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隠し事への葛藤、神様のいたずら
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──気付けば外も暗くなり、クリスマスツリーもライトアップされ、より一層綺麗な輝きを放っていた。
俺たちも帰る前に、二人で見に行こうと決めていて、クリスマスツリーの綺麗な輝きを二人で目に焼き付けていたんだ。
「ほんっと、綺麗だねっ…」
「ああ、すごく綺麗だ…」
クリスマスツリーの前で綺麗な輝きに見惚れている裕翔。
いよいよタイミングが来たようだ…
俺は、少し手が震えながらも自分の首からマフラーを解き、そのまま裕翔の首へと俺のマフラーを優しく巻いてやったんだ。
「や、大和…?」
「…お前さ、俺の匂い…好きだろ?」
裕翔がΩだと知っているとは言えない。
その代わりにダイレクトに俺の気持ちを伝えることにした。
裕翔が話したくなった時に、俺たちの嘘を伝え合えればいい…今はお互いの本当の気持ちを伝え合いたい…俺は、そう心から願ったんだ。
そして、巣作りはαの匂いを集める他に、大好きな人の匂いを集めてしまう事も習性の一つ。
裕翔が俺のことが大好きなんだと教えてくれた日に確信したんだ。
泊まりに行く度にタオルケットが変わっていたのは、俺の匂いを集めるためだったと…
なら…俺の匂いが染み込んだこのマフラーを裕翔にプレゼントしてあげたい。
いつも身に付けられるもので、離れていてもこのマフラーを俺の化身だと思って欲しい。
まぁ…マフラーを選んだ理由は他にもあったんだけどさ…?
俺の言葉に裕翔は、恥ずかしさと隠し事が一つバレてしまったことに対してなのか、頬を真っ赤にしている。
「大和…ぼ、僕っ…」
「それともう一つ…お前のものは俺のものなら…俺も俺のものをお前にあげたいって思ったんだよ?」
そうだ…お前のものは俺のもの。
なら、俺だって、俺のものは裕翔のもの。
大好きな裕翔に俺のものをあげたい、ずっとずっと…お前は俺のものであって欲しい。
もちろん、その逆もだ。
「…大和…」
「…裕翔…俺、お前のこと…」
俺たちは見つめ合い…いよいよ、裕翔へ好きだという思いを伝えられるタイミングが来たその時…裕翔の様子がおかしい…
「ううっ…!」と唸り出しては、冷や汗もかき出している…そして「ハァハァ…」と急に息も上がり始めていたんだ。
それと共に…俺の大好きでやまない、あの甘ったるい匂いが俺の鼻を刺激する…
俺の前で息を上げながら、裕翔は震えが止まらない…ま、まさか…!?
「お、おい…裕翔…大丈夫かっ…」
「大和…ごめん、僕、今日は先に帰る!」
裕翔は、裕翔自身もどうしていいのか分からない様子で俺に別れを告げては、林間学校の時のように走り出そうとしたんだ。
「おい、待てよ…!」
俺は咄嗟に裕翔の腕を掴み、走り出す事を止めようとした…
このまま走ったってお前…
また一人になっちまうだろ…!!
もう…お互い嘘をつくのはやめよう…!!
今、このタイミングを逃したら…
もう言えなくなっちまう…!!
「離して!」と裕翔は強く振り切ろうとするけれど、俺は腕を離したくなかった。
離してしまったら、何かが終わりを迎えるような、そんな気がして…
そして、力づくで裕翔を引き寄せようとしたその時…振り返る裕翔に、俺は言葉を失っちまったんだ。
裕翔から溢れる小さな涙の粒が、振り返った反動で俺の頬に飛び散り、刺激する。
それと共に裕翔は、とてつもなく悲しく…そして、見たこともない程の切ない表情で俺に訴えかけてきたんだ。
お前はそこまでして嘘を隠し通したいのか…
なんで…なんでそこまで自分の気持ちを犠牲にするんだよ…!!
でも、俺は手を離す事しか出来なかった。
これ以上、裕翔の気持ちに踏み込む事が出来なくなったんだ…
裕翔が嘘を隠し通したいという気持ちは、俺たちの好きという感情を遥かに超えていた。
何がなんでもこの空間だけを壊したくない…
壊すぐらいなら気持ちを隠してもいい…
俺と駿には絶対にバレたくないと…
手が離れた裕翔は、そのまま無我夢中で駆け出していき、人混みの中を駆け抜けていく。
勢いのあまり、首にかけられた俺のマフラーは、無残にも地面にひらりと落ち、俺の手に戻ってきてしまった。
追っかければ良かったのかな…
もう…もう、どうしていいのか分かんねぇよ…
マフラーをギュッと握りしめた俺は、頬に慕った裕翔の冷たい涙と共に、その場でしゃがみこみ、涙を流してしまった…
そんな離れ離れになった俺たちを無惨にも、ホワイトクリスマスが聖なる夜を彩っていったんだ…
俺たちも帰る前に、二人で見に行こうと決めていて、クリスマスツリーの綺麗な輝きを二人で目に焼き付けていたんだ。
「ほんっと、綺麗だねっ…」
「ああ、すごく綺麗だ…」
クリスマスツリーの前で綺麗な輝きに見惚れている裕翔。
いよいよタイミングが来たようだ…
俺は、少し手が震えながらも自分の首からマフラーを解き、そのまま裕翔の首へと俺のマフラーを優しく巻いてやったんだ。
「や、大和…?」
「…お前さ、俺の匂い…好きだろ?」
裕翔がΩだと知っているとは言えない。
その代わりにダイレクトに俺の気持ちを伝えることにした。
裕翔が話したくなった時に、俺たちの嘘を伝え合えればいい…今はお互いの本当の気持ちを伝え合いたい…俺は、そう心から願ったんだ。
そして、巣作りはαの匂いを集める他に、大好きな人の匂いを集めてしまう事も習性の一つ。
裕翔が俺のことが大好きなんだと教えてくれた日に確信したんだ。
泊まりに行く度にタオルケットが変わっていたのは、俺の匂いを集めるためだったと…
なら…俺の匂いが染み込んだこのマフラーを裕翔にプレゼントしてあげたい。
いつも身に付けられるもので、離れていてもこのマフラーを俺の化身だと思って欲しい。
まぁ…マフラーを選んだ理由は他にもあったんだけどさ…?
俺の言葉に裕翔は、恥ずかしさと隠し事が一つバレてしまったことに対してなのか、頬を真っ赤にしている。
「大和…ぼ、僕っ…」
「それともう一つ…お前のものは俺のものなら…俺も俺のものをお前にあげたいって思ったんだよ?」
そうだ…お前のものは俺のもの。
なら、俺だって、俺のものは裕翔のもの。
大好きな裕翔に俺のものをあげたい、ずっとずっと…お前は俺のものであって欲しい。
もちろん、その逆もだ。
「…大和…」
「…裕翔…俺、お前のこと…」
俺たちは見つめ合い…いよいよ、裕翔へ好きだという思いを伝えられるタイミングが来たその時…裕翔の様子がおかしい…
「ううっ…!」と唸り出しては、冷や汗もかき出している…そして「ハァハァ…」と急に息も上がり始めていたんだ。
それと共に…俺の大好きでやまない、あの甘ったるい匂いが俺の鼻を刺激する…
俺の前で息を上げながら、裕翔は震えが止まらない…ま、まさか…!?
「お、おい…裕翔…大丈夫かっ…」
「大和…ごめん、僕、今日は先に帰る!」
裕翔は、裕翔自身もどうしていいのか分からない様子で俺に別れを告げては、林間学校の時のように走り出そうとしたんだ。
「おい、待てよ…!」
俺は咄嗟に裕翔の腕を掴み、走り出す事を止めようとした…
このまま走ったってお前…
また一人になっちまうだろ…!!
もう…お互い嘘をつくのはやめよう…!!
今、このタイミングを逃したら…
もう言えなくなっちまう…!!
「離して!」と裕翔は強く振り切ろうとするけれど、俺は腕を離したくなかった。
離してしまったら、何かが終わりを迎えるような、そんな気がして…
そして、力づくで裕翔を引き寄せようとしたその時…振り返る裕翔に、俺は言葉を失っちまったんだ。
裕翔から溢れる小さな涙の粒が、振り返った反動で俺の頬に飛び散り、刺激する。
それと共に裕翔は、とてつもなく悲しく…そして、見たこともない程の切ない表情で俺に訴えかけてきたんだ。
お前はそこまでして嘘を隠し通したいのか…
なんで…なんでそこまで自分の気持ちを犠牲にするんだよ…!!
でも、俺は手を離す事しか出来なかった。
これ以上、裕翔の気持ちに踏み込む事が出来なくなったんだ…
裕翔が嘘を隠し通したいという気持ちは、俺たちの好きという感情を遥かに超えていた。
何がなんでもこの空間だけを壊したくない…
壊すぐらいなら気持ちを隠してもいい…
俺と駿には絶対にバレたくないと…
手が離れた裕翔は、そのまま無我夢中で駆け出していき、人混みの中を駆け抜けていく。
勢いのあまり、首にかけられた俺のマフラーは、無残にも地面にひらりと落ち、俺の手に戻ってきてしまった。
追っかければ良かったのかな…
もう…もう、どうしていいのか分かんねぇよ…
マフラーをギュッと握りしめた俺は、頬に慕った裕翔の冷たい涙と共に、その場でしゃがみこみ、涙を流してしまった…
そんな離れ離れになった俺たちを無惨にも、ホワイトクリスマスが聖なる夜を彩っていったんだ…
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