヤグが加わったことで、オアシスは少しだけ賑やかになった。
外からヤグのはしゃぐ鳴き声が響く。砂を蹴る軽やかな足音が混じるのを聞いていると僕まで楽しい気持ちになった。
「ヤグ、何してるんだろう?」
シャツだけ羽織ってベッドを抜け、窓際に歩み寄る。
見下ろせば、グードが子の相手をしている姿が見えた。ヤグは嬉しそうに跳ね、尻尾を振り、グードは優しくそれを見守っている。
あの自由奔放だったグードが、今は父親の顔をしている。
「ヤグ、元気だねぇ」
「グードも、すっかり父親だな」
いつの間にかラステアが隣に立っていた。
朝の光を受けた肌が淡く光り、穏やかな声が耳に落ちる。
上半身裸で、ズボンだけという無防備な姿に思わず笑みがもれる。
「シャツ、いる?」
僕が着ているのはラステアのもので、脱いで渡そうとしたら止められた。
「それはクリスが着ていて」
そう言いながら僕を背中から抱きしめる。
「ラステアは温かいね」
背を預けるように寄りかかると、ラステアはしっかり受け止めて抱きしめてくれる。
外ではリンダも混ざり家族で食事をしているのが見えた。
「僕たちの子は、いつ来るのかな」
彼らを見ていたら自然とそんな言葉が零れ落ちた。
だが、僕らの間にまだ子供は訪れない。
「まだ、その時じゃないんだろ」
ラステアがそっと額を僕の肩に寄せる。
そのぬくもりが波のように広がり、胸の奥の焦りが少しずつ溶けていく。
「早く会いたいなぁ」
ヤグの無邪気な姿に、まだ見ぬ我が子の影を重ねる。
きっと優しい目をした子に違いない。
ラステアに似ているだろうか。それとも僕に?
きっとどちらに似ていても、例え似ていなくても可愛いに違いない。
そんな妄想が愛おしい。
ラステアの腕がゆるやかに僕を包みこんだ。
「魔力を持つ者が結ばれて、二人の愛と魔力が満ちた時、奇跡が与えられるんだよな」
「うん。ヴェルンは、両親の愛そのものが形になった存在。だから一度しか生まれないし、二人以外との子供もできない」
その奇跡は1度きり。
奇跡を得たあともう他の誰とも子を成すことはできない。
それが奇跡の代償だ。
けれど、たった1度でいいんだ。
ラステアとの愛の結晶が生まれるのであれば……。
早く会いたい。
だって、僕らはこんなに愛し合っているのに。
そんな風に思ってしまうと少し焦りも感じてしまう。
「大丈夫。いつか来るさ。それにこうしてクリスといるだけで、俺は幸せだ」
ラステアがそっと唇を重ねる。
最初は触れるだけだった口づけが、次第に熱を帯びていく。
「……ん、ふ」
そのまま抱き上げられ、再びベッドに戻された。
着たばかりのシャツを脱がされ、昨日散々かわいがられて腫れてしまった乳首を摘ままれる。
そこから伝わる指先の熱に、思わず息を呑んだ。
もう少しで冷めるはずだった疼きが、また目を覚ましてしまう。
「あっ、んっ……。え、また……?」
「子供が欲しいなんて言われたら、止められない」
金の瞳が熱を帯び、まっすぐ僕を射抜く。
視線を受けるだけで、身体の奥が熱くなる。
「昨日もしたのに……」
「俺は、いつだってクリスと繋がっていたい」
そう言いながらラステアは、僕を優しく、しかし逃さぬようにベッドへ押し倒した。
指先が膝裏に入り、身を開かされる。
羞恥と期待が入り混じる。
ペニスに吐息がかかり、快感を期待して震えるのが自分でもわかった。
とろりと先走りが落ちる。
期待と緊張が入り混じり、どうすることもできない。
名前を呼ぼうとした唇をふさぐように、ラステアの指先が頬を撫でる。
その優しさが余計に切なく、息を飲んだ。
零れた雫を舐めとって、ラステアが先端を口に入れた。
「……っぁ、あぅっ」
ころころと舌先で先端とくびれを突かれて腰が浮く。
逃げたいのに両足を掴まれていて身動きが取れない。
「ラステア……ぁ……」
「甘えた声を出して……可愛い」
「そこで、しゃべらな……でぇ」
最奥まで咥えたラステアは吸いながらペニスへ舌を絡める。
「あん……ぁああ」
じゅぼじゅぼと卑猥な音が朝日の差し込む部屋に響く。
「ラステア、ラステアぁ」
甘えた声なのが自分でもわかる。
気持ちよすぎて苦しい、けどもっとして欲しい。
そんな矛盾した気持ちがラステアの頭に添えられた手に出てしまう。
「クリス、そんなに頭を押し付けなくても可愛がってあげる」
「んん……っああ!」
愛撫が激しくなり、勝手に腰が動く。
「も、イく……、いっちゃう……っ!」
僕の声に反応してラステアが強く吸いあげた。
「ひ、んっ……っ!」
昨晩、嫌というほど出したのに。
もう出ないと思っていた精液が絞り出されるように吐き出された。
「上手にイけてえらいな」
しっかり飲んだラステアが唇を拭いながら顔を上げた。
頭を撫でられても全然嬉しくない。
だって、もう体に火がついてしまった。
「責任、とって……」
お尻の穴が濡れているのが分かった。
ヴェルンは食べた物が全て魔力に変換されるから、いつだってラステアを受け入れることが出来る。
人と同じ体。けれど愛で出来たヴェルンはそれに応えるつくりをしているんだ。
「早く……」
背中に腕を回すと、ラステアは片足に腕を引っかけたまま僕をベッドに押し倒し、濡れているそこにペニスを突き立てた。
最奥まで容赦なく入ってきた熱い塊。
歓喜した体が絶頂に震える。
「ああああっ~~~っっ」
待ち望んだ刺激。
あまりの気持ちよさに一瞬意識が飛んだ。
「入れただけでイったの?」
激しく収縮を繰り返す内部の動きに息をつめながら、ラステアがキスをしてくれる。
「もっと、ほし……」
「うん、たくさんあげる」
甘い声。
僕が好きだって全身で伝えてくれる。
腰を持ち上げられて、上から叩きつけるように腰が突き入れられる。
「はぅ……ああ、ぅ、ひ、んっ」
「見て、クリス。俺のを全部飲み込んでる」
顔を上げれば自分の腰が折り曲げられて、ペニスも、受け入れている場所も、出入りするラステアのものまで全部見える。
大きなものが自分の中から出入りする様は卑猥で、息を飲むと勝手に中が締まった。
「うっ、そんなに、興奮した? すごい締めてる」
「だって、僕の中に、ラステアが……」
感覚ではわかっているけれど、視覚で見るのはまた違う。
「クリスは、ここがイイんだ」
「あんっ」
腰を揺らして中を擦られると痺れるような快感が走る。
ゆらゆらと力なく揺れる僕のペニス。
気持ちいいのに、反応を示さない。
けれどラステアを受け入れている中は、刺激へ敏感に反応してうねり、締め付ける。
「あ、ああ……っ」
「ああ、すごい。クリス、気持ちい……」
上ずったラステアの声を聞いているだけで、快感が増す。
僕が、ラステアを気持ちよくしている。
「イク……出る……っ」
「中に、中に欲し……ぁ」
「うん」
ラステアは嬉しそうに微笑んで、中の動きを楽しむようにゆっくり腰を動かして、1番奥で止まった。
「~~~~っ」
そして僕の力ないペニスを握り刺激する。
「だめ、出ない……ああ、くるし……ぃ」
「締まる。気持ちいい、しぼり、とられる……っ」
「も、でないからぁぁ……っ~~~!!」
2人で悶えながら同時に絶頂を迎えた。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
「本当に出ないな」
ペニスに添えられていた手を眺めるラステア。
あんなに出したのに残っているわけがない。
「だから、言ったのに……」
「でも、後ろはまだイけるだろ?」
にやりと笑ったラステアは僕の体をベッドへ寝かせ、再び動き出す。
「も、ラステア!」
文句を言いながらも、遠慮なく触れてくれるのは嬉しい。
そんな僕を見透かしているのか、ラステアは嬉しそうに顔を寄せキスをして、とっておきの甘い表情で囁いた。
「クリス、愛してる……」
「……っ! ズルい」
「愛してる」
「……僕も」
結局、求められたら拒めない。
だって、僕もラステアを愛しているから。
抱き合いながら、何度もキスを重ねる。
体だけじゃない、想いそのものが交わっていくようで、息が詰まるほど幸せだった。
唇を離しても、まだ残る体温が恋しい。
体にこもる熱が、簡単には冷めそうにない。
熱が深まるごとに、自分が誰なのか分からなくなる。
ただラステアの名を呼ぶために、呼吸しているようだった。
この人との愛の結晶が欲しい。
そう願いながら、僕はラステアの腕の中に身を委ねた。
気づけば窓の外はすっかり暮れていた。
オアシスを包む風は静かに流れ、グードたちも眠っている気配がする。
「……1日が終わってしまったな」
ラステアが暗くなった窓の外を見ながら穏やかに呟く。
その声音には、充実と名残惜しさがまじっていた。
「ラステアがしつこくするからだよ」
「クリスだって、まんざらでもなかったじゃないか」
からかうような笑みに、思わず頬を膨らませる。
「それは……そうだけど」
「俺は大満足な一日だったぞ」
「もう……」
呆れたように視線を逸らしながらも、僕も悪くない1日だったなんて思ってしまっている。
ラステアの満たされた表情を見たら、文句なんて言えなくなる。
だって僕だって、同じように幸せだから。
互いの笑い声が、夜の空気に溶けて消えていく。
静かな夜に、寄り添うぬくもりだけが確かなものとして残った。
「明日は剣の稽古、したい」
「うん、そうしよう」
「今日は……もう寝るだけがいい」
「わかった」
「ぎゅってして」
「はい」
ラステアの腕が、そっと僕を包む。
その抱擁は、言葉以上に深い安心をくれた。
このまま時が止まればいいのに。そんな思いすら浮かぶ。
幸せな1日が、静かに終わっていく。
明日も、こんな日が続くだろう。
そう信じたくなるほどに、今は穏やかだった。
日々は驚くほど穏やかに流れ、大きな変化はない。
あの時、命を懸けてまで固めた覚悟は何だったのか。
気づけばそんな思いが浮かぶほど、穏やかな時間が続いていた。
唯一の変化といえば、グードに新しい家族ができたことくらいだ。
出かける時以外は鞍もつけず、自由だったグードが、ある日どこからか雌のラクドを連れて帰ってきた。
それ以来、彼女はオアシスのそばを離れず、いつしか家族のようにそこにいるのが当たり前になった。
そして10日前、小さな命が誕生した。
産まれたその子をヤグと名付けた。
雌ラクドのリンダ、そして小さなヤグが加わったことで、オアシスは少しだけ賑やかになった。
外からヤグのはしゃぐ鳴き声が響く。砂を蹴る軽やかな足音が混じるのを聞いていると僕まで楽しい気持ちになった。
「ヤグ、何してるんだろう?」
シャツだけ羽織ってベッドを抜け、窓際に歩み寄る。
見下ろせば、グードが子の相手をしている姿が見えた。ヤグは嬉しそうに跳ね、尻尾を振り、グードは優しくそれを見守っている。
あの自由奔放だったグードが、今は父親の顔をしている。
「ヤグ、元気だねぇ」
「グードも、すっかり父親だな」
いつの間にかラステアが隣に立っていた。
朝の光を受けた肌が淡く光り、穏やかな声が耳に落ちる。
上半身裸で、ズボンだけという無防備な姿に思わず笑みがもれる。
「シャツ、いる?」
僕が着ているのはラステアのもので、脱いで渡そうとしたら止められた。
「それはクリスが着ていて」
そう言いながら僕を背中から抱きしめる。
「ラステアは温かいね」
背を預けるように寄りかかると、ラステアはしっかり受け止めて抱きしめてくれる。
外ではリンダも混ざり家族で食事をしているのが見えた。
「僕たちの子は、いつ来るのかな」
彼らを見ていたら自然とそんな言葉が零れ落ちた。
だが、僕らの間にまだ子供は訪れない。
「まだ、その時じゃないんだろ」
ラステアがそっと額を僕の肩に寄せる。
そのぬくもりが波のように広がり、胸の奥の焦りが少しずつ溶けていく。
「早く会いたいなぁ」
ヤグの無邪気な姿に、まだ見ぬ我が子の影を重ねる。
きっと優しい目をした子に違いない。
ラステアに似ているだろうか。それとも僕に?
きっとどちらに似ていても、例え似ていなくても可愛いに違いない。
そんな妄想が愛おしい。
ラステアの腕がゆるやかに僕を包みこんだ。
「魔力を持つ者が結ばれて、二人の愛と魔力が満ちた時、奇跡が与えられるんだよな」
「うん。ヴェルンは、両親の愛そのものが形になった存在。だから一度しか生まれないし、二人以外との子供もできない」
その奇跡は1度きり。
奇跡を得たあともう他の誰とも子を成すことはできない。
それが奇跡の代償だ。
けれど、たった1度でいいんだ。
ラステアとの愛の結晶が生まれるのであれば……。
早く会いたい。
だって、僕らはこんなに愛し合っているのに。
そんな風に思ってしまうと少し焦りも感じてしまう。
「大丈夫。いつか来るさ。それにこうしてクリスといるだけで、俺は幸せだ」
ラステアがそっと唇を重ねる。
最初は触れるだけだった口づけが、次第に熱を帯びていく。
「……ん、ふ」
そのまま抱き上げられ、再びベッドに戻された。
着たばかりのシャツを脱がされ、昨日散々かわいがられて腫れてしまった乳首を摘ままれる。
そこから伝わる指先の熱に、思わず息を呑んだ。
もう少しで冷めるはずだった疼きが、また目を覚ましてしまう。
「あっ、んっ……。え、また……?」
「子供が欲しいなんて言われたら、止められない」
金の瞳が熱を帯び、まっすぐ僕を射抜く。
視線を受けるだけで、身体の奥が熱くなる。
「昨日もしたのに……」
「俺は、いつだってクリスと繋がっていたい」
そう言いながらラステアは、僕を優しく、しかし逃さぬようにベッドへ押し倒した。
指先が膝裏に入り、身を開かされる。
羞恥と期待が入り混じる。
ペニスに吐息がかかり、快感を期待して震えるのが自分でもわかった。
とろりと先走りが落ちる。
期待と緊張が入り混じり、どうすることもできない。
名前を呼ぼうとした唇をふさぐように、ラステアの指先が頬を撫でる。
その優しさが余計に切なく、息を飲んだ。
零れた雫を舐めとって、ラステアが先端を口に入れた。
「……っぁ、あぅっ」
ころころと舌先で先端とくびれを突かれて腰が浮く。
逃げたいのに両足を掴まれていて身動きが取れない。
「ラステア……ぁ……」
「甘えた声を出して……可愛い」
「そこで、しゃべらな……でぇ」
最奥まで咥えたラステアは吸いながらペニスへ舌を絡める。
「あん……ぁああ」
じゅぼじゅぼと卑猥な音が朝日の差し込む部屋に響く。
「ラステア、ラステアぁ」
甘えた声なのが自分でもわかる。
気持ちよすぎて苦しい、けどもっとして欲しい。
そんな矛盾した気持ちがラステアの頭に添えられた手に出てしまう。
「クリス、そんなに頭を押し付けなくても可愛がってあげる」
「んん……っああ!」
愛撫が激しくなり、勝手に腰が動く。
「も、イく……、いっちゃう……っ!」
僕の声に反応してラステアが強く吸いあげた。
「ひ、んっ……っ!」
昨晩、嫌というほど出したのに。
もう出ないと思っていた精液が絞り出されるように吐き出された。
「上手にイけてえらいな」
しっかり飲んだラステアが唇を拭いながら顔を上げた。
頭を撫でられても全然嬉しくない。
だって、もう体に火がついてしまった。
「責任、とって……」
お尻の穴が濡れているのが分かった。
ヴェルンは食べた物が全て魔力に変換されるから、いつだってラステアを受け入れることが出来る。
人と同じ体。けれど愛で出来たヴェルンはそれに応えるつくりをしているんだ。
「早く……」
背中に腕を回すと、ラステアは片足に腕を引っかけたまま僕をベッドに押し倒し、濡れているそこにペニスを突き立てた。
最奥まで容赦なく入ってきた熱い塊。
歓喜した体が絶頂に震える。
「ああああっ~~~っっ」
待ち望んだ刺激。
あまりの気持ちよさに一瞬意識が飛んだ。
「入れただけでイったの?」
激しく収縮を繰り返す内部の動きに息をつめながら、ラステアがキスをしてくれる。
「もっと、ほし……」
「うん、たくさんあげる」
甘い声。
僕が好きだって全身で伝えてくれる。
腰を持ち上げられて、上から叩きつけるように腰が突き入れられる。
「はぅ……ああ、ぅ、ひ、んっ」
「見て、クリス。俺のを全部飲み込んでる」
顔を上げれば自分の腰が折り曲げられて、ペニスも、受け入れている場所も、出入りするラステアのものまで全部見える。
大きなものが自分の中から出入りする様は卑猥で、息を飲むと勝手に中が締まった。
「うっ、そんなに、興奮した? すごい締めてる」
「だって、僕の中に、ラステアが……」
感覚ではわかっているけれど、視覚で見るのはまた違う。
「クリスは、ここがイイんだ」
「あんっ」
腰を揺らして中を擦られると痺れるような快感が走る。
ゆらゆらと力なく揺れる僕のペニス。
気持ちいいのに、反応を示さない。
けれどラステアを受け入れている中は、刺激へ敏感に反応してうねり、締め付ける。
「あ、ああ……っ」
「ああ、すごい。クリス、気持ちい……」
上ずったラステアの声を聞いているだけで、快感が増す。
僕が、ラステアを気持ちよくしている。
「イク……出る……っ」
「中に、中に欲し……ぁ」
「うん」
ラステアは嬉しそうに微笑んで、中の動きを楽しむようにゆっくり腰を動かして、1番奥で止まった。
「~~~~っ」
そして僕の力ないペニスを握り刺激する。
「だめ、出ない……ああ、くるし……ぃ」
「締まる。気持ちいい、しぼり、とられる……っ」
「も、でないからぁぁ……っ~~~!!」
2人で悶えながら同時に絶頂を迎えた。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
「本当に出ないな」
ペニスに添えられていた手を眺めるラステア。
あんなに出したのに残っているわけがない。
「だから、言ったのに……」
「でも、後ろはまだイけるだろ?」
にやりと笑ったラステアは僕の体をベッドへ寝かせ、再び動き出す。
「も、ラステア!」
文句を言いながらも、遠慮なく触れてくれるのは嬉しい。
そんな僕を見透かしているのか、ラステアは嬉しそうに顔を寄せキスをして、とっておきの甘い表情で囁いた。
「クリス、愛してる……」
「……っ! ズルい」
「愛してる」
「……僕も」
結局、求められたら拒めない。
だって、僕もラステアを愛しているから。
抱き合いながら、何度もキスを重ねる。
体だけじゃない、想いそのものが交わっていくようで、息が詰まるほど幸せだった。
唇を離しても、まだ残る体温が恋しい。
体にこもる熱が、簡単には冷めそうにない。
熱が深まるごとに、自分が誰なのか分からなくなる。
ただラステアの名を呼ぶために、呼吸しているようだった。
この人との愛の結晶が欲しい。
そう願いながら、僕はラステアの腕の中に身を委ねた。
気づけば窓の外はすっかり暮れていた。
オアシスを包む風は静かに流れ、グードたちも眠っている気配がする。
「……1日が終わってしまったな」
ラステアが暗くなった窓の外を見ながら穏やかに呟く。
その声音には、充実と名残惜しさがまじっていた。
「ラステアがしつこくするからだよ」
「クリスだって、まんざらでもなかったじゃないか」
からかうような笑みに、思わず頬を膨らませる。
「それは……そうだけど」
「俺は大満足な一日だったぞ」
「もう……」
呆れたように視線を逸らしながらも、僕も悪くない1日だったなんて思ってしまっている。
ラステアの満たされた表情を見たら、文句なんて言えなくなる。
だって僕だって、同じように幸せだから。
互いの笑い声が、夜の空気に溶けて消えていく。
静かな夜に、寄り添うぬくもりだけが確かなものとして残った。
「明日は剣の稽古、したい」
「うん、そうしよう」
「今日は……もう寝るだけがいい」
「わかった」
「ぎゅってして」
「はい」
ラステアの腕が、そっと僕を包む。
その抱擁は、言葉以上に深い安心をくれた。
このまま時が止まればいいのに。そんな思いすら浮かぶ。
幸せな1日が、静かに終わっていく。
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