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初めての野宿
どっちに行こうか
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村から伸びた道が二つに分かれる場所に来て、にぃにとわたしは悩んでた。
「右と左、どっちにする?」
「右のほうが、はっきりと道が見えるけど――」
「左も大差ないよ」
どっちも、あんまり差がないように見えるから、選ぶに選べない。せめて、行商人がいつもどっちから来ているかくらい知っておくべきだったと反省はするけれど、コレも今だから言えること。
ここまで黙々と歩いてくれてたミルギューたちにお水をあげつつ、二人で額をくっつけご相談。
「ガルゥは、どっちに人がたくさんいるか分からないかな?」
「聞いてみる」
にぃにが呼び寄せたガルゥから聞き出してくれた結果、わたしたちは人の気配が少ない右の方に向かうことにした。
人が多い方はおとなり村だろうから、万が一にも巫女様たちに鉢合わせしちゃったりしないように。
ポクポク
ポカポカ
ポクポク
ポカポカ
道をたどっていくと、案外、おひさまが木々の間から顔を出してて暖かい。
ゆっくりと確実に足をすすめるミルギューの足音と、おひさまの光で体がポカポカするものだから、上のまぶたと下のまぶたが仲良くしたいとソワソワしてる。『ふわぁ~』と、後ろから大きなあくびが聞こえてきたら、もう限界。あっという間に、意識が落ちた。
「フェリシア。フェリシア、起きて」
にぃにの声で、おもいおもーいまぶたを上げる。
――まだ、森の中だ。
相変わらずポクポクと、のんびりした歩調で進んでいるけど、おひさまがだいぶ傾いて周囲が赤く染まってた。一体どれくらいの時間が経っているのかは分からないけど、ミルギューたちからは『喉乾いたなぁ』という声にならない声も聞こえてくる。
どう考えても、寝すぎてる!
「……なんてこった」
「フェリシア、言葉遣い……」
愕然として呟いた言葉に、にぃにのダメ出し。
こういうときくらい、いいじゃない。ちょっとくらい、悪い言葉遣いのほうが心情が伝わるしっ!
「そろそろ、野宿の用意をしようと思ってさ」
ミルギューに指示をするのは、わたしじゃないと無理だから起こしたらしい。
ガルゥのあとについて行かせるだけのことでも、他人の従魔に言うことを聞かせるのは大変なのだ。すでに、野宿をする場所の目星は付けてたようで、それほど進まないうちに程良い大きさの空き地につく。
「ここを使った人がいるみたいだね」
空き地の真ん中に、石で囲った焚き火の跡があるのを見て、にぃにが言う。旅して歩くことの多い魔獣狩りを生業とする狩人たちは、騎獣で人里に泊まりながら移動するから基本的に野宿はしない。多分、肉を求めて狩りに出た人が休憩するのに使ったのかも。
「そのまま使っちゃう?」
「フェリシアが使いやすいようにして良いんじゃないかな」
ミルギューから降りるのを手伝ってもらいつつ訊ねると、にぃには肩をすくめる。
ごはん作りは、今日からわたしの仕事だ。もちろん、分かっておりますとも。
もう、病み上がり扱いはおしまいなので、きちんと自分の仕事はこなしますっ!
まずは、お腹を空かせたランチュウたちを外に出して餌をやる。ランチュウたちのご飯は、ワラと雑穀。足りなければ、勝手にその辺の落ち葉を食べてくれるはず。
お次は、ミルギューたちにお水をあげつつ乳搾り。
四頭もいるから大変だけど、お夕飯の材料にもなる。それに、スキルフィールドから出した状態なのに乳を絞ってあげないと、ミルギューたちがつらい思いをすることになるので絞らないという選択肢はないのだ。
ササッと焚き火の準備を終えたにぃにが「乳搾りは手伝うよ」と手伝ってくれたので、半分の時間で終わった。
「それじゃ、ご飯ができたら呼んで」
そう言ってにぃには少し離れた場所で素振りを始める。
「うにうに。ご飯はなる早?」
「いつも通りで」
にぃにの『いつでもいいよ』という返事にうなずき、手持ちの食材をサクッと確認。
さて、ご飯の支度を始めるとしますかっ!
「右と左、どっちにする?」
「右のほうが、はっきりと道が見えるけど――」
「左も大差ないよ」
どっちも、あんまり差がないように見えるから、選ぶに選べない。せめて、行商人がいつもどっちから来ているかくらい知っておくべきだったと反省はするけれど、コレも今だから言えること。
ここまで黙々と歩いてくれてたミルギューたちにお水をあげつつ、二人で額をくっつけご相談。
「ガルゥは、どっちに人がたくさんいるか分からないかな?」
「聞いてみる」
にぃにが呼び寄せたガルゥから聞き出してくれた結果、わたしたちは人の気配が少ない右の方に向かうことにした。
人が多い方はおとなり村だろうから、万が一にも巫女様たちに鉢合わせしちゃったりしないように。
ポクポク
ポカポカ
ポクポク
ポカポカ
道をたどっていくと、案外、おひさまが木々の間から顔を出してて暖かい。
ゆっくりと確実に足をすすめるミルギューの足音と、おひさまの光で体がポカポカするものだから、上のまぶたと下のまぶたが仲良くしたいとソワソワしてる。『ふわぁ~』と、後ろから大きなあくびが聞こえてきたら、もう限界。あっという間に、意識が落ちた。
「フェリシア。フェリシア、起きて」
にぃにの声で、おもいおもーいまぶたを上げる。
――まだ、森の中だ。
相変わらずポクポクと、のんびりした歩調で進んでいるけど、おひさまがだいぶ傾いて周囲が赤く染まってた。一体どれくらいの時間が経っているのかは分からないけど、ミルギューたちからは『喉乾いたなぁ』という声にならない声も聞こえてくる。
どう考えても、寝すぎてる!
「……なんてこった」
「フェリシア、言葉遣い……」
愕然として呟いた言葉に、にぃにのダメ出し。
こういうときくらい、いいじゃない。ちょっとくらい、悪い言葉遣いのほうが心情が伝わるしっ!
「そろそろ、野宿の用意をしようと思ってさ」
ミルギューに指示をするのは、わたしじゃないと無理だから起こしたらしい。
ガルゥのあとについて行かせるだけのことでも、他人の従魔に言うことを聞かせるのは大変なのだ。すでに、野宿をする場所の目星は付けてたようで、それほど進まないうちに程良い大きさの空き地につく。
「ここを使った人がいるみたいだね」
空き地の真ん中に、石で囲った焚き火の跡があるのを見て、にぃにが言う。旅して歩くことの多い魔獣狩りを生業とする狩人たちは、騎獣で人里に泊まりながら移動するから基本的に野宿はしない。多分、肉を求めて狩りに出た人が休憩するのに使ったのかも。
「そのまま使っちゃう?」
「フェリシアが使いやすいようにして良いんじゃないかな」
ミルギューから降りるのを手伝ってもらいつつ訊ねると、にぃには肩をすくめる。
ごはん作りは、今日からわたしの仕事だ。もちろん、分かっておりますとも。
もう、病み上がり扱いはおしまいなので、きちんと自分の仕事はこなしますっ!
まずは、お腹を空かせたランチュウたちを外に出して餌をやる。ランチュウたちのご飯は、ワラと雑穀。足りなければ、勝手にその辺の落ち葉を食べてくれるはず。
お次は、ミルギューたちにお水をあげつつ乳搾り。
四頭もいるから大変だけど、お夕飯の材料にもなる。それに、スキルフィールドから出した状態なのに乳を絞ってあげないと、ミルギューたちがつらい思いをすることになるので絞らないという選択肢はないのだ。
ササッと焚き火の準備を終えたにぃにが「乳搾りは手伝うよ」と手伝ってくれたので、半分の時間で終わった。
「それじゃ、ご飯ができたら呼んで」
そう言ってにぃには少し離れた場所で素振りを始める。
「うにうに。ご飯はなる早?」
「いつも通りで」
にぃにの『いつでもいいよ』という返事にうなずき、手持ちの食材をサクッと確認。
さて、ご飯の支度を始めるとしますかっ!
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