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優花のニガテ
しおりを挟む結真が二階に上がった後、トモヤと泉さん、お風呂から上がった結衣、そして僕を見つけた優花さんが暖炉の前に集まった。
犬猿の二人は僕を間に挟んで臨戦態勢である。
雪山なのにこの暑さは間違いなく暖炉のせいではない。
トモヤが何気なく、「そういえばさ、このペンションってアレに似てない?」
「アレって何だよ?」僕が問い返す。
「ほら昔、○○○○○の夜ってゲームがあっただろ?小説が原作の。」
「ああ、あの、スキー場のペンションに殺人犯が逃げこんで一人づつ殺していく…」
「ビクン」優花さんの身体が突然硬直する。
「い、い、イヤやわ~。そんなことホンマに
ある訳ないやないの~。小説やゲームの話なんてウチは信じまへんで~。」
その時、玄関のドアが開いて、雪と風と一緒に入ってくる男性の陰が見えた。
「ひえええ~。」優花さんが僕に抱きつく。
よく見るとここのペンションのオーナーが、
「すみません、ちょっと外の倉庫へ用があって…
風を入れてしまって…寒かったでしょう。」
僕は「いえ、大丈夫です。」と会釈し、僕の腕にしがみついた優花さんを見ると優花さんの身体は少し震えている。
結衣は少しからかうような口調で、「へぇ~オバさんにも苦手なものがあったんだ。実は私、霊感が強くて小さな頃、近くのトンネルで…」
優花さんは結衣を睨んで、
「こ…こら、ガキンチョ。何を言いだすのや、い、泉さん、そろそろ二階上がりましょ。ウチ、何や眠とうなってきよりましたわ。」
そう言って優花さんは泉さんの手を引いて二階へ上がってしまった。
結衣は「へっへーん。ざまあ見なさい。いつものお礼だよ。」
「結衣、ダメだよ。誰でも苦手なものがあるからね。」
すると結衣はバツの悪そうな表情で
「はーい。もう言わないよー。」
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