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第三部 勇者への道
「本物の最極魔法?」
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悲鳴はすぐに聞こえなくなり、ロットとケイトも少しばかり気の緩みが出ていた。それほどケイトの魔法には自信があった。
しかしそれらは風の魔法が終わるとともに現れた男の余裕に間違いであったと気が付かされた。
「最極魔法ですって?ふははははははは。笑わせないでくれますか。最極魔法がこの程度の魔法であるはずないではありませんか。あなたの魔法は極級に毛が生えた程度ですよ」
ところどころ傷がありつつも男の戦意は衰えておらず、それどころかやる気に満ちていた。
「生きてる」
自信のあった一撃だからこそ目の前の結果に愕然とした。トリィの持つ大剣が力なく地面へと降ろされる。
「さっきのが最極魔法じゃないってどういうことだ!」
ロットが叫んだ。
「あなたたちはそれを最極と思い込んでいるようですが、本物の最極魔法を見たことある私にとってその威力は比じゃないんですよ。仮に先程の魔法が最極魔法だった場合、さすがの私も跡形もなくやられていたでしょうからね。つまり身を持って証明したというわけです」
あれだけの威力をもってしても最極魔法ではない。その事実にロットでさえも自信が揺らぎ始める。ケイトだけはそれを受け入れていた。
睨みをきかす眼光は鋭く、まだ勝つつもりでいることがわかる。
「私に何が足りたいの?」
男はケイトが希望を捨てていないことを愉快に思い拍手を送る。乾いた音が空間で唯一響いており、反論したいが実力差を目の当たりにしてロットたちは動けずにいた。
「どうせあなたがた人間に最極魔法なんて使えないでしょうから教えてあげましょう。簡単な話です。今の威力を十倍に濃縮すればいいんですよ。例えば指一本一本で極魔法を放ち、それを一つにまとめる感じですね。どれ、3本で見本を見せてあげましょう」
指を3本立ててそう言った。事実なら極魔法3発分がまとめて放たれることになる。その威力を想像するだけでもロットたちは足が震える思いだった。
「みんな下がって!」
ケイトの背に皆が下がる。ロットは触れながら背後に隠れることもできたがそれをせずにしっかりと手を握りしめながら横に立った。その姿に少し笑みをこぼしたケイトは繋いでいない手を突き出して覚悟を決めた。
「ふふふ、下がったところでこの魔法のあとに生きていますかねぇ? 大氷波」
男から放たれた氷の刃は幾重にも重なりトゲの山となり襲いかかった。地面を進むように次々と生えてはケイトたちを襲った。
「魔力、妨害!」
ケイトは手に全神経を集中させて迎え撃つ。魔力と魔法がぶつかり合うバチバチという音が激しくなっていく。氷の刃は打ち消された時の衝撃で霧のように舞い散り白い煙にケイトたちは包まれる。
しかし霧が晴れると多少傷つきながらも全員が欠けることなく立っていた。
「おやおや、まさか本当に全員生き残るとは」
これには驚きを隠せない男は初めて目を見開いた。
「ケイト大丈夫?」
もし万が一の時は自分の体を投げ出してケイトを守るつもりでいたロットが顔を覗き込む。肩で息をつき額に汗をにじませつつも口元は綻んでいた。
「え、ええ。でもさっきのも最極魔法じゃないのね。本当にすごいわ」
誰が見てもピンチの状況において唯一ケイトは胸の高鳴りが抑えられずにいる。その様子に仲間のクリスやトリィは底しれぬ恐ろしさを感じた。
そしてそれは敵である男にも伝わり無意識に一歩後ずさっていた。
そのことに気がつく前にケイトの異変をとらえた。
「なるほど、あの魔力の流れで魔法を込めて圧縮するのか。いいわ、指、一本ずつ、二本で……風刃波!」
見た目には極魔法ハリケーンに似ているがその風刃の密度が違っていた。まさしく圧縮にふさわしい威力の暴風は男へと襲いかかる。
「なっ、大氷波!」
咄嗟に男は先ほどの魔法を再度放った。そう連発できる魔法ではないため不必要な威力を放ってしまったと反省したがそれが杞憂であったことを知る。
「相殺!?」
ケイトは2本分の極魔法を放ったように言っていたが、男の魔法は3本分。その時点で魔法の質が違うことがわかるが、先程まで極魔法を最極魔法と勘違いしていたような女に自信の魔法が打ち負けたなどとは到底信じられなかった。
そしてケイトは何かを得たのか溢れんばかりの魔力をロットから受け取りつつ、みるみる魔力を練り上げていた。
しかしそれらは風の魔法が終わるとともに現れた男の余裕に間違いであったと気が付かされた。
「最極魔法ですって?ふははははははは。笑わせないでくれますか。最極魔法がこの程度の魔法であるはずないではありませんか。あなたの魔法は極級に毛が生えた程度ですよ」
ところどころ傷がありつつも男の戦意は衰えておらず、それどころかやる気に満ちていた。
「生きてる」
自信のあった一撃だからこそ目の前の結果に愕然とした。トリィの持つ大剣が力なく地面へと降ろされる。
「さっきのが最極魔法じゃないってどういうことだ!」
ロットが叫んだ。
「あなたたちはそれを最極と思い込んでいるようですが、本物の最極魔法を見たことある私にとってその威力は比じゃないんですよ。仮に先程の魔法が最極魔法だった場合、さすがの私も跡形もなくやられていたでしょうからね。つまり身を持って証明したというわけです」
あれだけの威力をもってしても最極魔法ではない。その事実にロットでさえも自信が揺らぎ始める。ケイトだけはそれを受け入れていた。
睨みをきかす眼光は鋭く、まだ勝つつもりでいることがわかる。
「私に何が足りたいの?」
男はケイトが希望を捨てていないことを愉快に思い拍手を送る。乾いた音が空間で唯一響いており、反論したいが実力差を目の当たりにしてロットたちは動けずにいた。
「どうせあなたがた人間に最極魔法なんて使えないでしょうから教えてあげましょう。簡単な話です。今の威力を十倍に濃縮すればいいんですよ。例えば指一本一本で極魔法を放ち、それを一つにまとめる感じですね。どれ、3本で見本を見せてあげましょう」
指を3本立ててそう言った。事実なら極魔法3発分がまとめて放たれることになる。その威力を想像するだけでもロットたちは足が震える思いだった。
「みんな下がって!」
ケイトの背に皆が下がる。ロットは触れながら背後に隠れることもできたがそれをせずにしっかりと手を握りしめながら横に立った。その姿に少し笑みをこぼしたケイトは繋いでいない手を突き出して覚悟を決めた。
「ふふふ、下がったところでこの魔法のあとに生きていますかねぇ? 大氷波」
男から放たれた氷の刃は幾重にも重なりトゲの山となり襲いかかった。地面を進むように次々と生えてはケイトたちを襲った。
「魔力、妨害!」
ケイトは手に全神経を集中させて迎え撃つ。魔力と魔法がぶつかり合うバチバチという音が激しくなっていく。氷の刃は打ち消された時の衝撃で霧のように舞い散り白い煙にケイトたちは包まれる。
しかし霧が晴れると多少傷つきながらも全員が欠けることなく立っていた。
「おやおや、まさか本当に全員生き残るとは」
これには驚きを隠せない男は初めて目を見開いた。
「ケイト大丈夫?」
もし万が一の時は自分の体を投げ出してケイトを守るつもりでいたロットが顔を覗き込む。肩で息をつき額に汗をにじませつつも口元は綻んでいた。
「え、ええ。でもさっきのも最極魔法じゃないのね。本当にすごいわ」
誰が見てもピンチの状況において唯一ケイトは胸の高鳴りが抑えられずにいる。その様子に仲間のクリスやトリィは底しれぬ恐ろしさを感じた。
そしてそれは敵である男にも伝わり無意識に一歩後ずさっていた。
そのことに気がつく前にケイトの異変をとらえた。
「なるほど、あの魔力の流れで魔法を込めて圧縮するのか。いいわ、指、一本ずつ、二本で……風刃波!」
見た目には極魔法ハリケーンに似ているがその風刃の密度が違っていた。まさしく圧縮にふさわしい威力の暴風は男へと襲いかかる。
「なっ、大氷波!」
咄嗟に男は先ほどの魔法を再度放った。そう連発できる魔法ではないため不必要な威力を放ってしまったと反省したがそれが杞憂であったことを知る。
「相殺!?」
ケイトは2本分の極魔法を放ったように言っていたが、男の魔法は3本分。その時点で魔法の質が違うことがわかるが、先程まで極魔法を最極魔法と勘違いしていたような女に自信の魔法が打ち負けたなどとは到底信じられなかった。
そしてケイトは何かを得たのか溢れんばかりの魔力をロットから受け取りつつ、みるみる魔力を練り上げていた。
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