にいにと一緒に世界をめぐる~奉納スキルでアイテムゲット☆彡~

霧ちゃん→霧聖羅

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再出発

やりたい放題

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 再出発してから三日間。
お昼まではそれぞれの日課に励み、午後から移動をしては夕方になる前に聖域に戻るという生活を繰り返した。
移動時間は少ないけれど、魔神様がオススメしてくれただけあってミントの足はとっても早くて、目的地はあと少し。旅路自体は順調に進んでいると言っていいのだけれども――


「グラジオラス君は、思うように技量が上がらないのが相当不満みたいねぇ」

「うにぃ……」


 とっても頑張ってCランクまであげた総合武術スキルだけど、ベースになる能力値が足りなくて実戦では使い物にならないらしく……有り体に言うと、にぃに・・・はメチャクチャ機嫌が悪い。八つ当たりをしてきたりするわけじゃないんだけど、雰囲気がトゲトゲしてるから話しかけづらくて困りもの。
まぁ、成果が出せなくてイライラするのも理解できるので、見守るしかないんだけど。


にぃに・・・のは、目に見える成果が出しづらいから仕方ないんだと分かってはいるんだけど……」

「やっぱり、妹としては心配よね」

「うにぃ」


 三日目の移動を終え、魔神様と技術神様の二柱おふたりとおしゃべりをしつつ刺繍を刺す。
夕飯を食べ終えたあとに、技術神様と魔神様をお呼びして魔法文字の刺繍をするのが夜の日課になりつつある今日このごろ。女神二柱に技術指導してもらえるなんて、すごすぎない?

 ちなみに、今話題に上がっているにぃに・・・が気負ってるのは『わたしを守るため』らしい。
結構無理をしてるように見えるから、心配だ。
とはいえ、加護の儀を受けたばかりの子供二人が悪い大人にとってのカモだと言うのは理解できる。なので、うかつに能天気なことも言えないわけで……でも、やっぱり無理はしてほしくないんだよね。
大変、悩ましい状態だ。


「ずっと聖域にこもっていればそういう心配は無いわけだけど……」

「若いうちはいろんな体験をしてほしいし、そのためには自衛手段も必要だからね」


 お二方は揃って小さくため息。


「できれば、信頼できる保護者も欲しいけど――なかなか、ね……」

「信頼って、一朝一夕で得られるようなものじゃないもの。仕方ないわ。可能なら、武神のかわりに指南ができる人だといいんだけどねぇ」


――それはまた、ハードルが高そう。

 信頼できる保護者大人を全員亡くしてしまったわたし達にとって、新たに信じられる相手を見つけるのは簡単じゃないはずなのに、そこに先生役まで求めるのはちょっと厳しい気が……


「そういえば、戦闘系のスキルが物を作るみたいにランクが上がらないのは何でですか?」

「戦闘スキルは、相手があってのものだから……かな」


 ふと、不思議に思ったことを聞いてみると、魔神様からはそんな返事が返ってきた。
戦闘スキルを効率よく鍛えるためには、実戦で自分と同等か格上の相手を打ち負かすのが一番らしい。


「グラジオラス君の場合は、ガルゥとかランチュウがちょうどいいお相手だね」

「ナント……」


 アレだけ頑張ってるのに、最弱の部類の魔獣が適当な相手って、なんか涙が出てきそう。


「スキルランク、Cでもですか?」


 たしか、にぃに・・・の総合武術はこないだCになったはず。


「こと、戦闘に関しては、スキルランクなんて参考にならないよ」


 わたしの問いに、魔神様は困ったように眉尻を下げつつ爆弾発言。
いやいやだって、スキルランクがあてにならないなら、なんのためにスキルランクがあるのって話ですよっ!?
そんなわたしの混乱を鎮めてくれたのは、技術神様の追加説明だ。


「ほら、素振りや的あてだと対象は動かないけれど、実戦だと相手も動くでしょう?」

「……たしかに」


 言われてみればわたしだって、『殴りますよ』って言われたら逃げれるものなら逃げるよね。


「それに加えて、地形や年齢によるペナルティが生じる。森の中なら木々が邪魔をして相手を見失うこともあるし、武器によっては満足に振るえないことも多いでしょう?」


 これもまた、納得しかない。
むしろ、攻撃される側だったら、木の陰に隠れるのは当然だ。痛いのは嫌だもの。わたしだってそうする。


「身体能力を十全に活かせるのは、十五歳~二十九歳までの間だけ。だから、自分の思っているように戦えないっていうのは別におかしいことじゃないのよ」

「その点、生産スキルは物体を相手にするからやりたい放題だよね」

「やりたい放題……?」

「言葉選びがおかしいけど、相手が動かないのは間違ってないわね……」


――間違ってないんだ?

 布にチクチク針を刺し、手元をじっと見る。

――うん。やりたい放題、かも?

 手元の布は、刺し損ねたせいで余分な穴がいくつも空いてて、コレが生き物だったら痛そうな状態になってそう。


「実際には、刺繍をするにも布がへニャって上手く刺せないとか、魔法薬を作るのに魔力を浸透させづらい素材があったりはするんだけど……よっぽど難度の高い素材を使わない限りは、スキルランクを目安にしても問題ないよ」

「自分の力量にあった素材と制作物を選べば、問題ないってことですね」


 あとは、やりたい放題。
うん……戦闘スキルはわたしには無理だと思う。
たぶん、相手が抵抗してきた時点でビビって逃げる。
 まぁでもアレだ。
戦闘に参加するのは難しいかもしれないけれど、できる限りにぃに・・・の邪魔にならないように頑張りたいと思いますっ。
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