私の婚約者の苦手なもの

jun

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逃亡

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ロイが見た事がない女の子と歩いている。

ボォーっと二人を見ていたら、

「リリー様、おはようございます。」

とカトリーヌさんが声をかけてきた。



「あ、あ、おはよう、カトリーヌさん。」

「リリー様、お怪我は大丈夫ですか?お手紙は拝見しましたが、この目で確認するまで心配でした。見た限りもう大丈夫そうですね。お休みの間はいかがでしたか?楽しめましたか?ちゃんと眠れていますか?目の下にクマがございます。食事は取られていますか?少しやつれておられるようですが、大丈夫でございますか?」

と私の視界を遮るように真ん前に立ち、一気に話し出した。

「カトリーヌさん、ありがとう。
怪我はもうなんともないよ。
休みの間もまあ楽しめたし、
昨日も眠ったよ。
食事は・・・忙しくて食べれなかったかな。」


「そうでございますか、わたくし、クッキーをこっそり持ってきているので、後で食べましょう。朝食は大事ですから。」


「ありがとう、カトリーヌさん。」

「それでは参りましょう、リリー様」

「うん、一緒に行こう!」

「光栄でございます。」

「フフ、堅いなあ~カトリーヌさん。」

「これが普通なのでご容赦下さい。」

「はいはい」

「リリー様、はい、は一回でございます!」

「はいはい、分かったよ」

「リリー様!」

「カトリーヌさんは先生みたいだね、でも可愛い!」

「かわ、かわ、可愛い⁉︎」

「うん、カトリーヌさんは可愛い!あのね、私も愛称で呼んでもいい?」

「リリー様がお呼びしたければ」

「じゃあ…トリーで決定!ロイも・・・なんでもないよ、行こう。」

「・・・参りましょう、お足元をお気をつけくださいませ。」

「ありがとう、トリー先生」

「先生はいりません!」

トリーちゃんとお喋りしながら教室に向かった。





教室に入ると、ロイはいなかった。

少しホッとした。

「リリー様、大丈夫ですか?」
とトリーちゃん。

「ん?大丈夫!」

授業が始まる直前にロイが教室に入ってきた。


ロイが私を見つけ近寄ろうとした時、先生が入ってきたので自分の席についた。


何度かこちらを見ていたが、私はロイを見る事ができなくて、ずっと下を見ていた。


休み時間になり、ロイがこっちに来る気配を感じたので、思わず教室を飛び出した。



追いかけて来ていたが、途中誰かに止められたのか追いつかれる事はなかった。





隠れる場所を探していたら、
前にビカビカ虫を二度目に見た、あの時の木の近くだったので、陰に隠れた。


「どうして逃げたんだろ…私…」

ロイを見れなかった…

朝食も食べに来ないで女の子と一緒にいたロイに話しかけてほしくなかった…

「ヤダな…こんなの…なんか嫌なヤツだ、私…
もう帰りたい…」




「お帰り下さいませ、リリー様。」


え?と思い、顔を上げるとトリーちゃんがいた。

「リリー様がロナルド様より逃げていらっしゃったので、足止め致しました。
今日はリリー様、体調が優れないようなので今から医務室にお連れします。
迎えの手配を済ませますので、それまで医務室でお待ち下さい。」
と言い、医務室に連れて行かれ、ベッドに寝かされた。


トリーちゃんは廊下に出て、誰かと話した後直ぐ戻って来て、

「リリー様、すぐ迎えが来るそうです。今から正門に向かいますが、邪魔が入りそうなので、わたくしが抱いてお運びしますがよろしいでしょうか?」

「う、うん、お願いします。」

「では!」

トリーちゃんは廊下を伺った後、私を抱き上げ、駆け出した!


は、速い!
トリーちゃん、凄い!

あっという間に正門に着いた。


少し待ってから我が家の馬車が来た。


「それではリリー様、先生の方にはわたくしが連絡しておきますので、ご心配ございません。
わたくしは、リリー様の悲しい顔は見とうございません…ですので、ゆっくりお休み下さいませ。」

と言って馬車の扉を閉めた。

なんだか何もかもあっという間だったので、呆気に取られたまま家路に着いた。











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