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お母様の話 クララ視点
しおりを挟む私とお母様は領地でのんびりしている。
毎日、お散歩したり、街のカフェでケーキを食べたり、好きな事をしている。
まだパブロの事を考えると胸が痛むけど、もう少し経てばこの胸の痛みもなくなるだろう。
カフェの個室にいる私達は誰にも邪魔されないでお喋りしているが、気になっていた事をお母様に聞いてみた。
「お母様、気になっていたのですが、お父様には何も声をかけずに来てしまいました。
良かったのですか?」
「あーー、それね…。
良いのよ、クララは気にしなくて良いの。
少し反省すれば良いんだわ!」
「お母様はお父様と喧嘩しているのですか?」
「喧嘩というか・・・ね、なんというか…クララには言うまいと思ってたんだけどね…。
実は、私達が学生だった時、一度だけお父様が浮気したのよ…それも相手はラーナよ。
一回キスしただけってすぐ私に言ってくれたんだけど、一回と言っても私を裏切ったのは変わらないじゃない?
だから婚約は解消しようって言ったの。
でも二人で私とセルゲイに泣いて謝ったの。
そのキスした理由っていうのがね、ラーナとセルゲイが喧嘩して、その事で悩んでたラーナを慰めている時に、あまりにも可哀想だったから、何となくやってしまった”だって。
普通、相談するなら私にじゃない?
女同士でするもんでしょ?
それを親友の婚約者に相談するってどうなのって思ったの。
そして、その相談を受けたニコライも二人きりで会うっておかしいでしょ?
それでキスよ。
結局セルゲイが許したから、私も許すしかなくて今に至ってるんだけど、私はあの時から二人を信用していないの。
だから貴方達の婚約は絶対反対だったの。
だって死ぬまで縁が切れないんだもの。
だけどニコライとラーナは貴方達をくっ付けようと必死だったのよ、不自然なくらい。
それで思ったの。
あの二人は、結ばれなかった自分達の代わりに、貴方達を結ばせようとしてるんじゃないかって。
気持ち悪いでしょ、本当だったら。
本人に聞いてないから、本当の所は分からないわ。
でも、私はそう思ってる。
今も二人が付き合っているとは思わないけど、学生時代は隠れて付き合ってたんだと思う。
ごめんなさいね、娘に聞かせる話しではないけど、パブロはやっぱりラーナの子供なのねって実感したわ。」
ショックだった。
お父様もおば様もやってる事はパブロと同じだ。
本当かどうかは分からないけど、一度聞いてしまったら、そういう目で見てしまう。
「おじ様は何も言わないの?お父様ととっても仲が良さげに見えていたけど。」
「私とラーナだって仲良く見えていたでしょ?それと同じだと思うわ。
ニコライもラーナも私達に罪悪感があるから強く出れないのよ。
少し強く私が言っても言い返さないもの。
それはラーナも同じ。
クララももう大人だから教えたけど、大好きな父親を悪く言ってしまってごめんなさいね。あの人がクララを大切に思ってる事も、愛している事も偽りではない事だけは信じてあげて。」
一気にお父様もパブロもおば様も私の敵になってしまったようで、私は何もする気がなくなってしまった。
一方のミゲルも父親から両親の学生時代の話しを聞かされていた。
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