隠していない隠し部屋

jun

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番外編 クリスハートの結婚

初夜

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パーティーは続いているが、俺とフランシスは早めに退席した。
まあ、初夜の準備に入るわけだ。

夫婦の寝室を挟んでお互いの自室がある。
一旦別れて、フランシスは磨き抜かれて夫婦の寝室に送り込まれてくるだろう。

俺も風呂に入り、寝衣に着替えた。
ブライアンが持ってきてくれていた弱めの媚薬を目の前に掲げ、しばらく見ていた。
これを飲まずにフランシスを抱けるのだろうか、俺は。
もし勃たなかったらフランシスを傷付ける。
でも飲んでまで勃たせてやるもんなのかと疑問に思う。
ブライアンはこの媚薬を数本持ってきてくれた。
フランシスにも飲ませれば痛みも和らぐかもしれないな…。
とりあえず飲まずに挑むか。

結局俺は飲まずに二本持って夫婦の寝室に行った。
それほど時間は経っていないように思っていたが、フランシスはすでにベッドに座っていた。

「済まない、待たせてしまった。」
フランシスの隣りに座り、手を握ると身体が冷えているのか手が冷たい。

「身体が冷えたな、ベッドに入ろう。」
とフランシスをベッドに寝かせ、俺も横になり布団をかけた。

「随分待たせてしまったようだ、身体が冷えてしまっている。」
そう言ってフランシスを抱きしめた。

「・・・・・・した。」

小さな声でフランシスが何か言った。

「フランシス、何か言ったかい?」

「来ないと思っていました・・・」

「どうして?今夜は初夜だよ?」

「なんとなく…です。」

「今日はやめようか?」

「嫌です!クリス様に抱いてもらってやっとクリス様の妻となれるのです!」

こんなに声を荒げるフランシスを初めて見た。
やはりあの時何か感じたのだろうか…。

「じゃあフランシスをこれから抱くよ。
でもねフランシス、私はね、今までの罰が下ったのか、男性機能が落ちているんだ。
軽い媚薬を飲むから、フランシスも飲みなさい。痛みが和らぐから。」

そう言って媚薬をフランシスに渡した。
俺は薬を一気に飲み、フランシスが飲むのを待った。
「私は・・・飲みません・・痛みも平気です・・」

「そうか。」
薬を受け取りサイドボードに置くと、フランシスに覆い被さりキスをした。
半ばヤケクソにだが、早く終わらせたかった。
スケスケの寝衣を脱がせ、下着も取り、裸にした後、丁寧に、優しく全身を愛撫し、フランシスの陰部も丁寧に時間をかけ解し、媚薬のお陰か勃起した陰茎をゆっくり挿入していった。
「痛いかい?大丈夫?」
とフランシスに問いかけると、痛さで話せないのか、首を横にふる。
「行くよ、我慢して。」
そして奥まで一気に入れた後は、ゆっくり動かし、その後は射精するまで腰を動かし続けた。

射精した後、フランシスを抱えシャワーを浴び、身体を清め、身体も拭いてやり寝室に戻ると、シーツの交換も終わったようでフランシスをベッドに寝かせた。
「疲れただろう。もう休みなさい。私は少し酒でも飲んでから眠るよ。」
と言うと、

「私も何か飲みたい…です…」

「あ、済まない、そうだよな、先ず水を飲もう。」

そりゃそうだ。
可愛らしい声をあげ続けたうえに、風呂にまで入ったんだから。
すぐに水を飲ませた。
「お水はもう大丈夫なので、私にもお酒を下さい。クリス様が寝るまで付き合います。」

「・・・・そうか。」

少し一人で飲みたかったが、新妻がそう言うならば仕方ない。
ワインをグラスに注ぎ、フランシスに渡すと、一気に飲み干した。
驚いて見ていると、

「クリス様はお一人になったら、あの方を思いながらお酒を飲むのでしょう⁉︎」
とフランシスは俺を睨みながら言った。

「何を…言ってる。」

「あの方がクリス様がお好きな方なのですね。」

「だから何を言っていると聞いている!」

「私とお父様が控室のドアの前に着いた時、ブライアン様が言っていたことが聞こえたのです。“エルザをまだ忘れていないんだな”と。
お父様は苦笑していました。
お父様も知っていたのですね。
ブライアン様も。
そんなに忘れられないのなら私となど結婚しなければ良かったのです!」

「そうだな…俺が悪い…」

「壇上にいた時もあの方を見ていたのですね。」

「一瞬だけだ。」

「上がってすぐ見つけるほど好きなのですか!」

「そうだな、自分でもビックリだ。」

「言ってくだされば…私は…」

「今まで散々フランシスの事を蔑ろにしてきた。それでも俺から離れなかったフランシスを大切にしたいと思った。
例え愛せなくてもと。」

バチーンと頬を叩かれた。

「そんな事を言われて私が嬉しいと?
愛せないと言われて、熱のこもらない瞳で抱かれる私は幸せだと?
バカにしないで!」

「済まない・・・」

「今までの私ならずっと騙されていたでしょう。あの言葉を聞き、クリス様があの方を見つめる瞳を知ってしまったら、私にこれっぽっちの愛情はないんだと分かってしまったら、もう騙される事なんて出来ない…。」

「済まない…」

「今までたくさん女性とお付き合いしても、クリス様は一度もあのような瞳で見つめていることはなかった。
でも今日、あの私達のお祝いの言葉を言って下さったあの方を見つめた貴方は、恋しいと、会いたかったと、その金色の瞳が語っていましたわ!」

「そうか…上手く隠したと思ったんだが…」

「それほどお好きなら告白でもなんでもすれば宜しかったのでは?」

酒のせいなのか、フランシスの怒りは収まらない。

「告白はした。振られたが。」

「アハハハ、情けないですわね!」

「そうだな、情けない…。でも、彼女がいなければ、俺はお前とは結婚していなかっただろうな。彼女が気付かせてくれたからフランシスを大切にしようと思った。」

「は⁉︎なんですの、それは⁉︎」

「まあ色々あったんだ。そして、正妃レベッカに彼女は殺されそうになったんだ、俺のせいで。」

「え・・・どうして・・・」

「あの人は俺の大切なものを全部奪うのが何より好きだったからな。
だから誘拐されたんだ、彼女は。
でも自力で逃げた、一人で敵を全て倒して。
ボロボロになって倒れてた。
それを発見したのは俺だ。
好きな女が俺のせいで、傷だらけで・・・血だらけで・・俺のせいで・・誰もいない森の中で倒れてたんだ・・・。

どうして攫われる事になったのかを説明する為には俺が彼女を好きになったからと言うしかないから、振られるのが分かっていて好きだと言って、謝罪した。

彼女は笑いながら、俺が悪いのではないと、俺は優しすぎる、正妃をもっと死ぬ気でとっちめろと逆に叱られた。
そして、俺に幸せになって欲しいと言ってくれた。
これからたくさん大切なものを作って欲しいと言ってくれた。

最後にヒーナス侯爵を愛していますと綺麗な笑顔で俺を振った。

なかなか忘れることなんて出来ないよ、あんな人。」

「正妃様の事は詳しくは知りませんが、療養してはいないという事は知っています。
ですが、それほど酷い方だったのですか?」

「酷いな、俺は何度も殺されそうになった。」

「そんな⁉︎だから王太子を降りたんですか⁉︎」

「それだけではないが、王族籍から抜けたかった。
どうにか王太子から降りたくてあんな事をしていた。
それを止めさせたのはヒーナス侯爵夫人なんだ。
止めさせたというより、怒鳴られたわけだがな…。」

「全部教えて頂けますか?知りたいです、クリス様の事も、ヒーナス侯爵夫人の事も。」

そして俺はフランシスに今までの事を話した。

朝方近くになり、さすがのフランシスも眠くなったのか、話終わるとすぐに眠ってしまった。
眠る前に、
「私は何も知らなかったのですね・・・」
と言って眠った。


エルザの事を誰かに話したいとは思ったが、まさかフランシスに話すとは思わなかった。

俺も眠くなり、フランシスを抱きしめながら眠った。















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