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第一部 無駄な魔力と使い捨て魔法使い
「お小遣いをゲットしました!」
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ケイトさんが仲間になってから、あっという間に一ヶ月が経ちました。
私の寿命も残り十一ヶ月かもしれないという現実をさておき、ケイトさんは本当に素晴らしい人です。
元々パーティを組んでいたことがあるそうですが、そのあたりのことはあまり話したがらない様子です。
けれども、旅慣れしているのは確かで、カコガの町を出て、道中の注意点、野営の方法、火の扱い、料理の腕前、どれもすごいです。特に料理に関しては、勇者様の作る料理よりも格別に美味しいです。
勇者様はああ見えて焼く、煮る、以上。って感じでしたしね。どこからか香草を見つけては、見事な味付けを施します。その技術には毎回驚かされます。
この一月の間にコグンカという町に立ち寄った際も、ケイトさんはその旅慣れた経験を存分に発揮し、安心して買い物や宿探しを準備してくれました。
実は勇者様の時には接待モードであった人々も、ケイトさんには商売根性丸出しで接してきて面白かったです。
それにも動じず、商人さんや宿屋の店主と値切ったり話し合いながら適正価格で物を購入したり宿を借りたりしている姿は見事でした。
ケイトさん曰く勇者だから、勇者のパーティーだからなんでも特別ってのは性に合わない、だそうです。それでも勇者様は赤い髪が目立つので、バンダナで隠すようにして、変装させたところ、勇者様も気に入っているようで良かったです。
そしてこの一ヶ月ほどで、私はケイトさんと会話を交わせるようになりました。最初はほとんど言葉を交わすことができませんでしたが、ケイトさんは優しいお姉さんという感じで決して無理強いはせずにいてくれましたし、話も面白いものがたくさんでした。
そんなこんなで自然に口を開けるようになったのです。初めて私からごはんのお礼を言いにいった日は、ケイトさんに優しく抱きしめられました。
柔らかさと温かさは、今でも心に残っています。それから毎日、たくさんお話しして、たくさんの優しい抱擁をもらっています。まるでお姉ちゃんのようで、嬉しいです。
そんなケイトさんと兄は、とても仲が良いです。死線を共にくぐり抜けた仲間だからでしょう。魔法を使うときには手をつなぐ姿が見られます。
それは魔道具、という指輪の効果を発揮させるためには必要だそうです。兄が少し嬉しそうにしているのを見て、私も嫉妬しつつも、二人の仲の良さを素直に喜んでいます。
ケイトさんの魔法は非常に強力で、大抵の魔物は一撃で倒してしまいます。兄は魔法を使うとすぐに魔力切れを起こしてしまうようで、剣で戦うこともあります。
指輪によって魔力がたくさんになったはずなのに人に渡さないと使えないなんて不便ですね。だからか戦闘に関しては私から見てもどうしてもレベルの差を感じてしまいます。
それでも、食後の素振りなど努力を惜しまない兄の姿は立派です。
勇者様については、この一ヶ月間、時々ダンジョンを破壊してくるといってものすごいスピードで走り去ることもありましたが大抵次の日くらいに合流します。やっぱり勇者様は忙しいんですね。
そしてついに今日、目標としていたシカァの街に到着しました。ケイトさんのおかげで、旅が辛くなく過ごせたことに感謝しています。
ちょうど今、三方向にある入り口の一つで検問が終わり、通り抜けると、そこには広大な街が広がっていました。
人がたくさんいます!お店もいっぱいありそうです!建物もなんだか大きいのがあります。正面奥には飛び切り大きいのもあります!
「やっぱり都会ねぇ」
私が静かに興奮しているとケイトさんが慣れた感じでそう言います。そういえばケイトさんはここに来たことがあるのですね。勇者様も何事もなかったかのように立っています。
「す、すごい!ソイル見たことないものがたくさんあるぞ!なんだあの大きな建物は?」
驚いているのは私と兄だけです。兄がはしゃぐ姿を客観的に見て、急に恥ずかしくなってきました。肩をすくめて小さくなっていると怯えていると心配してくれたケイトさんがそっと手をつないでくれます。
「ソイルちゃんも初めての都会ね。人が多いし、大丈夫?」
ケイトさんが優しく話しかけてくれます。人が多いのはちょっとだけドキドキしていますが、兄と一緒で見たことないものたくさんでワクワクしていますよー。
そんな気持ちを込めて笑顔を向けます。どうやら安心してくれたようです。
「じゃあ、僕はギルドに行ってくるね」
勇者様は検問を完全に通り抜けてから、そう言って一番大きな建物を指さしました。あの大きな建物はギルドでした。
カコガにもコグンカにもありましたがあんなに大きくありませんので、都会って凄い。
ギルドとは、ダンジョン破壊や街の依頼を管理する場所のことを言います。街がこれだけ大きいからギルドも大きくなるのかもしれません。
ちなみに勇者様は街の中なのにあっという間に人ごみを縫って行ってしまいました。
「私は宿を先に取ってくるわ。街の中央に広場があるから、そこで集合ね。ロット、ソイルちゃんと一緒に観光でもしてきなさい」
ケイトさんも行ってしまいました。おこづかいとして銀貨を一枚ずつくれたので、とても嬉しいです。残された兄と私は、言われたとおりに街の観光に出かけました。
兄も口では
「お小遣いって子どもじゃないんだから」
と言っていましたがワクワクしているのがバレバレです。
なぜかって?ケイトさんが見えなくなった途端私を連れて目を輝かせていましたから。
私の寿命も残り十一ヶ月かもしれないという現実をさておき、ケイトさんは本当に素晴らしい人です。
元々パーティを組んでいたことがあるそうですが、そのあたりのことはあまり話したがらない様子です。
けれども、旅慣れしているのは確かで、カコガの町を出て、道中の注意点、野営の方法、火の扱い、料理の腕前、どれもすごいです。特に料理に関しては、勇者様の作る料理よりも格別に美味しいです。
勇者様はああ見えて焼く、煮る、以上。って感じでしたしね。どこからか香草を見つけては、見事な味付けを施します。その技術には毎回驚かされます。
この一月の間にコグンカという町に立ち寄った際も、ケイトさんはその旅慣れた経験を存分に発揮し、安心して買い物や宿探しを準備してくれました。
実は勇者様の時には接待モードであった人々も、ケイトさんには商売根性丸出しで接してきて面白かったです。
それにも動じず、商人さんや宿屋の店主と値切ったり話し合いながら適正価格で物を購入したり宿を借りたりしている姿は見事でした。
ケイトさん曰く勇者だから、勇者のパーティーだからなんでも特別ってのは性に合わない、だそうです。それでも勇者様は赤い髪が目立つので、バンダナで隠すようにして、変装させたところ、勇者様も気に入っているようで良かったです。
そしてこの一ヶ月ほどで、私はケイトさんと会話を交わせるようになりました。最初はほとんど言葉を交わすことができませんでしたが、ケイトさんは優しいお姉さんという感じで決して無理強いはせずにいてくれましたし、話も面白いものがたくさんでした。
そんなこんなで自然に口を開けるようになったのです。初めて私からごはんのお礼を言いにいった日は、ケイトさんに優しく抱きしめられました。
柔らかさと温かさは、今でも心に残っています。それから毎日、たくさんお話しして、たくさんの優しい抱擁をもらっています。まるでお姉ちゃんのようで、嬉しいです。
そんなケイトさんと兄は、とても仲が良いです。死線を共にくぐり抜けた仲間だからでしょう。魔法を使うときには手をつなぐ姿が見られます。
それは魔道具、という指輪の効果を発揮させるためには必要だそうです。兄が少し嬉しそうにしているのを見て、私も嫉妬しつつも、二人の仲の良さを素直に喜んでいます。
ケイトさんの魔法は非常に強力で、大抵の魔物は一撃で倒してしまいます。兄は魔法を使うとすぐに魔力切れを起こしてしまうようで、剣で戦うこともあります。
指輪によって魔力がたくさんになったはずなのに人に渡さないと使えないなんて不便ですね。だからか戦闘に関しては私から見てもどうしてもレベルの差を感じてしまいます。
それでも、食後の素振りなど努力を惜しまない兄の姿は立派です。
勇者様については、この一ヶ月間、時々ダンジョンを破壊してくるといってものすごいスピードで走り去ることもありましたが大抵次の日くらいに合流します。やっぱり勇者様は忙しいんですね。
そしてついに今日、目標としていたシカァの街に到着しました。ケイトさんのおかげで、旅が辛くなく過ごせたことに感謝しています。
ちょうど今、三方向にある入り口の一つで検問が終わり、通り抜けると、そこには広大な街が広がっていました。
人がたくさんいます!お店もいっぱいありそうです!建物もなんだか大きいのがあります。正面奥には飛び切り大きいのもあります!
「やっぱり都会ねぇ」
私が静かに興奮しているとケイトさんが慣れた感じでそう言います。そういえばケイトさんはここに来たことがあるのですね。勇者様も何事もなかったかのように立っています。
「す、すごい!ソイル見たことないものがたくさんあるぞ!なんだあの大きな建物は?」
驚いているのは私と兄だけです。兄がはしゃぐ姿を客観的に見て、急に恥ずかしくなってきました。肩をすくめて小さくなっていると怯えていると心配してくれたケイトさんがそっと手をつないでくれます。
「ソイルちゃんも初めての都会ね。人が多いし、大丈夫?」
ケイトさんが優しく話しかけてくれます。人が多いのはちょっとだけドキドキしていますが、兄と一緒で見たことないものたくさんでワクワクしていますよー。
そんな気持ちを込めて笑顔を向けます。どうやら安心してくれたようです。
「じゃあ、僕はギルドに行ってくるね」
勇者様は検問を完全に通り抜けてから、そう言って一番大きな建物を指さしました。あの大きな建物はギルドでした。
カコガにもコグンカにもありましたがあんなに大きくありませんので、都会って凄い。
ギルドとは、ダンジョン破壊や街の依頼を管理する場所のことを言います。街がこれだけ大きいからギルドも大きくなるのかもしれません。
ちなみに勇者様は街の中なのにあっという間に人ごみを縫って行ってしまいました。
「私は宿を先に取ってくるわ。街の中央に広場があるから、そこで集合ね。ロット、ソイルちゃんと一緒に観光でもしてきなさい」
ケイトさんも行ってしまいました。おこづかいとして銀貨を一枚ずつくれたので、とても嬉しいです。残された兄と私は、言われたとおりに街の観光に出かけました。
兄も口では
「お小遣いって子どもじゃないんだから」
と言っていましたがワクワクしているのがバレバレです。
なぜかって?ケイトさんが見えなくなった途端私を連れて目を輝かせていましたから。
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