【2部まで完結!】使い捨てっ子世にはばかる!?~妹が最強の魔王になるかもしれない~

うろたんけ

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第三部 勇者への道

「最極魔法は最強よ」

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「でもいい機会だよ、僕達がどのくらい通じるかわかるじゃないか」

「ロット前向きじゃない。じゃあちゃちゃっと倒しちゃいましょう」

魔族との対峙は初めてではないロットとケイトだけは前向きな発言をした。これまでの経験から魔族の恐ろしさを知っており、さらに格上とわかった以上自分の剣技では不足していることを悟っている。

なので一気に倒す作戦にし、ケイトと手をつないだ。はたから見れば滑稽な姿もケイトの内部では勇者にも劣らない爆発的な魔力が共有され始めている。

「私を倒す? あーっひゃっひゃっ。身の程を知らなすぎますねえ。お手々をつないで仲良し小好しですか?」

まだそのことに気がついていない男は額に手を当て大笑いしながら見下している。アベンは目配せをしてクリスとトリィと共に男の隙を見て襲いかかった。

「そいつぁどうかな。まずは俺からだい。鉄烈アイアンカット

「良い攻撃ですが隙だらけです」

素早い動きで横から凪ぐようにふりまわされた爪はいとも簡単にかわされた。がら空きになった脇腹に男の強烈な一撃が襲いかかる。

堅守剣ウォールシールド

そこにトリィが大剣を盾にして割って入った。衝撃で吹き飛ばされものの、男の一撃を防ぐことに成功する。

攻撃のすきを見逃さずに今度はクリスが背後から拳を振るった。

打蛇多弾ダダダダン

多彩な拳の打ち込みは確実に男を捕らえ、一撃入るごとに男の体は宙に浮き、最後の一撃を加えると数メートル後方に吹き飛んだ。

しかし着地の時にふわりと回転して鮮やかに立ち続けた。その姿はダメージが通った様子もなく涼しい顔で3人を見ている。

「守りからの攻撃、連携もなかなかですねぇ。ただ勇者を目指すには弱すぎます」

3人の攻撃はそれぞれ手を抜いたつもりはなかった。それなのにダメージを与えられないという圧倒的な差。

普通は心が折れるというのに男の目の前にいる人間たちはそれでも立ち向かう。

ダメージがほとんどないとはいえ何度も受けるのはうっとおしく、ハエでも払うように反撃をした。軽く振った手からはナイフが飛び出しクリスに向かった。

「させるかよい、鋼鉄裂スーパーアイアンカット

それをアベンが弾き飛ばし、その隙にまたトリィたちが攻撃に転じる。しかし深追いはせず、まるで時間稼ぎをしている印象を与えた。

「なんですか、さっきから。無駄ということが……」

怒気を交えながら男が口を開くが途中で止まった。その視線の先には先ほどまではなかった脅威になりえる魔力の高まりがあった。

男は先程までとは違い焦りを見せてケイトに向かって無数のナイフを飛ばす。

「はぁぁぁぁあ!!!」

トリィの大剣で振り払われ、男は再度同じ行動をした。
「鋼鉄裂!」

今度はアベンの一撃で無効化される。その間にも魔力は膨らんでいる。余裕からか一歩も動いていなかった男だったがたまらず駆けだした。

「打蛇多弾」

「くっ、小賢しい!」

クリスまでもが足止めを果たしついにケイトは準備が整う。

「今更気がついたって遅いよ!」

ロットが勝ち誇ったかのようにそう言った。実際男の距離からではケイトに攻撃を食らわすのはもう間に合わない。

そう判断して踵を返して逃げ出そうとするが、ケイトは自身が持つ最大の威力、つまり最極魔法を放つつもりなので逃げ出すことも不可能に近かった。

「これが私たちの必勝パターンよ。最極魔法風の王者ハリケーン!」

放たれた魔法は凄まじい暴風となり男へ向かう。瞬きをするまもなく男は風に包まれて無数の風に刻まれていく。

「ぐ。ぬぁぁぁああ」

悲鳴をあげながらも抗おうと体を右往左往振り回して男は必死に耐えている。しかし威力は増すばかりでやがて勢いのありすぎる風に視界が潰されてロットたちもなにもみえなくなった。

「す、すげえ威力だな」

「すごいですぅ」

「黄塔の勇者様に引けを取らない魔法だな」

その様子に勝ちを確信したアベン達は嵐が止むのを大人しく待った。

「ほんとに、これだけの魔力を使ってまだまだ余裕があるんだからやんなっちゃうわ」

「へへ、でもケイトこそ最極魔法を使いこなせるようになってきたね」

ロットとケイトも互いをたたえて風がやむのを待った。
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