【2部まで完結!】使い捨てっ子世にはばかる!?~妹が最強の魔王になるかもしれない~

うろたんけ

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第二部 最大級の使い捨てパンチ

「奴隷商人そこまでた!」

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その頃、ロットたちは宿屋で集まっていた。そこにはレナもいる。ルミナリアを見つけられるまではレナも責任を取って同行することにしたのだ。

そして各部屋でくつろいでいたのをケイトの招集がかかった。

「ケイト、どう?」

ロットが聞くがケイトは答えない。意識を指輪に集中させていた。よく見るとロットからは指輪がなくなっている。

「予定通りエレナが攫われたわ」

ケイトはこの街の簡単な地図をテーブルに出して落ち着いた口調でそう言った。「予定通り」と言ったようにエレナが攫われたのは計画的だった。

「でも奴隷商人がいたところじゃない。ちょっと町外れに向かっているわ」

なぜこんな事が分かるかと言うと、ケイトが指輪の繋がりを感じることができるのを利用して、あらかじめエレナに指輪をつけて囮として捕まえさせていたのだ。

エレナ自身が奴隷商人の下から去る時に「あれは人攫いをする目っすね。多分あたしが夜に一人でうろつけば誘拐してくるっすよ」と自信満々だったため試してみるとうまくいってしまった。

実際その作戦通りエレナは捕まり、ケイトが魔力を探ることで今居場所を突き止めることができていた。後はその場所まで行き、捕らわれたエレナとルミナリアを救出すれば解決になる。

エレナが串焼きに固執してごろつきたちをドン引きさせていたのは知らない。

「こりゃ見つからねえわけだね」

レナが指差すのは地下に奴隷商人がいた武器屋ではなく街外れの墓地の近くだった。夜に墓参りするものはほとんどおらず、人通りが極端に少なくなるため奴隷を運ぶのにはもってこいの場所と言えるだろう。

「お嬢はそこにいるのか」

パンチがつぶやき、ロットが頷いた。

エレナいわく
「あたし自分で言うのもなんですけど、美少女エルフなんでめちゃくちゃ価値が高いんスよね。そしてルミナリアって子も金貨1000枚って言われて、見た感じあの場にはいなかったんで、

たぶんそう言う高級な商品はもっと別のところに管理されてると思うんすよ」

と言うことだった。なので予想が正しければエレナがいる場所にルミナリアもいるということになる。

実際エレナの言う通りルミナリアのもとに運ばれていて、作戦は成功と言えるがその事実を知り得ないため心配そうにしていた。

「じゃあ奪還作戦といこう!」

ロットの掛け声に全員が立ち上がり宿屋を出た。

しばらくした頃、彼らが向かってきていることを知らない奴隷商人は、普段の奴隷売買よりも慎重にで高額なルミナリアを購入したいと言っていた貴族と取引をしていた。

貴族の男はガタイがよく、鋭い眼光と、牙のようにむき出しになる歯が特徴的だった。その佇まいは貴族というより戦いに長けた強者のものだった。

奴隷商人はそんな只者ではないオーラを感じ取ってか、いやらしい笑みを浮かべて媚びる手つきで貴族にすり寄る。

「ホーッホッホ。旦那様、先ほど活きのいいエルフが手に入りました。あの女に加えてエルフはいかがですか?」

話は商談のことで、がめつくも今捕まえたエルフを売りつけようとしていた。

「ふん、興味ないな。吾輩が欲しいのはあの女のみだ」

貴族の男は興味なさげだった。貴族はエルフを慰めものにすることがステータスにもなる界隈なので奴隷商人の宛は少し外れた。ただそれでも御得意様であることには変わらないのでにこやかなまま話を進める。

「しかし本当に金貨1000枚もよろしいんですか?私としましては今後ともお付き合いしたいと思っておりますゆえ、金貨800でも構いませんよ?」

奴隷商人はそんな男の顔色をうかがいながら話を進める。ルミナリアはエグランティーヌ家の孫娘といえど、それは秘匿された存在であり、表沙汰にはされていない。そんな少女をさらったところでエグランティーヌ家は揺るがない。

つまり少女としての価値しかなく、それならば金貨100枚の値がつくかくらいなものだったのだ。それを1000枚という破格で買う上客を逃すまいと必死だった。

「それは心配いらん。また同じような人間を連れてきたら同じだけだそう。それこそ貧民でもなんでも構わん」

「ホーッホッホ、旦那様は素晴らしい。ではこちらの書類にサインを」

この国の貴族ではないのか、奴隷商人でさえも目の前の男がどこの国の貴族かはわからなかったが、差し出された金貨はたしかに本物で、その羽振りも真のお金持ちと言えるものだった。そんな客が今後も約束してくれたことに喜びも絶頂を迎えた。
そして取引が何事もなくおわり、奴隷を引き渡すために書類を整えている奴隷商人に、声がかかった。

「そこまでだ」

「だれだっ!?」

この空間に他の人が来るとは思っていなかった奴隷商人は驚き慌てて振り返る。そして目の前に昼間見た顔ぶれがいることにさらに驚く。

「さっきぶりだね、商人さん」

ロットが言った。

「あなたたちはあの食い意地の張ったエルフの」

「そ、そうよ。エレナの仲間。そしてエレナを助けに来たのよ」

食い意地というフレーズに、捕まってもなおエレナらしく過ごしていることがわかりケイトは呆れたが、すぐに立て直す。そして勝ち誇った顔のケイトが言った。一同は奴隷商人を追い詰めたと確信していた。
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