【2部まで完結!】使い捨てっ子世にはばかる!?~妹が最強の魔王になるかもしれない~

うろたんけ

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第一部 無駄な魔力と使い捨て魔法使い

「たってるから座るんです。ほっといてください」

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悩みとは、パーティーについて。

ケイトはロットをパーティーに誘う、または入れてもらうつもりでいた。それは身投げの穴で獲得した指輪が理由である。

しかし、よくよく考えてみるとそれはケイトの都合であって、ロットや、ましてや訳ありで妹を連れ、勇者とともに旅をしているロットを自分の都合だけで誘っていいものかと悩んでいたのだ。

「そういえば、ロットはどうして勇者様と一緒にいるの?」

そんな考えを巡らせていると、ロットに旅の理由をまだ何も聞いていないことに気が付いた。

「え? ああ、言ってなかったっけ?」

ロットは何でもないことのようにソイルの病気のこと、寿命のことをケイトに伝える。

「つまり、これからソイルちゃんを救うために勇者様の旅についていくのね?」

「うん。俺、絶対にソイルを助けたいんだ。元気に遊び回れるようにしてあげたいんだよ」

ロットの優しい笑顔と、ソイルを救いたいという純粋な気持ちにケイトの中でやがて決心が固まる。
指輪をはずし、名残惜しそうに一度握り締めてから

「ロット、……これ、あげるわ」

ロットに差し出した。

「どうして?」

「魔力種ってたくさんの魔力が必要なんでしょ?ならこの指輪をソイルちゃんにあげれば病気は乗り越えやすくなるはずでしょ?」

一時とはいえ膨大な魔力を扱う経験が出来、一生使うことはないと思っていた極魔法を使用することが出来た。

それだけでもかなり幸せであり、ずっと持っている分にはロットのような本当に必要としている人が持つべき魔道具である。そんな風に自分に言い聞かせていた。

「……ケイトは一緒に旅してくれないの?」

だからケイトはロットの寂しそうなつぶやきに驚かされる。一緒に行くことなんて考えていなかったから。

身投げの穴からこの町までは成り行きで一緒にいただけであり、自分にはそんな資格はないとも考えていた。そもそも勇者のパーティーに入るという発想は普通の冒険者には生まれないくらい偉大な存在でもあった。

「一緒に行ってもいいの? 勇者様に迷惑じゃない?」

「うーん、勇者様の考えはまだわからないけど、多分大丈夫だと思うよ」

根拠はなさそうな、その一言にケイトは勇気づけられた。せっかくのチャンス、こんなところでお利口にならず、すがれるところは全力ですがるべきだと考えた。

ロットの旅もとても大事だけど、自分の夢も決してないがしろにしていいわけがない。叶えられるチャンスがあるならやって後悔しよう、そう思ったのだった。

町に戻りケイト達は満腹亭で粘液獣について報告した。カンは驚きながらも、追加の報酬まで渡し、二人には無理やり相応の銀貨が支払われた。

そして、勇者が待つ宿屋に戻ると、今日わかった指輪についての話や極魔法の話をケイトから伝える。そして最後に意を決したように

「わ、わたし魔力は少ないですがロットと一緒なら戦えます!冒険者としても活動していたので旅で足を引っ張ることもないと思います。

もちろん身の丈に合わない場所にはついていかないと約束します。なので、ロットとソイルちゃん、そして勇者様の旅についていかせてください!」

と一息に言い切った。途中呼吸も忘れていたので大きく息を吸って整える。そして目をつむり、どんな返答が来てもしっかり受け入れて諦めが付けられるよう待った。

ケイトにとってとても長い時間に感じられ、しばらくしてからケイトの耳にロットの声が入る。

「俺からもお願いします。ケイトは魔力を使うのがとても上手で、さっきも初めての極魔法を成功させてきたんです。俺一人よりケイトがいたほうが何倍も戦力が上がります!」

実際は間髪をほとんど入れずにロットが続けたため勇者はただ聞くだけになっていた。この状況に少し笑みを浮かべて、勇者はあえて間を溜める。

それは二人の頭を下げる必死な姿がいじらしく、もう少し見ていたいというイタズラ心だったがもちろん二人は気が付かず重い空気を背負って待つ。

ソイルだけが少し離れて蚊帳の外だなあといじけつつも勇者の意地悪にほほを膨らませてその後の展開を見守っていた。

「……へぇ、極魔法を一発で? それはすごいね。まあ、戦力については僕一人で十分だから、そこは関係ないとして……ケイトちゃん」

ロットの援護むなしく戦力については否定され、名前を呼ばれたケイトはいよいよ胸がきゅっとなる。

「は、はい」

「僕は料理にはうるさくて、野宿でもそれなりの料理を求めるけど、大丈夫かい?」

「え?」

言っている意味を理解するまで数秒呆けるケイトよりさきにロットが顔を上げて口をほころばせながらケイトを見た。

「やった! ケイト、よかった!」

「……ありがとうございます! ロットもありがとう!」

そこでようやく回路が繋がったようにケイトも喜び、嬉しさのあまりロットに思いっきり抱きついた。

もはやパーティを外された悔しさや腹立たしさはすっかり消え、これからの旅が楽しみで仕方がないケイトであった。

その後長めの抱擁からロットを開放すると、ケイトはソイルにもこれからよろしくと声を掛ける。

勇者は、ケイトとならば少しずつ会話が出来るようになってきたソイルに感心しつつも自身はまだそこまで受け入れられていないので距離を保ったまま立っている。そして先ほどからしゃがんで立ち上がろうとしないロットに、意味も分かったうえで

「ところでロット、どうして座り込んでるの? お腹でも痛いの?」

イヤらしい笑みをのせてそういった。

「ほ、ほっといてぇぇえ!」

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