【私は乙女ゲームに似た世界に転生したけど、引き籠りたいのでさっさと離脱します】

In・san・i・ty=DoLL

文字の大きさ
10 / 27

【9話】

しおりを挟む
早いもので本日は社交界デビューの日。

私は、お父様とサハラ、グレイとシルバーの4人で王宮に向かっている。

8年振りの馬車は揺れるわ…。

今日はグレイとシルバーも執事服じゃなくて白の燕尾服を着ている。

というか、お父様が直々にスカウトしてきただけあって2人共、顔も頭も運動神経も良いのよね。

なんて考えてる内に、王宮に着いてしまった。

「…本当にいいの?」

目の前に座っているグレイに確認を取る。

「愚問だし、俺は棚ボタでラッキーだ。お嬢が嫌なら…やめるなら今だぞ?」

棚ボタとか…。

私もグレイが承諾してくれて、良かったわ。

…ん?

あら?

今何か引っ掛かったわ?

何かしら?

「お嬢?」

「ううん。あの方も嫌だけど、見知らぬ人は絶対に嫌!第三王子とか以ての他!まだ馴れないけど、このまま続行でお願いします!!」

「了解」

会話を聞いていたお父様が、うんうんと頷いてくれる。

お父様はカクタス様の出自を知っているハズだから、王家からの招待状に書いてあった内容に思うところがあったみたい。

私にとって最善の策を選ばせてくれた。

そんな会話をしていれば、馬車が止まった。

いざ、尋常に勝負!!

…で、合ってるわよね?

「さ、ミモザ。手を」

既に馬車から降りていたお父様とグレイとシルバーに促されて、お父様から差し出された手を握って、決死の思いで馬車を降りる。

ざわざわとした王宮。

見てる見てる見てる見てる。

ああ、見られている…。

きっと、噂されているんだわ。

あれがローズミスト家の“ブス”だって……。

私は内心で物凄いパニックになりながら、案内のメイドに従って舞踏会の会場に向かう。

名前を呼ばれて入場するまでは時間があるので、専用の控え室に通される。

「ここまで良く頑張りましたね」

サハラに微笑まれてホッとする。

家別に個室になっているので、家人だけしか居ないのはありがたい。

「ミモザ、大丈夫かい?私は開始前に陛下に挨拶に行かなきゃならないから、席を外すけど…」

ソファーに座って俯いていた私を、覗き込むようにお父様が屈んでくれる。

「…ええ、何とか。会場ではグレイとシルバーが一緒に居てくれるから大丈夫よ。お仕事でしょ?行ってらっしゃい」

お父様はお城の官僚。

これから陛下に挨拶をして、その後、陛下に付き従わなければならない。

「グレイ!シルバー!くれぐれもミモザを頼んだぞ!」

「了解」

「畏まりました」

お父様は2人に何度も私を守るように言い付けて、部屋から出ていった。

また、心配させちゃった…。

ごめんなさい。

でも、人の視線がどうしても怖い…。

やめて、こんな“ブス”の私を見ないで…。

早く帰りたい…。

シーツ持ってくれば良かった。

みんなサクッと集まって、王様もサクッと入場して、サクッと一言述べて、サクッとみんなに挨拶させて、サクッと一曲踊らせて、サクッと帰してくれないかなぁ。

「お嬢、帰りたいオーラ凄いよ。ほら、お嬢の為のオリジナルリラックスティー。一応こぼすと怖いからドレスには防水魔法掛けとくからな。飲める?」

グレイが笑いを堪えながら紅茶を入れてくれた。

「うん。ありがとう」

一口飲むと身体中の緊張が解れる。

美味しい。

ホッと一息ついたところで、部屋のドアがノックされた。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

女性が少ない世界に転生した控えめ伯爵令嬢、なぜか五人の婚約候補に選ばれて少しずつ恋を知っていきます

ノッポ
恋愛
女性が極端に少ない異世界に転生した私は、気づけば伯爵令嬢になっていた。 前世は日本で普通に生きていたせいか、貴族令嬢らしい強気な振る舞いがどうしても苦手。 社交界デビューを迎えても、「どうして私が選ばれるの?」と戸惑うばかりだった。 けれど今年デビューする高位令嬢はわずか三人。 家同士の思惑も重なり、騎士団長家の息子、宰相子息、魔術師団長の息子、幼なじみの侯爵子息、そして英雄騎士―― 五人の若きエリートとのお見合いが次々と始まってしまう。 遠慮がちで控えめな性格は、この世界では珍しく、気づけば少しずつ距離を縮めていく彼ら。 異世界での恋愛に戸惑う日々。けれど出会いを重ねるたびに、私は少しずつ変わっていく――。 女性希少世界の社交界で、自分の幸せを選べるようになるまでの ほのぼの甘い逆ハーレム恋愛ファンタジー。

魔力ゼロと捨てられた私を、王子がなぜか離してくれません ――無自覚聖女の王宮生活――

ムラサメ
恋愛
伯爵家で使用人同然に扱われてきた少女、エリナ。 魔力も才能もないとされ、義妹アリシアの影で静かに生きていた。 ある日、王国第一王子カイルの視察で運命が動き出す。 誰も気づかなかった“違和感”に、彼だけが目を留めて――。

中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています

浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】 ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!? 激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。 目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。 もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。 セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。 戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。 けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。 「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの? これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、 ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。 ※小説家になろうにも掲載中です。

怠惰令嬢の玉の輿計画 昼寝してたら侯爵様と面倒なことになりました

糸掛 理真
恋愛
頑張りたくない 働きたくない とにかく楽して暮らしたい そうだ、玉の輿に乗ろう

私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。

小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。 「マリアが熱を出したらしい」 駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。 「また裏切られた……」 いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。 「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」 離婚する気持ちが固まっていく。

前世で孵した竜の卵~幼竜が竜王になって迎えに来ました~

高遠すばる
恋愛
エリナには前世の記憶がある。 先代竜王の「仮の伴侶」であり、人間貴族であった「エリスティナ」の記憶。 先代竜王に真の番が現れてからは虐げられる日々、その末に追放され、非業の死を遂げたエリスティナ。 普通の平民に生まれ変わったエリスティナ、改めエリナは強く心に決めている。 「もう二度と、竜種とかかわらないで生きていこう!」 たったひとつ、心残りは前世で捨てられていた卵から孵ったはちみつ色の髪をした竜種の雛のこと。クリスと名付け、かわいがっていたその少年のことだけが忘れられない。 そんなある日、エリナのもとへ、今代竜王の遣いがやってくる。 はちみつ色の髪をした竜王曰く。 「あなたが、僕の運命の番だからです。エリナ。愛しいひと」 番なんてもうこりごり、そんなエリナとエリナを一身に愛する竜王のラブロマンス・ファンタジー!

子供にしかモテない私が異世界転移したら、子連れイケメンに囲まれて逆ハーレム始まりました

もちもちのごはん
恋愛
地味で恋愛経験ゼロの29歳OL・春野こはるは、なぜか子供にだけ異常に懐かれる特異体質。ある日突然異世界に転移した彼女は、育児に手を焼くイケメンシングルファザーたちと出会う。泣き虫姫や暴れん坊、野生児たちに「おねえしゃん大好き!!」とモテモテなこはるに、彼らのパパたちも次第に惹かれはじめて……!? 逆ハーレム? ざまぁ? そんなの知らない!私はただ、子供たちと平和に暮らしたいだけなのに――!

大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!

古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。 その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。 『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』 昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。 領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。 一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――

処理中です...