にいにと一緒に世界をめぐる~奉納スキルでアイテムゲット☆彡~

霧ちゃん→霧聖羅

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再出発

八つ当たり

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 魔神様とのふれあいタイムは最低限で我慢して、わたしはにぃに・・・のもとに急いで戻った。


「おかえり、フェリシア」

「うにうに、ただいまぁ~。ついでに、魔神様からクリナムさん達のこと聞いてきたよ」

「ふ~ん?」


 気のないふりをしつつもにぃに・・・が一応の興味を示したので、聞いてきたことをそのままペロリとご報告。ついでなので、聖域にご招待するかどうかは数日ほど様子を見てから決めればいいかなという、自分の意見も添えといた。


「そういう意見が出てくるってことは、フェリシアはあの二人組を信用してもいいと思ってるんだね」

「ピエリスさんのちょっかいの掛け方がめんどくはあるけど、クリナムさんは問題ないかなぁ……。あ、あと。ピエリスさんはにぃに・・・の鍛錬相手に良さそうだと思う」

「まあ、昨日の戦いぶりを見た感じ、かなりの手練だよね」


――あ、ちょっと心が揺れたね。

 コレは、武神様にお相手してもらえない時間のお相手を欲しがってる様子のにぃに・・・にはよく効く餌だったっぽい。


「あっ、あと、もう一つあった」

「なに?」

「このお宿のこともそうだけど、わたし達って村から出たことがなかったでしょ。だから、クリナムさん達みたいに普通に旅をするための知識がないと思うの」

「思うというか――事実だね」

「でしょ。なので、そういう常識的なものをあの二人から教われたらいいんじゃないかなっていうのも、魔神様のお墨付きをもらってることだし」
「聖域にご招待したら、わたし達がだれのご寵愛を賜ってるのかも話さないわけにはいかないでしょう? だから、にぃに・・・がソレも込みで納得したらでいいんじゃないかと思います」

「……了解。ただ、聖域に入れるとなると、隣国についたからって『はい、さようなら』はしづらくなるね」


――ソレもあったね……

 すっかり忘れてた。


「どっちにしろ、隣国に入ってから決めよう」

「うにうに。りょーかいっ」


 もう、魔神様が不審人物じゃないって太鼓判を押してくれたから、信用しちゃっていいとは思うんだけどね。魔神様も『生理的に無理なら~』って言ってたし、仕方ないか。



 さて、身支度を済ませて部屋を出ようと扉を開けたところで、ピタリと体が固まった。

――ウッソ……こんなに高かったの……っ!?

 昨日は、クリナムさんの背中にしがみついてただけだったからうっかりしてたけど、こんなに高い場所だなんて思ってなかった。自分がいる場所と、地面がものすごく遠くって、見えてる景色がグラグラ揺れて立ってられない。


「……だよね」


 その場にへたり込んだわたしを、にぃに・・・はサッと引き戻す。


「クリナムさん、やっぱり無理そう。お願いしていい?」

「だろうな」


 にぃに・・・が外に向かって呼びかけると、扉の外で待機していたらしいクリナムさんがわたしを背中にくくりつける。


「うにゃ??」

「ちょっと、なんでフェリシアをくくってんの!?」

「怖いもの見たさで下を覗き込んで、うっかり落ちたりしないように……だ」


――そんなことはしないよ。

 そう思ったんだけど、結局、そ~っと目を開けて下を覗き込んで悲鳴を上げた。ソレを何度も繰り返したせいで、にぃに・・・に目隠しを着けられた挙げ句に「思っていた以上にアホだった」というひどい言葉を投げつけられて、わたし、涙目。


にぃに・・・が、ヒドイ」

「ただの事実だよ」

にぃに・・・の、バカ・アホ・マヌケ・デリカシーなしっ!」

「丸ごと全部、フェリシアのことだね」


 にぃに・・・が毒を吐くたびに、クリナムさんの肩が小さく揺れる。

――笑ってないで、フォローしてくれてもいいんじゃないかな。

 と、そんなことを思っているうちに、やっとこさ地上に到着!
背中から下ろしてもらって目隠しを取ると、クリナムさんの陰からあっかんべーっ。


「意地悪言う、にぃに・・・なんてだいっきらいっ!」

「はいはい、分かった。分かったよ。まずはご飯を食べようね」


 かわいそうな子を見るような、生暖かい笑顔で言われ、自分の腹減り具合に気付いた途端にお腹が鳴った。


「ぐぬぬぬぬっ……ここは、一時休戦ですっ」

「はいはい。また後でね」

「そこの二人組っ! 笑わないっ!!」


 とうとう吹き出したクリナムさんと、ニヨニヨしているピエリスさんに八つ当たりしつつ食堂に向かう。
この鬱憤は、バク食いで晴らしますっ!
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