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再出発
スキルアップ!
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お昼ごはんを食べに戻ってきたにぃにの指先はズタボロで、わたしは弓での修練を勧めたことをひどく後悔した。
にぃには今までずっと剣を振っていたけど弓は全然引いてなかった。弓を引くときに、剣を振るうときとは別の場所を痛くする可能性があるとか――全然、考えつきもしなかったよ。
武術の訓練に怪我はつきものだと知ってはいるけど、無理をして余分な傷を増やすのは納得できない。
「――そんな顔しないでよ、フェリシア。剣ばかりにこだわらず、弓に挑戦するって決めたのは僕なんだから」
別の武具の修練も――なんて、考え付きもしなかったと笑うにぃにに、口をへの字に引き結ぶ。
「余計なこと言って、痛い思いをさせたのは嬉しくない」
「少しずつだけど成果が見え始めてるから、僕は嬉しい」
――ううう。この、脳筋っ!
上機嫌に耳と尻尾を揺らしながら、塩おにぎりに舌鼓を打つにぃにを軽くにらみつける。
過保護な武神様が置いていってくれた軟膏を塗って、すでににぃにの指は完治しているけれど……わたし、自分が痛い思いをするのはもちろんのこと、にぃにに痛い思いをされるのもいやなのだ。ちゃんと、そのへんのことも考慮して欲しい。
「実際、今日中にはスキルランクも上がるだろうって武神様のお墨付きも頂いてるし、午後も頑張るよ」
「えええ……」
「スキルアップできたら、ご褒美に神域でお祝いしてくれるってさ」
「ナント」
わたしのスキルランクが上がったときはそんなことしてくれなかった――ってのは置いといて。
だってね、正直なところ料理や従魔術はランクを上げやすいスキルの筆頭なのだ。どっちも、毎日欠かさず使うスキルだから。特に従魔術なんて、従えている従魔の頭数次第であっという間にランクが上がる。――にぃにみたいに、一~二頭だといつまでも上がらないっぽいけど。
それでも、ほんの十日足らずでわたしの従魔術ランクが上がったのは、魔神様いわく、適正の高さと進化を促すための魔力譲渡が原因だそう。
料理スキルのランクアップも含めて全部、魔神様のせい(おかげ?)ですね。
まぁ、そんなわけで自分のスキルランクが上がったお祝いがなかったのは問題ない。
むしろ、文字通り血の滲むほどの努力をしているにぃにのお祝いをしてくれるという気持ちがメチャクチャうれしすぎっ。
さっきまでの不機嫌さはどこへやら、ニコニコし始めたわたしににぃには小さく笑いつつヴェルリーニョの浅漬けに手を伸ばす。
「まあ、お祝いしてもらえることよりも、してくれようっていう気持ちが嬉しいよね」
「うにうに」
その言葉に、異論はない。
『ほんとソレ!』 ってやつだ。
「――でも、無理はしないでよ?」
お祝いしてもらうために、無理して今日、スキルのランクアップをする必要はないと思います。
「ん。りょーかい」
軽い調子でそう言って修練に戻っていったにぃには、わたしが奉納するためのチーズを量産し終わる頃、無事にランクアップを成し遂げたのだった。
にぃには今までずっと剣を振っていたけど弓は全然引いてなかった。弓を引くときに、剣を振るうときとは別の場所を痛くする可能性があるとか――全然、考えつきもしなかったよ。
武術の訓練に怪我はつきものだと知ってはいるけど、無理をして余分な傷を増やすのは納得できない。
「――そんな顔しないでよ、フェリシア。剣ばかりにこだわらず、弓に挑戦するって決めたのは僕なんだから」
別の武具の修練も――なんて、考え付きもしなかったと笑うにぃにに、口をへの字に引き結ぶ。
「余計なこと言って、痛い思いをさせたのは嬉しくない」
「少しずつだけど成果が見え始めてるから、僕は嬉しい」
――ううう。この、脳筋っ!
上機嫌に耳と尻尾を揺らしながら、塩おにぎりに舌鼓を打つにぃにを軽くにらみつける。
過保護な武神様が置いていってくれた軟膏を塗って、すでににぃにの指は完治しているけれど……わたし、自分が痛い思いをするのはもちろんのこと、にぃにに痛い思いをされるのもいやなのだ。ちゃんと、そのへんのことも考慮して欲しい。
「実際、今日中にはスキルランクも上がるだろうって武神様のお墨付きも頂いてるし、午後も頑張るよ」
「えええ……」
「スキルアップできたら、ご褒美に神域でお祝いしてくれるってさ」
「ナント」
わたしのスキルランクが上がったときはそんなことしてくれなかった――ってのは置いといて。
だってね、正直なところ料理や従魔術はランクを上げやすいスキルの筆頭なのだ。どっちも、毎日欠かさず使うスキルだから。特に従魔術なんて、従えている従魔の頭数次第であっという間にランクが上がる。――にぃにみたいに、一~二頭だといつまでも上がらないっぽいけど。
それでも、ほんの十日足らずでわたしの従魔術ランクが上がったのは、魔神様いわく、適正の高さと進化を促すための魔力譲渡が原因だそう。
料理スキルのランクアップも含めて全部、魔神様のせい(おかげ?)ですね。
まぁ、そんなわけで自分のスキルランクが上がったお祝いがなかったのは問題ない。
むしろ、文字通り血の滲むほどの努力をしているにぃにのお祝いをしてくれるという気持ちがメチャクチャうれしすぎっ。
さっきまでの不機嫌さはどこへやら、ニコニコし始めたわたしににぃには小さく笑いつつヴェルリーニョの浅漬けに手を伸ばす。
「まあ、お祝いしてもらえることよりも、してくれようっていう気持ちが嬉しいよね」
「うにうに」
その言葉に、異論はない。
『ほんとソレ!』 ってやつだ。
「――でも、無理はしないでよ?」
お祝いしてもらうために、無理して今日、スキルのランクアップをする必要はないと思います。
「ん。りょーかい」
軽い調子でそう言って修練に戻っていったにぃには、わたしが奉納するためのチーズを量産し終わる頃、無事にランクアップを成し遂げたのだった。
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