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第三部 勇者への道
「雷はいかちい」
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「ざわついてるね」
試験があるらしいことは冒険者たちは皆薄々感じ取っていた。しかしまさか勇者自らが試験内容だとは思っていなかったのだ。
しかも人が多かったため始まるまでは各々少し距離をとって並ばされていた。そのため自然と声は大きくなるのは仕方がなかった。
ロットの隣に立つケイトが答える。パンチとエレナはロットたちとは二人ほど挟んだ先にいる。アベンとか言う男はかなり遠くにいた。
「当然よ。勇者様の試験だなんて考えただけで難しそうだもの」
二人は赤塔の勇者の実力のみ知るが、それ基準で考えるとかなり厳しい内容であるのは予想できた。
それ以上にあの適当そうな性格を考えるとどんな試験になるのか戦々恐々と言ったところだ。もし他の勇者であってもあの赤塔と同列と考えるならば覚悟はしておいたほうが良いだろう。
「じゃあこっからは恨みっこなしだな」
「ニヒヒ。あたしが勇者になったら皆さんパーティーに入れてあげるっすよ」
パンチとエレナもお互いに気合十分といった様子で試験内容の説明を待つ。青の勇者が下がって代わりに前に出てきたのは黄塔の勇者だった。
金髪の長い髪は後ろで束ねられており、動くたびにひょこひょこと動いている。他の勇者に比べると幼く可愛らしい印象を与えるが表情は真剣そのもので、真面目さが伺える。
「どうも、試験官を務めます黄塔の勇者です」
黄塔の勇者が挨拶をすると違った意味でざわついた。
「きれいな人だなぁ」
「鼻の下を伸ばさないの!」
ロットも他の男性と同じく黄塔の美貌に目をやり叱られた。
「私の試験は単純です。私が合図したあとこのラインを越えてこちらに来てください」
黄塔の勇者の足元を見ると一本の線が数十メートルほど引かれていた。
ラインを超えるだけならば前の方にいる人が有利ではないだろうか、そんな野次も飛ぶが冷静な人は慌てず次の言葉を待つ。
皆次の言葉を待つが黄塔の勇者は言い切ったのか胸を張っているだけだった。
「それだけ?」
ロットが思わず呟いた。
「気を抜いちゃだめよ。何かあるわ」
ケイトがしれっとロットの隣に来た。
始まるまでは密集を避けるように言われていたが、その後はパーティーで固まっては行けないとなっていなかった。
早いものがちならば前の方で並んでいる者が有利なのでそんなはずはないのだが、感が鈍い者たちは少しでも前に行こうとにじり寄ったり、前列にいる者は余裕で振り向き笑ってさえいる。
半分くらいはケイトのように何かがくるのに備えていて、武器を構えるものもいたが、エレナとパンチは自信があるのか面倒なのかロットたちのところへ行くつもりはないようだった。
「では始めてくれ」
いつまでも胸を張っている黄塔の勇者に青塔の勇者が言った。
彼女は言い切って満足していたようで促されてようやく自分の役割を思い出した。
「はっ、すみません、行きます!」
その声に冒険者たちは身構える。ロットとケイトも手を繋ぎ魔力共有を始めた。
「こい!」
「ニヒ」
パンチとエレナもそれなりに構える。耐久力に自信があるパンチも、避けることに自信があるエレナもまずは様子見でいるつもりのようだ。
「雷の神の鉄槌」
そこに黄塔の勇者の魔法が炸裂した。
天から降り注ぐ大量の雷はまさに神が鉄槌を振り下ろしているようだった。そんな人間業とは思えない規模の魔法に冒険者たちは次々と撃たれて倒れていった。
それは一瞬の出来事だった。
一掃するには十分な時間であり、ケイトが魔力妨害で凌ぎきったあとロットと2人で見回すと立っている状態の冒険者はほぼいなかった。
「か、間一髪だったわ」
「雷の、魔法?」
冷や汗を全身にかいたケイトとあまりの出来事にまだ理解が追いつかない。ロットはケイトが防ぐ傍らで幾重もの雷が落ちるのをまじまじと見ていたため魔法をよく見えていた。
でなければこの魔法をくらった者は轟音と共に気絶していたのでなんの魔法だったが知ることもできなかった。
「ええ、けどこの一撃が相当の威力よ。周りを見てみなさい」
「ほとんどみんな倒れてる。エレナやパンチまで」
ケイトがいなければ自分もああやって地面に突っ伏すことになっていただろうと思うとロットは寒気がした。
油断していたとはいえ避けることに関してはかなりの実力があるエレナでさえ直撃を免れなかったのだから避けきったものはいないだろう。
さらには雷の魔法は撃たれた後も痺れを残すらしく、ゴリラードの一撃を生身で受け止めてみせた頑丈なパンチも呻くだけで立ち上がれずにいた。つまり今線を超えていく人々はかなりの実力者であることがわかる。
「合格ですね、おめでとうございます!」
黄塔の勇者のもとへ行き、線を越えると黄塔の勇者は嬉しそうに言った。先ほどえげつない魔法を打ったとは思えない優しい笑顔だった。
線の先にはクリアした冒険者が辛そうな表情をしながら桃塔の勇者に治癒されていた。
試験があるらしいことは冒険者たちは皆薄々感じ取っていた。しかしまさか勇者自らが試験内容だとは思っていなかったのだ。
しかも人が多かったため始まるまでは各々少し距離をとって並ばされていた。そのため自然と声は大きくなるのは仕方がなかった。
ロットの隣に立つケイトが答える。パンチとエレナはロットたちとは二人ほど挟んだ先にいる。アベンとか言う男はかなり遠くにいた。
「当然よ。勇者様の試験だなんて考えただけで難しそうだもの」
二人は赤塔の勇者の実力のみ知るが、それ基準で考えるとかなり厳しい内容であるのは予想できた。
それ以上にあの適当そうな性格を考えるとどんな試験になるのか戦々恐々と言ったところだ。もし他の勇者であってもあの赤塔と同列と考えるならば覚悟はしておいたほうが良いだろう。
「じゃあこっからは恨みっこなしだな」
「ニヒヒ。あたしが勇者になったら皆さんパーティーに入れてあげるっすよ」
パンチとエレナもお互いに気合十分といった様子で試験内容の説明を待つ。青の勇者が下がって代わりに前に出てきたのは黄塔の勇者だった。
金髪の長い髪は後ろで束ねられており、動くたびにひょこひょこと動いている。他の勇者に比べると幼く可愛らしい印象を与えるが表情は真剣そのもので、真面目さが伺える。
「どうも、試験官を務めます黄塔の勇者です」
黄塔の勇者が挨拶をすると違った意味でざわついた。
「きれいな人だなぁ」
「鼻の下を伸ばさないの!」
ロットも他の男性と同じく黄塔の美貌に目をやり叱られた。
「私の試験は単純です。私が合図したあとこのラインを越えてこちらに来てください」
黄塔の勇者の足元を見ると一本の線が数十メートルほど引かれていた。
ラインを超えるだけならば前の方にいる人が有利ではないだろうか、そんな野次も飛ぶが冷静な人は慌てず次の言葉を待つ。
皆次の言葉を待つが黄塔の勇者は言い切ったのか胸を張っているだけだった。
「それだけ?」
ロットが思わず呟いた。
「気を抜いちゃだめよ。何かあるわ」
ケイトがしれっとロットの隣に来た。
始まるまでは密集を避けるように言われていたが、その後はパーティーで固まっては行けないとなっていなかった。
早いものがちならば前の方で並んでいる者が有利なのでそんなはずはないのだが、感が鈍い者たちは少しでも前に行こうとにじり寄ったり、前列にいる者は余裕で振り向き笑ってさえいる。
半分くらいはケイトのように何かがくるのに備えていて、武器を構えるものもいたが、エレナとパンチは自信があるのか面倒なのかロットたちのところへ行くつもりはないようだった。
「では始めてくれ」
いつまでも胸を張っている黄塔の勇者に青塔の勇者が言った。
彼女は言い切って満足していたようで促されてようやく自分の役割を思い出した。
「はっ、すみません、行きます!」
その声に冒険者たちは身構える。ロットとケイトも手を繋ぎ魔力共有を始めた。
「こい!」
「ニヒ」
パンチとエレナもそれなりに構える。耐久力に自信があるパンチも、避けることに自信があるエレナもまずは様子見でいるつもりのようだ。
「雷の神の鉄槌」
そこに黄塔の勇者の魔法が炸裂した。
天から降り注ぐ大量の雷はまさに神が鉄槌を振り下ろしているようだった。そんな人間業とは思えない規模の魔法に冒険者たちは次々と撃たれて倒れていった。
それは一瞬の出来事だった。
一掃するには十分な時間であり、ケイトが魔力妨害で凌ぎきったあとロットと2人で見回すと立っている状態の冒険者はほぼいなかった。
「か、間一髪だったわ」
「雷の、魔法?」
冷や汗を全身にかいたケイトとあまりの出来事にまだ理解が追いつかない。ロットはケイトが防ぐ傍らで幾重もの雷が落ちるのをまじまじと見ていたため魔法をよく見えていた。
でなければこの魔法をくらった者は轟音と共に気絶していたのでなんの魔法だったが知ることもできなかった。
「ええ、けどこの一撃が相当の威力よ。周りを見てみなさい」
「ほとんどみんな倒れてる。エレナやパンチまで」
ケイトがいなければ自分もああやって地面に突っ伏すことになっていただろうと思うとロットは寒気がした。
油断していたとはいえ避けることに関してはかなりの実力があるエレナでさえ直撃を免れなかったのだから避けきったものはいないだろう。
さらには雷の魔法は撃たれた後も痺れを残すらしく、ゴリラードの一撃を生身で受け止めてみせた頑丈なパンチも呻くだけで立ち上がれずにいた。つまり今線を超えていく人々はかなりの実力者であることがわかる。
「合格ですね、おめでとうございます!」
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