にいにと一緒に世界をめぐる~奉納スキルでアイテムゲット☆彡~

霧ちゃん→霧聖羅

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再出発

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 神域での二度目のお泊り翌日。
わたしとにぃに・・・は、ミルギューたちの世話をしに聖域に戻る。


「きゃわんっ!」

「うにゃにゃっ!?」


 お留守番をしていたミントは、わたし達が聖域に戻るとすぐにヒャンヒャン鳴きながら飛んできた。そのあまりの勢いに、わたしの体はポーンと後ろに吹っ飛んだ。


「おおっと……」


 情報神様がキャッチしてくれなかったら、危うく大惨事!
ビックリしただけで済んだんだけど……にぃに・・・は激おこだ。
ちなみに、情報神様が聖域にいるのは、森で暮らした経験がないミントが本来なら成獣になるまでの間に学んでいたはずの知識を授けに来てくれた。
そのおかげで、わたしは怪我をせずに済んでラッキーだね。


「このバカ犬っ! フェリシアは鈍いんだから、突進しないっ!!」

「ヒャインッ!?」


 ホッとしたのもつかの間、わたしの無事を確認したにぃに・・・に耳をつかんで怒鳴りつけられ、ミントが悲鳴を上げる。
こういうときのにぃに・・・は、容赦がなくっておっかない。
巻き込まれたくないなと思いつつ耳を伏せたわたしを抱き上げたまま、情報神様は畜舎のほうへと足を向ける。クドクドとお説教が始まっているけど、聞こえないったら聞こえないっ。

――ウソです。
  ミント、見捨ててごめんっ!


「アレは、寂しかったんだなぁ」


 わたしを畜舎の入り口でおろした情報神様は、激おこプンプン丸なにぃに・・・の声に肩を震わせながら呟く。
激おこなにぃに・・・は面白いですか。そうですか。


「……ミルギューたちもいるし、スキルフィールドにいるよりも聖域のほうが楽しいかと思ったんだけど――」

「ナリはおとなになったけど、精神面ではまだまだチビのまんまだから」

「なるほろ」


 魔力の過剰譲渡のせいで、体は大人だけど心は子供。
ミントはそんな状態らしい。

――精神的に落ち着く前に次回があったら、スキルフィールドに入っててもらおう。

 本来なら神域なんて気軽に遊びに行ける場所じゃないはずなので、次があるかどうかは謎だけど。


「んじゃ、俺の仕事をしてくるわ」

「あ、なら、にぃに・・・に手伝ってほしいって――」

「ほいほ~い」


 軽い調子で手をヒラヒラ振ってにぃに・・・の方に歩いていく情報神様を見送って、わたしは早速ミルギューたちのお世話に取り掛かった。




 ミントへの教育を終えた情報神様は、鞍の付け方を教えたり一緒に乳搾りをしたあと神域に帰っていく。わたし達はソレを見送ってからそれぞれの日課(にぃに・・・は鍛錬、わたしは土壌改良)を終わらせる。
お出かけ準備は、早めのお昼を食べてから。


「情報神様がくださった地図を見た感じ、僕たちって全然村から離れてないよね」

「うにうに。巫女様から逃げる気満々だというのに、王都から全く遠ざかってないとは思わなかったなぁ……」

「情報神様にお小言、言われるはずだよね」


 『地理もわからずに闇雲に移動しても意味ないでしょ』ってお小言を言いつつ情報神様は、この辺りの大まかな地図を描いてくれた。
地図と言っても、わたし達が住んでる国から、人族が住んでいるお隣の創世神殿首都までの地理だけ。村や町、ソレをつなぐ道は描かれていない。


「この地図を見ると、国の外周をぐるっと半分回らないと隣の領域に行けないみたい」


 正確には、寒さの厳しい北に向かうのなら、半分の移動で事足りるんだけど……にぃに・・・もわたしも、どうせなら暖かい場所に生きたいところ。そうなると、結構な距離を移動しなくちゃならなくなるというわけだ。


「谷を超えられたらすぐなのにね」


 ちなみに、わたし達が向かっていたのは、村から出て南東の方角。ただ、そちら方面に移動してしばらくすると、突然森が切れて幅広で深ぁい谷間が姿を現すらしい。
この谷は、タチが悪いことに森が切れるのほぼ同時に地面がなくなる断崖絶壁。
特殊技能を習得していないと昇り降りができないような崖の下には川が流れているそうだけど――落ちたら、まず助からないというのが情報神様のお言葉。
どうやらここまでの道中は、ミルギューが避けて進んでくれていたっぽい。ミルギュー達には、ホント感謝しかないよね。毎日のご飯ミルクでわたし達を養ってくれているだけでなく、自然の罠まで回避してくれるとはっ!


「どうする?」

「ん~……」


 谷に降りてみようにも、そこは切り立った崖になっているそうだから、さすがのミントもわたし達を背に乗せた状態で下りるのは厳しいだろう。そもそも、荷物がない状態でも降りられるのかはちょっとアヤシイ。


「どうするもなにも、『巫女様に見つからない』を優先するなら、今まで通り森の中を外周に沿って移動するしかないよね」


 目的地まで斜めに突っ切るのもいいけど、それだと途中で大きな街――むしろ、王都を突っ切る形になりそうだ。巫女様が村を出たあと、どこに向かったかは知らないけれど――万が一にもかちあいたくない。
そのためには、できる限り人がいない場所を抜けるのがいいと思う。
そんなことを熱く語ると、にぃに・・・は苦笑しながら肩をすくめた。


「なら、バカ犬の足の速さに期待しようか。僕も、巫女様には見つかりたくないし」

「いつまでにって期限もないし、ミルギューよりも早くお隣の国に行けるんじゃない?」

「そう、願います」


 改めて進む方向が決定したところで、再出発ですっ!
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