奥さまは魔王女

奏 隼人

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思い通りになんてならない

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そして次の日…約束の夜となった…

アイは従者を連れて神社の鏡の間にやって来た…

しかし…そこに見張りの兵士の姿はなく、兜や鎧を脱ぎ捨てて逃げたような痕だけが残っていた…

「まさか…」

鏡の間に入ったアイは鏡の位置が変わっている事に気づいた…

「やられたわね…彼等が未来眼を欺けるとしたら…とてつもない強力なエネルギーの結界…

そう…ソーディアに助けを求めて…」



「愛ちゃん…」「アイさん…」

そこに優也とティナ…

ゴルドやマサムネ達…みんながこの騒動の行方を見守ろうとその場に瞬間移動してきた…


「何を…しに来たのかしら…だってもう貴方達には私に用はないでしょ?それとも優也くんが私の子供を作ってくれる気になったのかしら…」

アイはニヤリと笑った…


「違う!君がこんな事をするのには必ず訳がある筈だ…君はそんな人間じゃない!」


「あら…私は元々人間じゃないわよ…

人間界で巫女の修業をしてただけだから…

それに貴方とお付き合いしたのも分かっていたからなのよ…自分の運命を…」

「運命…?」

「そう…もう私の父…ミラール国王は重い病気でそう長くない…母親も同じように高齢…次は私が王となって国を動かす…その為には力が必要なの。

今は三国共に同盟関係にありこの世界も平和だわ。

しかし予定調和なんていつまで続くのか分からない。その時は誰が助けてくれるの?私が未来眼で予知したものの対策を考えて粛々とそれを行うだけ…

私はね、愛とか信頼とかはどうでもいいの。力が欲しいだけ。これから国と自分自身を守る力が…」

「じゃあ、これからも君は未来眼で運命を見つめ続けて思い通りに操ると言う訳か…」

「思い通りになんてならないわ…実際、貴方達に計画を台無しにされたじゃない…

でもね…私は諦めてないわ…」

彼女はそう言って僕の元に駆け寄ると背伸びをして、僕の首に手を回して口唇を重ねてきた…

「なっ…」

ティナはアイの行動に驚いた。

「ちょっと!!あなた…ダーリンに何て事するのよ!!」

「あら…私達付き合ってたのよ…もっと激しいことだってしたことあるわ…貴女よりも先にね…ウフフッ…」




「…高校生の時、確かに僕は君が大好きだった…

しかし、君から付き合おうと言ったのに、君はいつも遠くを見つめてた…一緒にいても遠くにいるようだった…

でも未来には必ず僕達は一緒になれると信じて…あのとき、僕は未来のお嫁さんが君だと信じてタイムカプセルを埋めたんだ。

それは間違っていたかも知れない…けど、あの時、君を愛していたことには変わりが無いよ…

君が未来眼で見る世界は誰かの行動によって変わってしまうんだろう?」

「そうね…貴方達が変えてしまったようにね…でも私は軌道修正をするわ!

さあ…私の所へいらっしゃい。そして私を抱いて…
その後はジュエラに帰ってティナさんと仲良くやればいいじゃない…」

「…それで君は幸せなのか?」

「…えっ?」

「僕とティナは誰かに言われて結婚したわけではない…お互いに惹かれ合い、お互いを必要としたから結婚した…大切な子供達も生まれた…

これは僕達が知り得なかった未来を自分達で作りあげたからこそ幸せで大切な現在いまがあるんだ!!

覗いただけの未来に手を加えた未来なんて…そんなの本当の未来じゃないよ!!」

「う…うるさい。私をを否定するなんてそんなの許さない!!」

そう言うとアイは両手から紫色の渦を巻き起こして、やがて渦は光の玉となり…その光の玉は巨大なキツネと姿を変えた…

「ただのキツネじゃないわよ…」キツネは超スピードで暴れながら周りの木々や神社の建造物を壊して僕等に向かって来た…

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