午時葵が咲き 木五倍子編 (高島藤次)

蒼乃悠生

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第一章 木五倍子の蕾

三.夕日色

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 次の日の朝。
 まだ目は閉じたままだが、太陽の光が眩しいと感じる。
 その光から逃れようと身動ぐと、なにかに当たり、普段よりベッドが狭く感じた。
は非番だっけか)
 まだ寝ていても問題はないが、ベッドの違和感を確かめようと、何度も瞬きをし、まだ微睡む意識をはっきりさせる。ぽりぽりと首元を掻きながら体を起こす時、すぐ近くに気配を感じた。
「お兄ちゃん、おはよう」
「うおぅ!?」
 寝起きで、更にこんな近くで声を掛けられると思っていなかったから、心臓が口から出るかと思うほど驚いた。
 声がした方へすぐに視線を向けると、キョトンとした顔で、少女が俺を見ていた。
「あ、ちせちゃん。おはよう」
 そういえばそうだった。
 ちせちゃんのお世話を香具山様から頼まれたんだ。
 あと、今日が非番じゃなくて、非番だった。
「よく眠れた?」
「うん!一緒に寝るのって初めは恥ずかしかったけど、お兄ちゃん、あったかいから落ち着くね」
 伍賀さんが買ってくれた花柄の寝間着を着たちせちゃんは、満たされたような表情だった。この様子だと、ちせちゃんが言った通り、当分母親と一緒に寝ることもなかったんだろう。
「お兄ちゃん!今日は小秋ちゃんのところに行こう!」
 ちせちゃんは俺に覆い被さって、足をバタバタとさせる。
「はいはい。じゃあ、行く準備をしようね」
「うん!」
 ゴロゴロと寝っ転がるちせちゃんの頭を強めに撫でた。まるで可愛い猫を相手にしているような気分だ。本人に言ったら怒るだろうか。
 用意したワンピースは、桜色で綺麗な色合い。もちろん選んだのは伍賀さんだ。
(そういえばワンピースの値札は、まだ外してなかったな)
 急遽伍賀さんが自ら進んで購入したものは全て値札を取らずに、そのままを貰った。寝間着は昨日の夜に値札を外したものの、ワンピースの値札はまだ取っていなかった。伍賀さんが外してくれていればよかったのだが。
(ハサミはどこだっけ)
 机の引き出しにハサミを置いていたような気がする。探してみるが見つからない。
(あれ、どこやったかな)
 ハサミを探していると、あっという間にちせちゃんはワンピースを着ていた。
(仕方ない。誰かにハサミを借りに行こう)
 ちせちゃんの姿をまじまじと見る。
 胸元の大きなリボン、袖とスカートに付いたフリフリの飾り。
(可愛い)
「ちせちゃん、可愛いね」
 素直に褒めると、ちせちゃんはくるりと回って、まるでお姫様のようにスカートを上品に摘み上げた。
「スカートなんて学校の制服でないと履いたことないから、凄く新鮮」
 ほんの少し朱色に染めた頬っぺた。ニッコリと嬉しそうに笑う。
 俺が支度している間、ちせちゃんは部屋をウロウロしてみたり、窓から外の様子を見ていた。車が走れば目で追い、人が歩けば見つからないようにコソコソと覗く。そして、ふと目が止まる。
「どうしたんだい?」
「ん?猫」
 そう言われて、俺もカッターシャツのボタンを留めながら、窓から見てみると、子猫の首を口に咥えて、箱まで運ぶ母猫の姿があった。
「子猫、遠くまで遊びに行き過ぎたのかな。お母さんに運ばれてるね」
 微笑ましい姿を見ていると、思わず顔が綻ぶ。
 しかし、ちせちゃんの目は冷ややかだった。
「ちせちゃん?」
 改めて名前を呼ぶと、ハッと我に返った様子で笑った。
「あ、ああ!うん、そうだね!お母さん、優しいね」
「……どうしたの?」
「ううん!なんでもない。なんでもないよ」
 猫を見つめる瞳はどことなく寂しさを感じさせた。
「あ、そういえば」
「なにー?」
「ちせちゃんの服、まだ値札が付きっぱなしだから、まずハサミを借りに行かなきゃね」
「え、値札が付きっぱなしなの!?嘘~!!」
 ちせちゃんはスカートをめくってみたり、値札を探すような仕草をしていて、俺はもっと早めに言えば良かったと思うが、顔が綻んだ。


 香具山を登って、午時葵の近くにある小屋へ向かう。そこは小秋ちゃんが生活をしている家だ。香具山様に用事がある時に何度か訪れたことがある。
 必要最低限の部屋の数と広さ。そして必需品。前に来た時よりも物が増えてはいるが、やはり殺風景のように見える。生活感があまり感じられない。
 小秋ちゃんに通された居間で、俺は椅子に座り、ちせちゃんは楽しそうに部屋の中を見て歩いていた。
 部屋の奥からやって来た小秋ちゃんの手元には、湯のみが三つ乗ったお盆を持っている。
「どうぞ」
「ありがとうございます」
 小秋ちゃんは自然な動きでテーブルに湯のみを置いていく。
「なになに?ジュース?」
 駆け寄って来たちせちゃんは、ワクワクした様子で湯のみを覗き込む。
「お茶か~」
「こら、そんな風に言ってはいけないよ」
 残念がるちせちゃんに注意する。
 口を尖らせながら、「ごめんなさい」と謝った。
「小秋ちゃんはやっぱりここに住んでいるの?」
 そう尋ねると、彼女は首を縦に振った。
「じゃあ、自分でなんでもやるんだね。偉いね」
「香具山がこれも勉強だと」
「勉強か~!真面目だなぁ」
 お茶をチビチビと飲んでいたちせちゃんが俺を見てくる。しかし、話しかけてこないので、違うところでも見ているのかと思った。
「お茶の味、どうですか?」
「丁度いいと思うよ。薄くもないし、渋いわけでもない。美味しいお茶ですよ」
 ありがとうとお礼を言うと、小秋ちゃんは僅かに口の端を吊り上げる。
「安心しました。香具山に一度も褒められたことがなかったので 」
「そうなんだぁ。もっと褒めてくれたらいいのにね」
 すると、服の裾を引っ張る感覚がして、視線を向けてみるとちせちゃんがじーっと、見つめていた。
しかし、俺に話しかけるような素振りは無い。
「どうしたの?」
「……なんでもない」
 しかし、彼女は口を尖らせて、不満そうだった。明らかに言いたいことがある顔だ。
「言わないと分からないよ。怒らないから言ってごらん」
 ちせちゃんは視線を落としたまま、への字に閉じた口を開けようとしない。
(言ったら怒られるようなことでも考えてるのかな)
 困った。
 きっと意地でも言うつもりはないのだろう。話したくないのであれば話さなくても良いのだが、なにかを不満に感じている顔つきによく似ている。
(そういえば、広次もこんな風にヘソを曲げていたな)
 今になって思い出す弟の顔。
 子供の頃、俺が母から新しい鉛筆を買ってもらった時に、弟はよく俺の顔を黙って見ていた。羨ましそうな目で。
(羨ましい……か)
 俺は、後ろからちせちゃんの脇を持って膝に乗せた。
「?」
 少し驚いた顔で、おとなしく座っている。
「重くない?」
 心配した面持ちで見上げてくる。
「そうだなぁ。ちょっとだけ重いかなぁ」
 そう言って笑うと、ちせちゃんは大暴れをして降りた。
「女の子に重いとか、でりかしーがないんじゃない?」
「ちせちゃんは難しい言葉をよく知ってるね」
「勉強はちゃんとしてるもん。……お母さんは褒めてくれないけど」
 また拗ねた顔をしている。
(それが、君の本当の気持ち、なんだよね)
「じゃあ」
(君の寂しい気持ちを、俺が少しでも和らげることができたら)
「俺が褒めていいかな?」
(君の笑顔は、凄くあたたかい)
 彼女は、笑った。
「うん」
「ちせちゃんはよく勉強していてえらいね」
(君の母の代わりにはなれない。でも、寂しい気持ちぐらいは和らげる存在になりたい)
 彼女の頭を撫でる。
 ちせちゃんはくすぐったそうに、また笑った。
「もしもし?」
「はいっ!!」
 肩にそっと叩かれた触感に、俺は驚きすぎて声が裏返った。
 お盆を胸に抱いた小秋ちゃんが無表情でこちらを見ている。
「御用はなんでしょうか」
「えーっと、ちせちゃんが小秋ちゃんと遊びたいと……」
 小秋ちゃんの存在を忘れていた。
 申し訳ない。
「香具山さまとのお約束を守りに来たのー」
 ちせちゃんは息を吹きかけ、ズズズとお茶を飲む。
 特に怒ることもなく、小秋ちゃんはその姿をガラスのような無機質な目で眺めていた。
「私には遊ぶと言う概念はありません」
「がいねん?よく分かんない。いいから遊ぼうよ」
「だから」
「鬼ごっこ?縄跳び?あやとりとかでもいいよ」
「だか」
「かけっことかがいいかな。色鬼とかも楽しいよねー。でも二人しかいないもんなー」
「だ」
「お兄ちゃんも一緒にやる?三人ならまだ楽しいかなぁ」
「あの、人の話を聞いてもらえませんか」
「隠れんぼとかもいいな~」
「ちょっと」
「シャボン玉、久しぶりにやりたいかも~」
「人の話を」
「あ!人形ごっことかがいい?おままごととかでも大丈夫だよ!」
 全く人の話を聞かない。
 少しも話を聞こうとしないちせちゃんに痺れを切らしたのか、小秋ちゃんは無表情のまま、体をプルプルと小刻みに震え始めた。
「ちせちゃん、ちせちゃん」
「ん?」
 俺が小秋ちゃんを指差す。
 その矛先を見て、ちせちゃんは「おっ」と驚いたかのように声を漏らした。
「凄いことしてるね。わたしも真似しよ~」
 と言って、一緒に震える。
 もう訳が分からない。
 ここは俺も右に習って、体を震わせるべきか否か悩み始めた時、小秋ちゃんが持っていたお盆をテーブルに乱暴に置き、口を開いた。
「この気持ちはなんでしょうか」
「え?」
「胸の底からモヤモヤ……いや、メラメラ?非常に不愉快なものが湧き上がってきます。一発引っ叩くたくなる、一層のこと泣かせてやりたい……スッキリさを求めています」
 言葉を選んで表現。小秋ちゃんなりにしっくりとくる言葉を探しながら口にしているようだった。
(前途多難だ)
 この二人は仲良くなれるのだろうか。
 しかし、小秋ちゃんに感情がないと思っていたが勘違いのようだ。認識することが難しいだけで、感情を持っている。安心した。
「それは怒りという感情じゃないかな」
「怒り?」
「腹が立つことだよ!しばいたろかー!みたいな」
 ちせちゃんは自分なりの言葉で言う。
 それを聞いて、俺は思わず吹いてしまった。
「ちせちゃんの言葉だけではよく分からないかもしれないけど、相手の行動や話を受け入れられないことかな」
「受け入れ難い……」
「具体的に言えば、不満なことがあって納得できない、理解できない。そんないろいろな気持ちが大きくなって、自分で自分を抑えきれずに爆発するような感じかな」
「理性が効かない……」
 小秋ちゃんは考え込むように唸っている。
「小秋ちゃんは今わたしに怒ってるの?」
 不意にちせちゃんはそう尋ねた。少し怯えているようにも見える。
「分かりません。しかし、良い課題を貰いました」
「かだい?」
「あなたに対して、何故ここが騒つくのか、答えを見つけます」
 小秋ちゃんは胸元に手を添えて答えた。
 彼女はどんな時も真面目だ。
 すると、ちせちゃんはニッコリと笑った。
「そっか。頑張ってね」
 そんなちせちゃんに小秋ちゃんは怒ったんだけど、当の本人はこの調子だからなぁ。小秋ちゃんも大変そうだ。
「じゃあ、二人で四つ葉の白詰草でも探してきてみたらいいんじゃない?ちょうどあそこに生えてるし」
 窓を指差す。
 窓の向こう側に青々と生え、白い花を咲かせている白詰草。
 伍賀さんから、四つ葉の白詰草は幸運だとかなんとか聞いたことがある。一緒に探すだけでも、仲良くなるのではないかと思った。
「白詰草……クローバーですか」
「分かった!お兄ちゃんのクローバーを探してくるね!」
 そう言いながら、ちせちゃんは部屋を出て、駆けて行った。
 一方、小秋ちゃんは動かず、ちせちゃんを目で追いかけるだけだった。
「草を探すことになんの意味があるのでしょう」
 四つ葉を探すちせちゃんに焦点を当てながら、俺に聞いてくる。
「ちょっとした特別な何かなら、きっとなんでもいいんだよ」
「特別……」
「一緒になってなにかをする。それだけでも感じる学べるものがあるんじゃないかな」
「……理解し兼ねます」
「人間を知りたいなら、机上で考えるより、体験した方がいいよ」
「高島大尉」
 初めて名前を呼ばれて、驚く。
 見上げてみると、俺を見下ろす小秋ちゃんの眼差しが少し鋭く感じた。
「あなたは一体どこまでご存知なのですか」
 そんな無機質な目を見て、普通の人間だとは思わない。更に言えば、あの香具山様の付き人なら尚更だ。訳ありの者なんだろう。
「何も」
 この返答があまり納得できる者ではなかったようで、小秋ちゃんは訝しむように目を細める。
「本当に何も知らないよ。ただ」
「ただ……?」
「他者に与えられた情報だけが全てじゃない。人間なら自ら情報を探すし、必要なら仮説も立てる」
 彼女は黙っていた。
「誰かに動かされているだけじゃあ駄目だよ。知りたいのなら、なにかを得たいのなら、自ら進んで情報を見つけ、時には体感しないと。君は人形じゃあないんだから」
「人形……」
「さあ、行っておいで。ちせちゃんじゃないと感じられないものも、きっとある」
 その時だった。
 ガラスを叩く音がした。
 音が聞こえる方に目を向けると、窓にへばりつくちせちゃんの姿が。握り拳で窓を叩いている。
「ほら、ちせちゃんが待ってるよ」
「……分かりました」
 小秋ちゃんは重い足取りで部屋を出て行った。


 窓辺に椅子を動かし、そこからちせちゃんの様子を眺めていた。窓際にお茶の湯呑みを置いて、頬杖をつきながら。
 しかし、いつの間にか寝ていたようだ。
 近くの気配と、不自然な音に気づき、目をゆっくりと開ける。
「あれ、ちせちゃん?」
 すぐ近くに立っていたちせちゃんは、ニコニコと満面の笑みだった。
 その後ろには小秋ちゃんが立っていた。少し雰囲気が和らいでいるように感じる。
「いつの間にか寝ちゃったよ」
 ハハッと笑う。
 頬杖を外し、頭を動かすと、頭上に違和感がある。
「花の冠だよー!」
 ちせちゃんはご満悦な表情だった。
 頭に乗っているものを手に取ってみると、確かに冠だった。白詰草の花で作られた、立派な冠。
「凄いね!花で冠が作れるんだぁ」
「いっぱい花がないと作れないんだよねー」
「ありがとう、ちせちゃん。小秋ちゃんも作ったの?」
 小秋ちゃんの手元には一回り小さい、花の冠があった。
「はい。ちせさんに教わりました」
「小秋ちゃん、凄いんだよ。初めて作るって言ってたのに、私が作るより上手なんだもん……」
 言われてみると、確かに小秋ちゃんの方が丁寧に作られているように見える。
「上手かどうかだなんて二の次だよ。一番大切なことは気持ちだから」
「だよね!」
 暗くなっていた表情が一転する。
「高島大尉」
「はい」
「そろそろ家に戻られた方がよろしいのでは」
 窓を見てみると、太陽が傾いている。まだ日が暮れているわけではないが、香具山を下山しなければならない。ちせちゃんの歩く速さを考えれば、早めに出ておいて損はない。
「そうだね。帰るよ」
 そう言うと、ちせちゃんは「えー」と不服そうに声を漏らす。
「じゃあ、ちせちゃんは小秋ちゃんの家にお泊まりする?」
「やめてください」
 非常に困った顔で断られた。
 困る感情は理解しているようだ。
「では、帰ろうか」
「はーい」
 ちせちゃんは俺の手から花の冠を取り、自分の頭に乗せる。
「じゃ、またね!その冠、大切にしてね」
「……はい」
 渋々、ちせちゃんの言葉に答えた様子で、小秋ちゃんは冠と俺達を交互に見ていた。
 帰り道、ちせちゃんの手を繋ぎながら、来た道を戻る。その途中、ちせちゃんのワンピースのポケットから出てきた四つ葉のクローバーを俺にくれた。
 白詰草の冠以外になにをしたのか、そう尋ねてみると、白詰草の花束を作ってみたり、違う草花を探してみたり、虫を捕まえてみたりしたそうだ。
 それを語るちせちゃんはとても楽しそうだった。
 このまま笑顔でいる時間が増えればいいと、思った。
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