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信じられる本当の親友
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──インターハイ当日
俺と裕翔は、駿の有終の美を見届けるために、試合が行われる体育館へと足を運んでいた。
体育館には、他校の生徒や応援に来た生徒でごった返していたけれど、俺たちはユニフォーム姿の駿を見つけ、試合前最後のエールを力強く駿へと送り届けたんだ。
バスケのユニフォームとか懐かしいなぁ…
俺は水色のユニフォームだったっけな…?
そんなことはさて置きだ、今日の試合は午前と午後にある予定だ。
午前で負けてしまえばそこで終わり…
逆に勝てば夕方の試合に臨むことが出来る。
駿…プレッシャーに負けんなよ…?
お前なら…お前なら大丈夫だからな?
午前中の試合、スタンド席で出番を待つ俺たちの前に、駿が率いるバスケ部のスタメンがコートへ入ってきた。
そして、俺と裕翔も駿を肉眼でしっかりと確認出来る位置だ。
裕翔の黒縁眼鏡をしているから少しだけボヤけていたけど大丈夫…!
お前の姿、ちゃんとこの目に映ってるぞ!
楽しめ…とにかく笑顔で楽しめ!
駿たちは他校の生徒と挨拶を交わし、緊張した空気感が俺たちのスタンド席にも、ひしひしと伝わってくる…
そして…
ピーーーーーッ!!
試合開始のホイッスルが体育館全体を響かせたんだ。
試合はボールのドンドンっと響くドリブルの音と、駿や他の生徒のバッシュから漏れるキュッキュッとした音で彩られていき、そこから駿は何度も何度もスリーポイントを決めては、いつも以上の笑顔で周りを鼓舞していく。
駿の描くちょっと低めの放物線は、俺も見惚れてしまう程だ。
正に芸術的で、とにかく綺麗なシュートだったんだ。
小休憩のインターバルでも駿は変わらず、みんなに笑顔を振りまく姿が見て取れたんだ。
そうだ、駿…それでいいんだよ?
お前が楽しいなら、みんなも楽しいはずだ。
そして、試合再開の前…駿は右腕に付けた【親友の証】と【願いの込められたミサンガ】を見つめ、コートに戻っていった。
ハーフタイムでは、俺たちに向かって右手を力強く突き出し、まるで『残りも頑張るぜ!』って言っているかのように俺たちは感じ、俺も裕翔もそれに応えるかのように、スタンド席から右手を二人で突き出してあげたんだ。
そして、午前の試合もあっという間に終わりを迎え、結果は駿たちの完勝!
俺も裕翔も嬉しさのあまり、二人でハイタッチをして喜びを分かち合ったんだ。
お昼ご飯の時は、バスケ部のみんなと一緒に食べればいいのに、わざわざ俺たちの元へと足を運んでくれて、いつものように笑いながら駿は身体を休めていた。
「駿、お前の放物線は、いつ見ても綺麗だな」
「ははっ!サンキュっ!でもよ、大和のスリーポイントだって見事じゃねぇかっ!くぅっ!!お前がいたら、俺ら無敵だったかも知んねぇな!!」
「ふふっ!最強コンビだったかもなっ?」
またバスケが楽しいと裕翔と駿が思わせてくれたから、こんな会話も出来るわけなんだ。
残りも頼んだぞ…頑張れ、駿!!
──そして、夕方の第二回戦
午前と変わらず、ホイッスルの音が体育館に鳴り響き、試合が始まる。
ドリブルの音とバッシュの音は響くけれど、相手チームの鋭いガードに、駿のスリーポイントがなかなか決まらない…
その度に俺も悔しくて手で握り拳を作り、力が入ってしまった。
そして、みるみるうちに相手との点数が引き離されていく…そう、対戦相手は全国大会にも出場していた強豪校だったんだ。
それでも、駿は笑顔を忘れない…
味方がゴールを決めれば満面の笑みを零し、そして自分もなんとかスリーポイントを決められたら、満開の笑みで仲間と喜びを分かち合う…
お前…やっぱり凄いやつだよ…
頑張れ…最後までその思い、貫け!!
『とにかく最後の試合を笑顔で楽しめ…』
『どんな結果であれ、お前は笑顔を忘れるな』
あの時、俺が駿に飛ばした活を心にしっかりと受け取り、それを実現しようと駿は最後の最後まで笑顔を貫き通したんだ。
俺と裕翔は、駿の有終の美を見届けるために、試合が行われる体育館へと足を運んでいた。
体育館には、他校の生徒や応援に来た生徒でごった返していたけれど、俺たちはユニフォーム姿の駿を見つけ、試合前最後のエールを力強く駿へと送り届けたんだ。
バスケのユニフォームとか懐かしいなぁ…
俺は水色のユニフォームだったっけな…?
そんなことはさて置きだ、今日の試合は午前と午後にある予定だ。
午前で負けてしまえばそこで終わり…
逆に勝てば夕方の試合に臨むことが出来る。
駿…プレッシャーに負けんなよ…?
お前なら…お前なら大丈夫だからな?
午前中の試合、スタンド席で出番を待つ俺たちの前に、駿が率いるバスケ部のスタメンがコートへ入ってきた。
そして、俺と裕翔も駿を肉眼でしっかりと確認出来る位置だ。
裕翔の黒縁眼鏡をしているから少しだけボヤけていたけど大丈夫…!
お前の姿、ちゃんとこの目に映ってるぞ!
楽しめ…とにかく笑顔で楽しめ!
駿たちは他校の生徒と挨拶を交わし、緊張した空気感が俺たちのスタンド席にも、ひしひしと伝わってくる…
そして…
ピーーーーーッ!!
試合開始のホイッスルが体育館全体を響かせたんだ。
試合はボールのドンドンっと響くドリブルの音と、駿や他の生徒のバッシュから漏れるキュッキュッとした音で彩られていき、そこから駿は何度も何度もスリーポイントを決めては、いつも以上の笑顔で周りを鼓舞していく。
駿の描くちょっと低めの放物線は、俺も見惚れてしまう程だ。
正に芸術的で、とにかく綺麗なシュートだったんだ。
小休憩のインターバルでも駿は変わらず、みんなに笑顔を振りまく姿が見て取れたんだ。
そうだ、駿…それでいいんだよ?
お前が楽しいなら、みんなも楽しいはずだ。
そして、試合再開の前…駿は右腕に付けた【親友の証】と【願いの込められたミサンガ】を見つめ、コートに戻っていった。
ハーフタイムでは、俺たちに向かって右手を力強く突き出し、まるで『残りも頑張るぜ!』って言っているかのように俺たちは感じ、俺も裕翔もそれに応えるかのように、スタンド席から右手を二人で突き出してあげたんだ。
そして、午前の試合もあっという間に終わりを迎え、結果は駿たちの完勝!
俺も裕翔も嬉しさのあまり、二人でハイタッチをして喜びを分かち合ったんだ。
お昼ご飯の時は、バスケ部のみんなと一緒に食べればいいのに、わざわざ俺たちの元へと足を運んでくれて、いつものように笑いながら駿は身体を休めていた。
「駿、お前の放物線は、いつ見ても綺麗だな」
「ははっ!サンキュっ!でもよ、大和のスリーポイントだって見事じゃねぇかっ!くぅっ!!お前がいたら、俺ら無敵だったかも知んねぇな!!」
「ふふっ!最強コンビだったかもなっ?」
またバスケが楽しいと裕翔と駿が思わせてくれたから、こんな会話も出来るわけなんだ。
残りも頼んだぞ…頑張れ、駿!!
──そして、夕方の第二回戦
午前と変わらず、ホイッスルの音が体育館に鳴り響き、試合が始まる。
ドリブルの音とバッシュの音は響くけれど、相手チームの鋭いガードに、駿のスリーポイントがなかなか決まらない…
その度に俺も悔しくて手で握り拳を作り、力が入ってしまった。
そして、みるみるうちに相手との点数が引き離されていく…そう、対戦相手は全国大会にも出場していた強豪校だったんだ。
それでも、駿は笑顔を忘れない…
味方がゴールを決めれば満面の笑みを零し、そして自分もなんとかスリーポイントを決められたら、満開の笑みで仲間と喜びを分かち合う…
お前…やっぱり凄いやつだよ…
頑張れ…最後までその思い、貫け!!
『とにかく最後の試合を笑顔で楽しめ…』
『どんな結果であれ、お前は笑顔を忘れるな』
あの時、俺が駿に飛ばした活を心にしっかりと受け取り、それを実現しようと駿は最後の最後まで笑顔を貫き通したんだ。
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