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昔がたり
☆ツンデレか
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「兄上が、一緒に暮らし始めたのだ。」
「おお! いいね!!」
アルがそう言い始めたのは、それから1カ月後。
ずっと、『なぜか王都に帰らない』とか『父上達は帰ったのに』とかと言ってはいたんだけど、ようやくどうするつもりでいるのかを訊ねたらしい。
きっと、リアルでは目を輝かせてるに違いない。
嬉しそうにしてるアルの姿、見たいな。
チラリと、そんな気持ちが浮かんだけれど、すぐに頭を振ってその考えを追い出した。
叶わない夢を見るのは、性に合わない。
以前のQ&Aでは納得できなかった、彼が『異世界』の住民だと言う話も、今ではそうなんだなと思っている。
『どこが? 』と誰かに問われてもきちんと答えられない。
けれど、『そうらしい』と言う風に解釈してる。
感覚的なモノだから、共有が難しいんだよ?
それからは、ともかくアルの話題はお兄ちゃんの事で占められる様になった。
やれ、今日の晩御飯はなんだった。
やれ、採集を頼んで覗き見していたら、お兄ちゃんが戦っている姿が滅茶苦茶格好良かった。
やれ、今日は自分の為に~~~~をしてくれた。
どんだけお兄ちゃんが好きなんだwww
一生懸命、チャットでそれを語り続ける彼に、モニターの前で思わずニマニマしてしまう。
最近、最初に一緒に始めたゲームの中で、アルのお兄ちゃんトークを聞くのがわたしのお気に入りだ。
アバターが可愛いし表情豊かだから、アルがお兄ちゃんの事を語るのを聞くのにこれ以上のツールは無いと思う。
見てるだけで、物凄く可愛い。
ただ、偶にアルが無理にそうやって明るい話題を選んでいる様な気がしないでもない。
ちょっぴり、上滑りしているような雰囲気を感じる時があるんだよね。
もし。
もしも深刻な悩みごとや、辛いことがあるんだったなら……。
前みたいに私にだけでも話して欲しいと、そう思う。
結局、お祖父さんが亡くなっても、お兄さんと暮らし始めても、彼が『地球』に来たいと言う事に変わりは無かった。
ほっとしたのと同時に、感じたのは少しの罪悪感。
アルと暮らし始めたお兄さんは、再会した日にアルの事を傷つけてしまったと滅茶苦茶後悔しているらしく、あれやこれやと甲斐甲斐しく面倒を見ているらしい。
聞いていて、そこまでか……と思う事も多々あるレベルだ。
5歳までは2人きりで暮らしていたって言うのもあるのかもしれないけど、彼は結構なブラコンなんじゃないかと思う。最初の内はいじけ半分、諦め半分でいたらしいアルも、今では殆どその気持ちは無くなっている……様に見える。だって、話題の大半がお兄ちゃんで占められている位だし。
それでも、お兄ちゃんの前ではその辺は見せない様に取り繕ってるらしい。
『ツンデレ?』と聞いたら『まだデレてない』と言う返事が返ってきた。
ツンデレやん。
分かっててやってんのか。
お兄ちゃんが知ったら、泣きそうだなと思う。
まぁ、仲が良いって事なのかもしれないけど。
私が弟にやられたらと考えてみて、『ぶん殴るな』という結果が出たんだよね。
アルのお兄ちゃんはそうじゃないと良いなぁ。
そのうち、地球に来るための準備の一環だといいながら弟子を採ったりだとか、色々しながら現在に至ってる訳なんだけど……。
本当にその計画って、成功する可能性があるものなんだろうか?
やっぱり、実現できないものなのではないかという思いが捨てきれない。
彼が神の一柱ってやつだっていうんなら、余計にだ。
自分の部下が余所に逃げ出そうとしているのを、創造主サマとやらは快く見逃してくれたりなんかするものなんだろうか?
私が創造主サマだったら、絶対に逃がしたりなんかしない。
「おお! いいね!!」
アルがそう言い始めたのは、それから1カ月後。
ずっと、『なぜか王都に帰らない』とか『父上達は帰ったのに』とかと言ってはいたんだけど、ようやくどうするつもりでいるのかを訊ねたらしい。
きっと、リアルでは目を輝かせてるに違いない。
嬉しそうにしてるアルの姿、見たいな。
チラリと、そんな気持ちが浮かんだけれど、すぐに頭を振ってその考えを追い出した。
叶わない夢を見るのは、性に合わない。
以前のQ&Aでは納得できなかった、彼が『異世界』の住民だと言う話も、今ではそうなんだなと思っている。
『どこが? 』と誰かに問われてもきちんと答えられない。
けれど、『そうらしい』と言う風に解釈してる。
感覚的なモノだから、共有が難しいんだよ?
それからは、ともかくアルの話題はお兄ちゃんの事で占められる様になった。
やれ、今日の晩御飯はなんだった。
やれ、採集を頼んで覗き見していたら、お兄ちゃんが戦っている姿が滅茶苦茶格好良かった。
やれ、今日は自分の為に~~~~をしてくれた。
どんだけお兄ちゃんが好きなんだwww
一生懸命、チャットでそれを語り続ける彼に、モニターの前で思わずニマニマしてしまう。
最近、最初に一緒に始めたゲームの中で、アルのお兄ちゃんトークを聞くのがわたしのお気に入りだ。
アバターが可愛いし表情豊かだから、アルがお兄ちゃんの事を語るのを聞くのにこれ以上のツールは無いと思う。
見てるだけで、物凄く可愛い。
ただ、偶にアルが無理にそうやって明るい話題を選んでいる様な気がしないでもない。
ちょっぴり、上滑りしているような雰囲気を感じる時があるんだよね。
もし。
もしも深刻な悩みごとや、辛いことがあるんだったなら……。
前みたいに私にだけでも話して欲しいと、そう思う。
結局、お祖父さんが亡くなっても、お兄さんと暮らし始めても、彼が『地球』に来たいと言う事に変わりは無かった。
ほっとしたのと同時に、感じたのは少しの罪悪感。
アルと暮らし始めたお兄さんは、再会した日にアルの事を傷つけてしまったと滅茶苦茶後悔しているらしく、あれやこれやと甲斐甲斐しく面倒を見ているらしい。
聞いていて、そこまでか……と思う事も多々あるレベルだ。
5歳までは2人きりで暮らしていたって言うのもあるのかもしれないけど、彼は結構なブラコンなんじゃないかと思う。最初の内はいじけ半分、諦め半分でいたらしいアルも、今では殆どその気持ちは無くなっている……様に見える。だって、話題の大半がお兄ちゃんで占められている位だし。
それでも、お兄ちゃんの前ではその辺は見せない様に取り繕ってるらしい。
『ツンデレ?』と聞いたら『まだデレてない』と言う返事が返ってきた。
ツンデレやん。
分かっててやってんのか。
お兄ちゃんが知ったら、泣きそうだなと思う。
まぁ、仲が良いって事なのかもしれないけど。
私が弟にやられたらと考えてみて、『ぶん殴るな』という結果が出たんだよね。
アルのお兄ちゃんはそうじゃないと良いなぁ。
そのうち、地球に来るための準備の一環だといいながら弟子を採ったりだとか、色々しながら現在に至ってる訳なんだけど……。
本当にその計画って、成功する可能性があるものなんだろうか?
やっぱり、実現できないものなのではないかという思いが捨てきれない。
彼が神の一柱ってやつだっていうんなら、余計にだ。
自分の部下が余所に逃げ出そうとしているのを、創造主サマとやらは快く見逃してくれたりなんかするものなんだろうか?
私が創造主サマだったら、絶対に逃がしたりなんかしない。
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