【2部まで完結!】使い捨てっ子世にはばかる!?~妹が最強の魔王になるかもしれない~

うろたんけ

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第三部 勇者への道

「ついに頂上へ」

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ロットたちは何度か敵や罠を掻い潜り塔の上部へと来ていた。

「随分登ったわよね」

螺旋状の階段を登りながらケイトが言った。

「うん、敵や罠がたくさん出てきたよね」

5人は特に問題なく順調に上の階へと進んでいる。魔物はアベンとケイトが容赦なく倒していき、クリスとトリィはこの頃には勇者を目指していたことも忘れて幾度も助けてくれているアベンにすっかり懐いていた。

「アベンさんすごいですぅ」

「アベン殿が勇者になったら私たちもパーティーに入れてくれ」

「あー? まあ考えとくよい」

アベンもまんざらではないようで、無愛想にしつつも口角が上がっており、それを隠すように手で隠している。

面白くないのはロットである。モテたい訳では無いがアベンを除いてこの中で唯一まだ勇者を目指している身としては悔しさがあった。

「チェッ、なんだよアベンばっかり」

言えば負け犬のようであるとわかりながらも呟かずにはいられなかった。それを察したケイトが手を握る力を強めて優しく語りかける。

「あなたは私といないと私が戦えないんだから仕方ないじゃない。それに戦闘の腕前もアベンにそこまで負けてないわよ」

「ほんと?」

表情を一転させて喜びを表す。こういうところがまだまだ子供っぽいのだがケイトは黙っておいてやることにした。

「ええ。あなただって魔族と戦った経験があるんだからいい線いってるわ」

一対一の実力はさすがにアベンに敵わないロットだったが、経験を含めてチーム戦では胸を張って強いと言えるほどだとケイトは思っていた。嬉しそうにするロットにアベンがすかさず言った。

「おいロット。お前もオレっちのパーティーに入って5人で魔王討伐目指そうぜい!」

「あら、私も入れてくれてるの?」

まだ結果は出ていないのに勝手に勝った気でいるアベンにロットがムッとして無視したがケイトが代わりに答えた。ちゃっかり入れていたアベンは恥ずかしそうに答える。

「と、当然だ。ケイトのうではぴかいちだぜ!」

初めは強気な性格とその顔に惚れていたアベンだったが今では強力な魔法を操って敵を一網打尽にする様子にさらに興味がわいていた。

照れているのを悟られないよう背中を向けながら言うが耳が赤いのでバレバレだった。

「うふふありがと。でもこれもロットのおかげなの。それに私たちは既に仲間がいるから結構よ。テストは落ちちゃったけどなかなか強いんだから」

ケイトはそんな気持ちを知ってか知らずか、外で待っているはずのエレナとパンチのことも引き合いを出して断った。ロットはその様子に耳を澄ましていたが安堵する。

「ちくしょう。ロット羨ましいな!」

アベンがそう叫び、少しだけ優越感をロットが感じているとようやく螺旋状の階段に終りが見えてきた。

「あぁ、扉ですぅ」

「今度こそ最上階がいいな!」

ロットはかなりの段数を登ったためこれで終われるという安心感を感じながらも扉に手を触れる寸前に悪寒を感じた。はっと顔を上げるとアベンたちも苦い顔をしていて緊張が走った。

どうやらこれが最後の試練に間違いないらしい、そう考えてゆっくりと扉を開いた。

螺旋状の階段を抜けた先は一人の男性が立っていた。執事のようななりをしており口髭と小さな丸メガネが特徴的だった。それがにやりと口角を目一杯上げているのだから不気味である。

「だれ?」

思わずロットが聞くがすぐには答えずこちらを舐め回すように一人ひとり見てきた。

「ようやく来ましたか」

ヒゲを撫でながらそう言うとまた笑う。悪寒の正体は目の前の男で間違いないらしく、笑うたびに嫌な予感が襲ってきた。

「なんだてめえ」

味方ではない、そう判断してアベンは構えた。後ろではクリスたちも怯えつつ反応できるようにしている。

「そんなに怖い顔しないでくれますか。勇者候補の一人ですよ」

「あなた一人でここまで来たの?」

勇者候補という言葉にいささか信じられなかった。そもそも50人の中にこのような人物がいた記憶はケイトには無かった。全員を覚えているわけではないので男が言っていることが正しいかもしれないが警戒を解く理由にはならなかった。

「ええ。他の皆さんは帰っていただきました。後はあなた達だけですよ」

引っかかる言い方だ。脱落していったのならそう言えばいいし、どうやって他の参加者が脱落したことがわかるのだろうか。ロットでさえ警戒をあらわにしている最中、クリスが不用意に近づいていく。

「すごいですぅ、一人でここまで来れるなんて」

「いえいえ、それほどでもありませんでしたよ。もしよろしければせっかくここまで来ましたし握手でもしましょう」

その瞬間男も音もなくクリスの下へ近づき手を差し出した。
 
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