奥さまは魔王女

奏 隼人

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いつだってあなたは

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「ダーリン!!ダーーリーン!!

もう…!!手を怪我したままで何処へ…⁉︎」

早く手当てをしないと……

ああ……心配だわ……!!」






その頃……


戴冠式を終えた僕はマサムネさんの計らいでソーディア王宮の浴場にて汗を流して帰る事にしたのだった。


「ああ…今日は色々あって疲れたなぁ…

でも…折角のご厚意だし、お風呂に入ってリラックスしてから帰るか!!」







カコーーーン!!
ザッパーーン!!

湯けむりの中…肩から掛け湯を浴びる優也…


「ふうっ!!」

「優也…お主…あの娘…いや、一国の首長に
娘は失礼だな…ナギとも婚姻関係を持ったらどうだ?皆、喜ぶぞ…」

ヴァルプルギスは優也の側に実体化して現れた…

「な…ヴァルまで何を言い出すんだよ…僕はやっぱり人間だから人間界の常識として自分の奥さんしか女性としては見れないよ…」

「本当にお主はこの世界の英雄のような男なのにそれらしくないのう…

ある時代の国王なんかはそれこそ、取っ替え引っ替え…」

「そ、そんな事…僕はティナと子供達がいればそれで良いよ…」

「やれやれ…しばらくはあの乳がデカい嫁に国王をやってもらったほうが良さそうじゃ…

ま、それが優也の良い所でもあるからのう…」









「おや…あれは…⁉︎」


数分前…旅の用意が出来たムラサメは優也が王宮の浴場に入って行くのを偶然見かけた…

「そういや、姉ちゃんも…さっき着替えてお風呂に行くって言うとったな…最後にワイが二人のキューピッドになったろうやないか!」

ムラサメはパチンと指をならすと…男湯と女湯の看板が入れ替わった…

「じゃあな…姉ちゃん…兄ちゃんと裸の付き合いでもっと仲良うなってや!!アディオス!!」

こうして修業の旅に出たムラサメは最後にとんでもないトラブルの種を蒔いたのだった…







…優也は先刻、怪我をした左手を綺麗な清水で冷やしていた…

「痛てて…」

「全く…無茶をしおって…わらわもお主も魔法が使えると言っても生身の体じゃ…刃物を素手で受ける馬鹿がどこに居るのじゃ…

あの時からずっとわらわが治癒魔法をかけておるが、エクス程…治癒魔法には長けておらぬ故…」



ガラガラガラガラ…


僕がヴァルと話していると浴場の引き戸が開いた…


…あれ⁉︎誰か入ってきたのかな…

僕は引き戸の方を向いて目が合ったのは……

ナ、ナ、ナニイ!!

そこには一糸纏わぬ姿のナギさんがこちらを見て驚いている…



「優也…さん…ええっ?ここ女湯じゃ?」

「えっ?僕が入る時には確かに男湯だと…」

「ううん…やっぱりそんな事どうでもいいです…嬉しい…」

「えっ?」


「あっ…大丈夫ですか…⁉︎」

ナギさんは僕が左手を清水で冷やしているのを見て身体にバスタオルを巻いて僕に駆け寄って来た…


「私を守る為に…ゴメンなさい…」

そう呟いて僕の左手を両手で包んだ。

僕とナギさんの重なり合った手は緑色の優しい光に包まれた…するとズキズキと脈打っていた左手の痛みが段々とひいてきた…

「ありがとう…ナギさん…凄く楽になったよ…」

ナギさんは僕の顔を見てニコッと笑った。

「もう少しこのままで…」

彼女は髪を掻き上げて耳にかける仕草をした…


細くて美しい指をすり抜けた…

しなやかな金の糸のような毛束がキラキラと光って彼女をより神々しく感じさせる。



ティナに負けず劣らずの超美人のバスタオル一枚だけの姿と爽やかな花のような香りが僕の心臓の鼓動の速度を一気に上げる…

「優也さん…」

「は、はい…」

「…勝手にソーディアの騎士に任命なんてしちゃってゴメンなさい…」

「え?…なあんだ…そんな…
でも、本当に僕には荷が重すぎるかな?」

「そんな事無いです…そんな事…」

「ナギさん…」


「ソーディアに昔から伝わる私の大好きな戯曲に森で迷っている姫を精悍な青年が馬で迎えに来てくれるシーンがあって…


初めて人間界へ行った時、道に迷ってしまって…優也さんが鉄の馬車で私をお家へ連れて帰ってくれた時、ああ…この人が私の騎士様なんだって勝手に思ってしまったんです。


ティナの旦那様だって聞いて私も忘れようと頑張ったんですよ…でも…いつだってあなたは私を救ってくれた…今回も全世界を敵に回しても私を守るだなんて…」


「いや…あれは…その…」

「私…もう、決めたんです…」

「な、何を…?」


「私…やっぱり優也さんの事が好きです!!

どうしても…ティナの旦那様でも…こんなに強くて笑顔が優しい人を諦めることなんて出来ない!!

でも…ティナと離婚してなんて言いません…私が勝手に好きでも良いですよね…

そしていつものように私の側にいて…私を守ってください…私の騎士様…ナギはずっとあなたの事をお慕い申し上げております…」

「ナギさん…」


彼女は僕の胸に飛び込んで来た…

お互い、タオル一枚でほぼ裸のまま僕達は抱き合っていた…

タオル越しにナギさんの肌の柔らかな感触と心臓のトクントクンという鼓動が伝わって来た…






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