【2部まで完結!】使い捨てっ子世にはばかる!?~妹が最強の魔王になるかもしれない~

うろたんけ

文字の大きさ
82 / 117
第二部 最大級の使い捨てパンチ

「指輪ないじゃん」

しおりを挟む


砂煙が晴れて現れたのは3メートルはある魔物で、全身が筋肉であるのか不自然な身体の盛り上がりがあちこちにあった。特に胸筋と腕全体にかけては以上に太く、それを支えにするように四足歩行をしていた。
ごろつきたちは残らず潰されていき、原型をとどめていない。

手近なところに潰すべき敵がいなくなった魔物は視線をロットたちへと向けた。

「それよりあたいたちも逃げるよ!あれはヤバい」

「逃げるったってどこへ!」

「とりあえずアレの真逆に!」

「とにかくあんなの喰らえば一発でアウトよ!」

四人は逃げ出した。するとその巨体が二足で立ち上がり胸を両腕で叩く。闘技場に唸るような打撃音が広がり、その振動だけで地面までもが揺れているようだった。

「グララぁぁぁぁあ!!!」

凄まじい雄叫びが響き渡った。動き回ったことによって魔物の怒りを買ってしまったようだ。目は血走り、人間というものを憎んでいる。

「あれはごリラードね」

ケイトが逃げながら冷静に魔物の名前を言う。

「あたいは確か赤い体皮に覆われた気性の荒い中型のモンスターって聞いてるよ?」

レナの言うゴリラードの姿が正しく、人間と同程度の大きさだが筋肉が発達しており強力な一撃がある油断のできない魔物だった。それでもこの4人で遅れを取るものはいないほどの魔物ではある。

しかし目の前の魔物は姿は似ていたが、青い体皮に覆われており、ところどころあてはまりはするがサイズ感がどう見ても大型の魔物であった。

「あいつはどう見ても身体が青いし身体のデカさもハンパねぇーっ」

パンチの横をこぶし大程の石が通り過ぎた。ゴリラードが腕を振り上げた際に巻き込まれた小石が飛ばされてきたのだ。それだけでも当たればかなりのダメージになってしまうためパンチは肝を冷やした。

「多分亜種よ。群れのボスでもかなり珍しい、ドラゴンにも匹敵するほどのパワーがあるのよ」

ケイトは唯一知識として知っていたため説明し、それが絶望感を煽る。

「ドラゴンだって?そんなやつ相手にどうやって太刀打ちするんだい!」

「さすがの俺のパンチもドラゴンは倒せねぇぞ!っていうかお前らこんな時に何仲良く手を繋いでんだよ!」

レナとパンチはそれほどの魔物と対峙したことがなく打つ手がないと困っていた。そもそもドラゴンは倒せばドラゴンスレイヤーという異名がつくほど希少で強力なのだ。それに匹敵するパワーとなると恐ろしいほかない。

パンチが言うようにロットとケイトはいつもどおり戦闘準備として手を繋いでいた。二人にはきちんと説明しておらず、その時間もないためどう思われようと仕方なかった。

それでも目の前の脅威に立ち向かうために魔力を練る。しかしいつまで経っても魔力が共有される感覚が訪れず、そして二人同時にあることに気がついた。

「これは魔力を共有してて……あ」

「こんなの最極魔法で一発……あ」

二人はタイミングよく互いを見た。ゆっくりとまばたきをして、その作戦が重大な欠点があることに気がついた。

「グララぁぁぁぁあああ!!!」

その時ゴリラードが凄まじい勢いで走り寄ってきて突進するかのごとく迫っていた。

「「指輪はエレナに渡してるんだったぁぁぁぁ!!!!」」

二人は手を離しゴリラードの太い腕から振り下ろされる一撃を避けて一目散に逃げる。避けたものの衝撃で左右に転げ回り、左はケイト、右はロットと完全に分断された。



その光景をルミナリアは心配そうに、エレナは額に手を当て見てられないというふうに見ている。

「ほ、ほんとうに大丈夫?」

私の仲間は強いと発言した直後の出来事だった。不安しか残らない結果と、その原因の指輪を見つめてエレナはどうしたものかと考える。

「あ、あちゃー。実はこの指輪かないとまずかったんスけど、この場所を突き止めるためにあたしが預かってんスよね」

頬を掻きながらそう言った。
苦笑いを浮かべながら、それでも「まあ、大丈夫っす!」と言うエレナに今度こそ不安を覚えたルミナリアだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』

チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。 気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。 「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」 「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」 最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク! 本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった! 「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」 そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく! 神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ! ◆ガチャ転生×最強×スローライフ! 無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜

サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。 〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。 だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。 〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。 危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。 『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』 いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。 すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。 これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。

『スローライフどこ行った?!』追放された最強凡人は望まぬハーレムに困惑する?!

たらふくごん
ファンタジー
最強の凡人――追放され、転生した蘇我頼人。 新たな世界で、彼は『ライト・ガルデス』として再び生を受ける。 ※※※※※ 1億年の試練。 そして、神をもしのぐ力。 それでも俺の望みは――ただのスローライフだった。 すべての試練を終え、創世神にすら認められた俺。 だが、もはや生きることに飽きていた。 『違う選択肢もあるぞ?』 創世神の言葉に乗り気でなかった俺は、 その“策略”にまんまと引っかかる。 ――『神しか飲めぬ最高級のお茶』。 確かに神は嘘をついていない。 けれど、あの流れは勘違いするだろうがっ!! そして俺は、あまりにも非道な仕打ちの末、 神の娘ティアリーナが治める世界へと“追放転生”させられた。 記憶を失い、『ライト・ガルデス』として迎えた新しい日々。 それは、久しく感じたことのない“安心”と“愛”に満ちていた。 だが――5歳の洗礼の儀式を境に、運命は動き出す。 くどいようだが、俺の望みはスローライフ。 ……のはずだったのに。 呪いのような“女難の相”が炸裂し、 気づけば婚約者たちに囲まれる毎日。 どうしてこうなった!?

セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~

空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。 もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。 【お知らせ】6/22 完結しました!

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~

さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。 キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。 弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。 偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。 二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。 現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。 はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!

処理中です...