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第二夜
☆がぶ!
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アレから、服のレシピを5冊も買って気に入る物が出来るまでせっせと作り続けた。
材料費とレシピ代で、1万Gも飛んで行ってしまったものの、出来上がった物に満足したからいい事にしておこう。
自分達で着るつもりのないものを売ったら、結構な金額になりそうだけど、それでも足がでるかなぁ……。
まぁ、楽しかったしいい事にしておく。
ちなみに作ったのはこんなもの。
毛織の服一式(男性用)
防具ランク:F 耐久度:40
評価価格:1200G
男性用は、生成りのシャツとベストと長ズボンの3点セット。
このシャツやベストが、地味に色んな形のが合ってめちゃくちゃ悩んだ挙句にアレコレ作ってみたんだ。
アルに着せるのにどれが良いかと散々悩んだよ!
最終的に彼に渡す分は、ベストと長ズボンをチャコールグレーに染めて、少し刺繍もしておいた。
気に入ってくれると良いな~♪
初期から来ていた服は……なんと、裁縫部屋でアレコレ試作している内にお亡くなりになった。
危惧していた、突然真っ裸になるって感じではなかったけどね?
突然ツギハギだらけになって、あちこちに穴が空いちゃってびっくりしたよ!
どうやら、ゲーム内での1日で1づつ耐久が減るらしいと、その事件で分かりましたとさ。
アルの服も同じ様になるのかなーと思ってたんだけど……。
今ね、行商してるわたしの前を、ツギハギだらけの服を着て、背中側がやたらとスースーした格好の男性プレイヤーが通って行った。
通り過ぎ掛けて、ハッとした様に戻って来ると、わたしの商品を購入して早速身に纏うとそれまでの落ちつか無げな様子はどこへやら、「助かった」と言って悠然と手を振りながら去っていく。
バックパックからなら、装備するのは一瞬だから目の前で着替えても支障は無いのだ。
こう、卑猥物陳列罪にはならない的な方向では。
「まいどぉ……。」
呆気にとられてつつ声を掛けたものの、なかなか衝撃的なその格好に、頭の中でツッコミを入れた。
……びんXっちゃま?!
びんぼxXゃまになっちゃうの!?
アルがインしてきたら、どうなるのか観察する予定だったのは取りやめだ。
彼のあの姿は見たくない……。
意外と、衣類を売ってる人は少ないのか、並べていた商品は結構な早さで無くなった。
満員御礼、いやちがうな。
完売御礼というやつだ。
売るものもないし、どうしようかと視線を彷徨わせると、ピョコピョコ耳を揺らして歩くアルの姿が目に入る。こっちには……まだ気付いてない!
こっそりと彼の後ろに回り込むと、まだ気付く様子の無い彼の背中にピョンと飛び付いた。
「リリン?!」
「やっときたー!!! 待ってたよ~!!!」
肩からぶら下がってスリスリすると、なんとなく嬉しげな雰囲気が伝わって来る。
ああ、もう!
可愛いなぁ、アルってば!
「リリン?」
「な~に~?」
「私も、同じ事をしたいのだが?」
「足が浮いちゃう……!」
必死にわたしの方に首を捻りながらの言葉に、思わず感極まって肩に噛みついてしまう。
がぶ!!!!!
「?!」
「ううう~!!!! アルが可愛すぎるのがいけない!」
「……こういう場合、『痛くしてごめんなさい』ではないのかね?」
VRで、痛覚も鈍いからと思いきり齧ったせいか、ちょっぴり涙目になった彼に、流石になじられてしまった。でも、涙目になってるのがやたらと可愛いから、口元が緩んでしまう。
「だって、アルが可愛すぎるからいけないんだもん。」
「ふむ……。」
わたしに齧られた首の付け根を擦っているアルの前に回り込み、上目遣いに見上げると、冷静な視線が返って来る。
あ、やりすぎちゃったかな?
ピクピクと動く左耳に視線を奪われていると、彼に両腕を取られて引き寄せられる。
「ひゃ?!」
「反省しない子にはお仕置きが必要だな。」
「にゃ?!」
彼はなんだかやたらと嬉しそうに目を細めると、右のお耳をピョコピョコと上下させた。
思わず逃げようとしたものの、一瞬遅く、わたしのネコミミに彼の唇の感触を感じる。
「にゃぁあああぁぁあああ?!」
それから暫くの間、アルはわたしのネコミミを甘噛みしたり息を吹きかけたりと言うセクハラ行為を行いやがりましたのです。本人が満足するまで。
絶対、セクハラする良い理由が出来たって喜んでたよアレ!
わたし?
驚きすぎて腰抜けたさ。
そう言えば、今いる場所って人の多い行商広場だったなって気が付いた時は、顔から火が出るかと思ったさぁ~!
セクハラ反対!!!!!
材料費とレシピ代で、1万Gも飛んで行ってしまったものの、出来上がった物に満足したからいい事にしておこう。
自分達で着るつもりのないものを売ったら、結構な金額になりそうだけど、それでも足がでるかなぁ……。
まぁ、楽しかったしいい事にしておく。
ちなみに作ったのはこんなもの。
毛織の服一式(男性用)
防具ランク:F 耐久度:40
評価価格:1200G
男性用は、生成りのシャツとベストと長ズボンの3点セット。
このシャツやベストが、地味に色んな形のが合ってめちゃくちゃ悩んだ挙句にアレコレ作ってみたんだ。
アルに着せるのにどれが良いかと散々悩んだよ!
最終的に彼に渡す分は、ベストと長ズボンをチャコールグレーに染めて、少し刺繍もしておいた。
気に入ってくれると良いな~♪
初期から来ていた服は……なんと、裁縫部屋でアレコレ試作している内にお亡くなりになった。
危惧していた、突然真っ裸になるって感じではなかったけどね?
突然ツギハギだらけになって、あちこちに穴が空いちゃってびっくりしたよ!
どうやら、ゲーム内での1日で1づつ耐久が減るらしいと、その事件で分かりましたとさ。
アルの服も同じ様になるのかなーと思ってたんだけど……。
今ね、行商してるわたしの前を、ツギハギだらけの服を着て、背中側がやたらとスースーした格好の男性プレイヤーが通って行った。
通り過ぎ掛けて、ハッとした様に戻って来ると、わたしの商品を購入して早速身に纏うとそれまでの落ちつか無げな様子はどこへやら、「助かった」と言って悠然と手を振りながら去っていく。
バックパックからなら、装備するのは一瞬だから目の前で着替えても支障は無いのだ。
こう、卑猥物陳列罪にはならない的な方向では。
「まいどぉ……。」
呆気にとられてつつ声を掛けたものの、なかなか衝撃的なその格好に、頭の中でツッコミを入れた。
……びんXっちゃま?!
びんぼxXゃまになっちゃうの!?
アルがインしてきたら、どうなるのか観察する予定だったのは取りやめだ。
彼のあの姿は見たくない……。
意外と、衣類を売ってる人は少ないのか、並べていた商品は結構な早さで無くなった。
満員御礼、いやちがうな。
完売御礼というやつだ。
売るものもないし、どうしようかと視線を彷徨わせると、ピョコピョコ耳を揺らして歩くアルの姿が目に入る。こっちには……まだ気付いてない!
こっそりと彼の後ろに回り込むと、まだ気付く様子の無い彼の背中にピョンと飛び付いた。
「リリン?!」
「やっときたー!!! 待ってたよ~!!!」
肩からぶら下がってスリスリすると、なんとなく嬉しげな雰囲気が伝わって来る。
ああ、もう!
可愛いなぁ、アルってば!
「リリン?」
「な~に~?」
「私も、同じ事をしたいのだが?」
「足が浮いちゃう……!」
必死にわたしの方に首を捻りながらの言葉に、思わず感極まって肩に噛みついてしまう。
がぶ!!!!!
「?!」
「ううう~!!!! アルが可愛すぎるのがいけない!」
「……こういう場合、『痛くしてごめんなさい』ではないのかね?」
VRで、痛覚も鈍いからと思いきり齧ったせいか、ちょっぴり涙目になった彼に、流石になじられてしまった。でも、涙目になってるのがやたらと可愛いから、口元が緩んでしまう。
「だって、アルが可愛すぎるからいけないんだもん。」
「ふむ……。」
わたしに齧られた首の付け根を擦っているアルの前に回り込み、上目遣いに見上げると、冷静な視線が返って来る。
あ、やりすぎちゃったかな?
ピクピクと動く左耳に視線を奪われていると、彼に両腕を取られて引き寄せられる。
「ひゃ?!」
「反省しない子にはお仕置きが必要だな。」
「にゃ?!」
彼はなんだかやたらと嬉しそうに目を細めると、右のお耳をピョコピョコと上下させた。
思わず逃げようとしたものの、一瞬遅く、わたしのネコミミに彼の唇の感触を感じる。
「にゃぁあああぁぁあああ?!」
それから暫くの間、アルはわたしのネコミミを甘噛みしたり息を吹きかけたりと言うセクハラ行為を行いやがりましたのです。本人が満足するまで。
絶対、セクハラする良い理由が出来たって喜んでたよアレ!
わたし?
驚きすぎて腰抜けたさ。
そう言えば、今いる場所って人の多い行商広場だったなって気が付いた時は、顔から火が出るかと思ったさぁ~!
セクハラ反対!!!!!
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