奥さまは魔王女

奏 隼人

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あなたのように

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「おーい!!大丈夫か…⁉︎」


駆けつけてくださったお義父さんとソーディア王の強大な魔法力でエメラルダの森の捜索に関わった人達を全てジュエラ王宮へと一気に運ぶ事が出来た。


「婿殿よ…聞けばこの度の事は全てムラサメくんが姉を思い遣ってした事なのだ。だから許してやって欲しい…」


「…は、はい。」



「プラティナ王女の婿殿…お初にお目にかかる…
ソーディア国王のマサムネじゃ。」

「こ、国王様…」

…僕は一瞬たじろいだが…
よく考えれば、僕の妻はジュエラの国王職…

義父と義母は元国王様と王妃様…

そして娘と息子はジュエラ王国の姫と王子である…

ん…まてよ…

ムラサメって…ソーディアの王子だよな…
な…殴っちゃった…⁉︎

ひええ…



「婿殿よ……!!」


「は、はい…!!」



「この度は息子が仕出かしてしまった事について誠に申し訳無かった。国を治める長として貴殿にもジュエラにもお詫びを申し上げる…本当に済まなかった…」

「いえ…そんな…僕は…」

国のトップ…首相か大統領クラスの超VIPなお二人から謝まられたらもうどうする事も出来ない。

心の中でホッとしながらも只々恐縮するばかりであった。



ティナは僕を見つけて駆け寄って来て皆の前で人目をはばからずにハグして…口づけてきた…

「ダーリン!!ダーリン!!」

ティナの豊満な胸で抱きしめられた僕…

「キュウッ!!い、息が…苦しい!」

「あっ!ゴメンなさい…」

その時、「グウ…」二人とも同時にお腹が鳴った…僕達は顔を見合わせて笑い合う。


「そういえばお昼を食べそこなっちゃったね…」

僕は腕の時計を見る…しかしまだそんなに時間は経っていなかった…


「あれ…おかしいな…⁉︎まだこんな時間だ…」



「本当ね…もう随分経っていたような気がしたけれど…」


ティナも自分の時間の感覚がズレていたことに少々驚いた…



その時…ふと彼女は優也の手から放たれた優しい光を思いだした…

「まさか…ね…」




「皆の者…ご苦労であった!!

遠慮無く召し上がってくれ給え…!!」


ジュエラ王宮では捜索に関わった人達全てに昼食が振る舞われた…








貴賓室のベッドで休んでいるナギの側でムラサメはすっかり顔色の良くなったナギの顔を見つめている…


…姉ちゃん…



しばらくしてナギはゆっくりと目を覚ました…

彼女は天井を眺めて…一度大きく深呼吸をした。

その時…


「お加減はいかがでしょうか…?」

僕とティナはナギを見舞おうと貴賓室のドアをゆっくりと開ける…

「優也さん…ティナ…」

ムラサメがその場で立ち上がって口を開いた…

「兄ちゃん…ワイはずっと人間なんて魔法の一つも使えへん、弱い…しょーもない種族やって思うとった。でも姉ちゃんを助ける事が出来たのは結局、あんたが持ってる優しい心の力やった… 

そやけどな、ワイが間違ってるとは思ってへん。ずっと信じてきた己の武力をこれからも信じて行くで…!!

あんたとは違う方法でワイはソーディアを大きくするつもりや!!これからもよろしゅうな!!…

あ、それとな、ワイは兄ちゃんのこと諦めた訳やあらへんで。絶対、姉ちゃんの旦那になってもろて…ワイと一緒にソーディアを大きくしてもらうつもりやから…そのつもりでな!!

ほな、ワイは一足先にかえりますわ!!
さいなら~!!」


優也の反論の余地なくムラサメはソーディアに帰って行った。


ナギはゆっくりと口を開いた…

「優也さん…」

「ナギさん…」

「ワルキューレの花の話…覚えててくれたんですね!」

「ええ、あっ!!でも花言葉までは…」

「…ワルキューレの花言葉は二つあります…白い花は乙女の想い…そして赤い花は…乙女の決意。私…それを勘違いしたんですね…


貴方の優しさが欲しくて、私、あなたを何としても手に入れたかった…

ムラサメがあんな事をしなくても、きっと私も同じような事をしてたと思います。

でも…本当に決意しなくてはいけなかったのは…

優しいあなたを手に入れる事では無くて…
私自身が優しい心の持ち主になる事だったのです。

獰猛な獣に力じゃなく、心で理解してもらうなんて…きっと何倍も難しい…

けれど、私はあなたのようになりたい…

そうして王族として国民の信頼を得て行くつもりです。

いつになるかは分かりませんが、もし…それが出来た時は…少しだけ私の事を…その…ほ、褒めてもらえますか…?」

「勿論!!…喜んで!!」

優也は笑顔で答えた。

ティナも二人と一緒に心から笑った。





その夜、ティナがベッドの中で僕に口づける…


「ねえ…ダーリン!!

私、またダーリンのこと好きになっちゃった!!

もしも…仕事中に会いたくなったらどうしたら良いんだろう…⁉︎」


「ティナ…僕はいつも君と一緒にいるよ…」


「そうだね…分かってるんだけど…

私、少しでもあなたがいないと自分がダメになっちゃうから…」

「…ティナ…」

ティナの可愛い表情に僕はもう一度彼女を抱きしめて口づけた…
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