私の婚約者の苦手なもの

jun

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会話

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タニヤ視点


もう何なのよ!謹慎って何でよ!
ただ、殿下と話したかっただけなのに!
別にどうこうしようなんて思ってないわよ!
王子様とどうにかなろうなんて、さすがの私でも思わないわよ。
学生の時くらいしか近くに行けないから行ってただけだし!
距離感がおかしいって、前はそんなこと言われなかったし、喜ばれたし。

それに王子様の所に行こうとすると必ず虫が出て先に行けないし。
虫は嫌い!

でもあまりにもそんな事が続くから、腹が立ってその時は虫も気にならなかったから、食堂まで突っ走った。

やっと王子様に会えたと思ったら先生に見つかった。

ロナルドには怒られるし!

もうヤダ!
元の家に帰りたい…
でも、おじいちゃんみたいなお父様はもういない。
おじいちゃんだけど、優しかった。
学校も楽しかった。

もうこんな所嫌だ!嫌いだ!









〈レイモンド視点〉

今、タニヤの件で学院の学院長と淑女科の先生と面談している。

正直言って、タニヤの事を何も知らない。
知ろうとしなかった。

「それで、タニヤはどうなるのでしょうか?」

「そうですね、とりあえず一週間の自宅での謹慎になります。
ですが、タニヤさんは授業もろくに聞いていませんし、
言葉遣いも直そうとしません。
タニヤさんにはこの学院は合わないのではないかと思っています。
もちろん、通う以上は教えていこうと思っています。
タニヤさん自身が学びたいのであれば、問題ありませんが、もし合わないと思っているのなら、他にも学校はあります。
良くご相談なさってください。」


「はい。タニヤとよく話し合ってみます。
ご迷惑おかけし申し訳ございませんでした。」


そして別邸に帰った。

まだロザンナとは話していない。
もちろんタニヤとも話してはいない。

「今帰った。ロザンナ、少し話しがある。」

「はい」

初めて会った時はもっと明るい感じがしたが今は表情がない。

「タニヤは一週間の自宅謹慎になった。」
「はい」

「ワソニック夫人から話しを聞いた。
何も話しを聞かないで済まなかった。」

「話しをしてくれたんですね、夫人が。」

「君も被害者の一人だったのに、自分だけが被害者だと思い、君を疑ってしまっていた。

あの時きちんと冷静に話し合えば、君も正直に話せたんだろうに、君に騙されたと全員思ってしまい、話す暇すら与えなかった。

君の意思も気持ちも無視し、籍を入れてしまった。
本当に済まなかった。」


「私も咄嗟に演技をしてしまいました。
お腹の子とこれからの生活の事が不安で貴方の子ではないと言えませんでした。
今思えば馬鹿なことをしたと思います。
離縁されたくて欲しくもない物を買い漁り、自暴自棄になっていました。
ご迷惑をおかけし、申し訳ございませんでした。
すぐ出て行きます。
ですが恥ずかしいお話しですが、手持ちのお金がありません。少しだけ当面暮らしていけるお金を貸して頂けると助かります。」

「その事なんだが、籍はもうしばらくそのままになるが、ここに居たくないのであれば、こちらで住む家は手配したいと思っている。もちろん生活費と慰謝料は払うつもりだから、心配はいらない。」

「そう言って頂けると助かります。

あの時こうして正直に話せば良かったんですね…馬鹿ですね、私。」

「いや、あの状況では難しかっただろう。こうして、君と話してみれば君がどんな人か分かったのにな。」

「それと、私は薬なんか入れていません。
本当です。
若旦那様も殺してなんかいません。
夜会も義理の息子が行けない代わりに、最後のつもりで出席しただけなんです。
水も近くにいた使用人にお願いしただけなんです。」

「うん、分かった。信じるよ。」

「ありがとうございます、ありがとうございます…」

と言って彼女は泣いていた。

誰にも言えず一人で悩んでいたんだろう。

「あの夜会がロックハート家の夜会だとは気付いていなかったのか?」

「え!そうだったのですか?気づきませんでした…。挨拶もまだしていませんでしたし…。
その後すぐにああなってしまったので…。
メイドとしてあの屋敷にいましたが、入ってすぐに若旦那様に手を出されてしまい、いい思い出がありません…。
いつも下を向いていましたから。
もう随分前の事なので、すっかり忘れていました…。そうですか…あそこはロックハート家だったのですね…。」

「そうか、それでは見知った顔はなかったんだな?」

「はい、私は気付きませんでしたが、私に気付いた人は居たのかもしれません。」

「ちなみに水を頼んだ人と持ってきた人は同じ?」

「はっきりとは覚えていませんが、同じだったと思います。」

「顔は覚えてる?」

「顔は…覚えていません。ただ男性だったのは覚えています。」

「分かった。ありがとう、助かったよ。」

「いえ、お役に立てたのなら良かったです。」

「あ、そうだ。タニヤの事なんだが、もしタニヤがあの学院が合わないのであれば辞めても構わない。タニヤと相談しててくれないか?」

「はい、分かりました。私の話しを信じてくれてありがとうございます。」

「何度も言うが、こちらこそ済まなかった。また、改めて話しをしよう。じゃあ。」

「はい。ありがとうございました。」

と彼女は丁寧に礼をした。


そして、僕は本邸に戻った。









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