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なんかおかしい
しおりを挟むなんとなく…なんとなくだが、屋敷の雰囲気が変だ。
何が…かは分からない…。
エルビオのおかげで明るくはなったが、それとは違う。
使用人全員が楽しそうだし、ジョバンニもだ。
確かに子供がいるのといないのとでは違うのだろうが、なんというか・・・この先に楽しいイベントがあるみたいな・・・誕生日やデート、結婚式、そんな楽しくて幸せなイベントが待っている感じ。
一度ジョバンニに、
「なんかみんな浮ついてないか?何か祭りか何かあったか?」と聞くと、
「祭り?祭りなんかありませんよ。それよりあの部屋改造していいですか?
あそこを書斎の本を入れ替える時に一時預かり的に使いたいんですよ。
だから穴塞ぎますから。
2度と使わないんだから良いですよね?」
と言われた。
あれからあの穴はそのままにしている。
戒めの為にそのままにしていたのだが、そのままというのも駄目だろうと了承した。
エルビオはすくすく育っている。
表情も出てくるようになったし、見れば見るほど可愛い。
この子を抱くエルザ・・・綺麗だろうなぁ…
どんな顔で抱くのだろう…
優しい笑顔で抱くんだろうなぁ…
抱っこして中庭を散歩する姿なんて、陽があたって、銀髪がキラキラして綺麗だろうなぁ…
泣きそう…。
夜、1人でそんな事を考えていると眠れなくて酒を飲んで、深夜過ぎに寝るのが、普通になった。
ある日、夢を見た。
エルザが俺の頭を撫でながら、
「頑張ってるね、偉いよ。」と言ってずっと頭を撫でてくれた。
めちゃめちゃ嬉しかったけど、目が覚めて隣りにエルザがいない事に、泣いた。
そんな日が続いた。
「シルビオ、愛してるわ。」
と夢の中でエルザが俺に言ってくれた時は、
号泣した。
会いたい…エルザに会いたいなぁ…
でも、そんな夢を見た朝は、起きると必ずエルザの香りがした。
エルザは良い香りがする。
清潔で甘い香り。
普段使っている石鹸の香りなんだろうけど、絶対間違えない、エルザの香り。
あまりにも会いたいから幻覚や幻聴ではなく、幻臭?がするのか⁉︎
でも、だんだん悲しさよりも本当にエルザが側にいてくれるようで、嬉しくなった。
エルザが見ていてくれるようで安心した。
夜も眠るのが楽しみになった。
夜眠れるようになると、食事も美味しく感じるようになった。
きちんと眠って、きちんと食べると体調も良くなり、仕事も順調にこなせる。
エルビオもご機嫌で、よく笑う。
弟のモリスもよく屋敷に来るようになった。
たまに俺を見てはニヤニヤしているのが腹立つけれど、甥っ子見たさに来ているのかと思い、好きにさせている。
そういえば、ジョバンニも俺を見てニヤニヤしている。
「おい、ジョー!なんで俺見てニヤニヤしてんだよ!」
「しておりません、シルビオ様。」
「してるよ!お前もモリスも!何か言いたい事があるなら言えよ!」
「何もございません。最近、シルビオ様の調子が良さそうなので喜ばしいなと思っていただけでございます。」
「あ、そう!」
最近のジョバンニは、しっかり執事をしてくれてはいるが、気安さがなくなってしまい少し寂しい。
これが普通なんだろうけど…。
エルビオに会いに行こう。
癒されに行こう。
そう思い、子供部屋に行こうと歩き出すと、
ジョバンニが凄い勢いで戻ってきた。
「どちらへ行かれるのですか?」
「え⁉︎エルビオのところだけど、駄目なのか?」
「いえ、先程散歩に行かれたようなのでお部屋にもどられていないかもしれません。
確認して参ります!」
というと、見た事ないほど早足で行ってしまった。
「え、なんなの⁉︎行くなって事?」
首を傾げていると、ジョバンニが帰ってきた。
ハアハアと息を切らしたジョバンニが、
「ハァ…ハァ…お部屋…に…おられ…ました…」
「そんなに急がんでも…。ありがとう、行ってくる。」
なんなんだ、なんであんなに焦る必要がある?
首を傾げながら歩いていると、
「痛ッ!」という声が聞こえて振り返った。
メイドと歩いているジョバンニが頭を叩かれていた。
「え⁉︎」
あんな事するメイドいたか⁉︎
随分仲が良い。
新しく雇ったメイドだな、なんとなく2人の雰囲気がエルザといる時に似ている。
でも髪色が違う。
ハァ~エルザに会いたいなぁ~。
エルビオに会って癒されよう!
俺は急いで子供部屋に向かった。
「ちょっと!ジョバンニ!あんたもうちょっと上手くやりなさいよ!
シルビオにバレるでしょ!」
メイド服にメガネとカツラを被ったエルザにシルビオは気付かない。
「頭殴んなよ!子供部屋にいると思ったんだよ!」
シルビオが振り返り、そんな2人を見ていた事をエルザ達は知らない。
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