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トレルリ神民国~『普通』を体験してみよう~
路銀を稼ごうっ! その5
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翌日の朝食後。
わたし達四人は、外壁沿いの露店通りに店を出した。
今日でお宿に先払いした分は終わりだけれど、この町での滞在期間をどうするかは、今日の客層を見てから決める予定。一日、それなりに楽しくお店を出来たら、しばらくこの町を拠点に色々経験するのもいいだろうってことになったのだ。
「んじゃ、俺はその辺テキト~にうろついてくっからっ」
露店の許可を取り、割り振られた場所についた途端にイチ抜けしたのは、ピエリスさん。
やたらといい笑顔で手を振ると、お耳をピコピコゆらしつつ人混みの中に消えていく。「なにかあったら、すぐに戻ってくるだろう」と、なんでもない顔で頷いてるクリナムさんは、変な意味で慣れすぎだ。
一緒に売り子をするものだと思ってたから、にぃになんか、ちょっとショックそう。
「……いいけど」
なんて言いながら、ほっぺがプクッと膨れてる。
コレはレアな表情だけど、ご機嫌斜めは嬉しくない。わたしはことさらご機嫌笑顔に取り繕って、割り当てられた場所にゴザを敷いて品物を並べ始めた。
わたしの今日の売り物は、Fランクの『劣化遅延のお札』。
生鮮食品も、箱に入れて貼るだけで四倍長持ちしてしまうこの『劣化遅延のお札』!
お店で買うなら、一枚あたり銅貨二枚のところを本日は、露天売り特価で二枚セットが銅貨三枚とお買い得!
買ってけ、買ってけ~!!
ドンドンパフパフ~っ!
な~んて、アホな宣伝は置いといて……
昨日、せっせと作ったお札なんだけど、魔石のランクを落としすぎたせいで、悲しいことに何をどうやってもコレ以上のモノが出来なかった。
いや、でもね?
言い訳をするのなら、それなりの素材をゴミレベルまで落としておきながら、それなりのお札に仕上げたのは褒めてほしいっ!
二ランクアップさせるのって、本当なら、かなり大変なんだからっ!!
とはいえ、ベース素材も大量に作ってしまったので、しばらくはコレが主力商品だ。
ベース素材を売ればいいって?
どんなに安くったって、ゴミを買う人はさすがにいないとおもう。
――いや、でも百枚セットならワンチャンあるかも?
一瞬だけそんな考えも頭をよぎったものの、つけられる値段を考えてすぐになかったことにする。
どんなにまとめても、ゴミはゴミ。
銅貨一枚で買ってもらえればいい方だ。
それなら、自分の練習用に使い切ってしまった方がいい。出来上がったお札が売れなくても、『劣化遅延のお札』なら自分で使えばいいんだし。
「フェリシアは結局、売るのは一種類だけ?」
「うにうに」
「他のお札も作ればよかったのに……」
「売れなかった時に、自分で使えるものって考えたら『劣化遅延のお札』以上のものが思いつかなかったの」
にぃには自分の売り物を並べ終わって、わたしの売り物が同じ種類のお札だけだと気付いたらしく訊ねてきたけれど、理由を話すと納得顔で頷いた。
「毎日作り貯めてる食材を保管しとくのにいいものね」
「うにうに」
「……売れ残るようなら、私もいくつか買い取らせてもらうつもりだ」
「クリナムさんになら、あげるよ?」
「それは良くない。金銭関係の貸し借りはなしにしたいと言ったのは、フェリシアだろう。きちんとした対価を得られる品をもらう訳にはいかない」
「うぐぅ」
昨日の晩、果物の蜜漬けや騎獣を売ったお金が入ったお陰でお金に余裕ができたわたしは、ここに来るまでにかかったお金をクリナムさん達に返そうと交渉した。
その結果、地方都市メローニに入るまでにかかった分は、魔獣からクリナムさん達を助けた礼金扱い。
今のお宿の代金から、わたしとにぃにもお支払い――ということになった。
その時、たしかに言った記憶のある言葉を引き合いに出されたら、黙るしかない。
ムムムと唸るわたしに小さく笑って頭をワシャワシャすると、クリナムさんは「ほら、お客さんの相手をしよう」と言って、いつの間にかわたし達のお店を覗きに来た人に視線を向けた。
わたし達四人は、外壁沿いの露店通りに店を出した。
今日でお宿に先払いした分は終わりだけれど、この町での滞在期間をどうするかは、今日の客層を見てから決める予定。一日、それなりに楽しくお店を出来たら、しばらくこの町を拠点に色々経験するのもいいだろうってことになったのだ。
「んじゃ、俺はその辺テキト~にうろついてくっからっ」
露店の許可を取り、割り振られた場所についた途端にイチ抜けしたのは、ピエリスさん。
やたらといい笑顔で手を振ると、お耳をピコピコゆらしつつ人混みの中に消えていく。「なにかあったら、すぐに戻ってくるだろう」と、なんでもない顔で頷いてるクリナムさんは、変な意味で慣れすぎだ。
一緒に売り子をするものだと思ってたから、にぃになんか、ちょっとショックそう。
「……いいけど」
なんて言いながら、ほっぺがプクッと膨れてる。
コレはレアな表情だけど、ご機嫌斜めは嬉しくない。わたしはことさらご機嫌笑顔に取り繕って、割り当てられた場所にゴザを敷いて品物を並べ始めた。
わたしの今日の売り物は、Fランクの『劣化遅延のお札』。
生鮮食品も、箱に入れて貼るだけで四倍長持ちしてしまうこの『劣化遅延のお札』!
お店で買うなら、一枚あたり銅貨二枚のところを本日は、露天売り特価で二枚セットが銅貨三枚とお買い得!
買ってけ、買ってけ~!!
ドンドンパフパフ~っ!
な~んて、アホな宣伝は置いといて……
昨日、せっせと作ったお札なんだけど、魔石のランクを落としすぎたせいで、悲しいことに何をどうやってもコレ以上のモノが出来なかった。
いや、でもね?
言い訳をするのなら、それなりの素材をゴミレベルまで落としておきながら、それなりのお札に仕上げたのは褒めてほしいっ!
二ランクアップさせるのって、本当なら、かなり大変なんだからっ!!
とはいえ、ベース素材も大量に作ってしまったので、しばらくはコレが主力商品だ。
ベース素材を売ればいいって?
どんなに安くったって、ゴミを買う人はさすがにいないとおもう。
――いや、でも百枚セットならワンチャンあるかも?
一瞬だけそんな考えも頭をよぎったものの、つけられる値段を考えてすぐになかったことにする。
どんなにまとめても、ゴミはゴミ。
銅貨一枚で買ってもらえればいい方だ。
それなら、自分の練習用に使い切ってしまった方がいい。出来上がったお札が売れなくても、『劣化遅延のお札』なら自分で使えばいいんだし。
「フェリシアは結局、売るのは一種類だけ?」
「うにうに」
「他のお札も作ればよかったのに……」
「売れなかった時に、自分で使えるものって考えたら『劣化遅延のお札』以上のものが思いつかなかったの」
にぃには自分の売り物を並べ終わって、わたしの売り物が同じ種類のお札だけだと気付いたらしく訊ねてきたけれど、理由を話すと納得顔で頷いた。
「毎日作り貯めてる食材を保管しとくのにいいものね」
「うにうに」
「……売れ残るようなら、私もいくつか買い取らせてもらうつもりだ」
「クリナムさんになら、あげるよ?」
「それは良くない。金銭関係の貸し借りはなしにしたいと言ったのは、フェリシアだろう。きちんとした対価を得られる品をもらう訳にはいかない」
「うぐぅ」
昨日の晩、果物の蜜漬けや騎獣を売ったお金が入ったお陰でお金に余裕ができたわたしは、ここに来るまでにかかったお金をクリナムさん達に返そうと交渉した。
その結果、地方都市メローニに入るまでにかかった分は、魔獣からクリナムさん達を助けた礼金扱い。
今のお宿の代金から、わたしとにぃにもお支払い――ということになった。
その時、たしかに言った記憶のある言葉を引き合いに出されたら、黙るしかない。
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