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元副官の困惑
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困ったことになった
エリック・ボルド卿は王太子と公爵の二人がこんなところで相まみえることは想定していなかった
まさかアリシアの侍女が王太子を呼ぶための魔道具を持っているとは
エリックは、アリシアの副官を数年務めた、アリシアを補佐し隊をまとめることが仕事だった
アリシアに身分を越えて求婚したこともあった
たとえ生涯夫として愛されることはなくとも、アリシアのそばにいられればそれでよかった
望みが叶わなくとも、アリシアの幸せを願う気持ちに変わりはなかった
だからこそ
アリシアをアーネストから引き離すべきだとずっと思ってきた
侍女ヘレンも同じはず
しかし
彼女はアーネストに助けを求めた
そして今こじれている
王太子はまだ少年だが、その器量は王と呼ぶにふさわしい
ハミルトン公爵に唯一対抗できる存在だろう
だから、退くことはしない
この騒動にかこつけてまた日を改めてと言い訳しつつアリシアをこのまま王宮へと連れ戻すだろう
「王女殿下、ひどいいでたちですな」
「見ての通りです公爵、このまま嫁がせるわけにはいかない、姉はいったん王宮へと連れ帰ります」
「アーネスト!」
「だまっていてください、姉上」
アリシアは黙り込んだ
アリシアはアーネストの腕の中にいる
お似合いの二人だと思う
実の姉弟であることを除けば
「恐れながら殿下」
「なにか?ヘレン・アシュトン」
エリックが手をこまねいている間に、侍女のヘレンが動いた
「姫様は怯えていらっしゃいます、どうぞ、姫様をこちらへ」
「へ?」アリシアはきょとんとした顔でヘレンを見た
アリシアが怯えるならそれは誰よりも王太子殿下にだろうに、とエリックは思った
「・・・怖いのか?アリシア」
「え?あ・・・は、はい」
「そうか…ではヘレン、アリシアを頼みます」
「かしこまりました、殿下」
「さ、アリシア、ヘレンの方へ行きなさい」
「・・・」
アリシアが怯えていると素直に信じたアーネストがアリシアをヘレンへと移す
アリシアは、人前で名前で呼ばれたことに不満げだけれど、従う
「姫様」
「ヘレン」
ヘレンはアリシアを抱き寄せ、そのままアーネストから距離を取った
その動作はとても自然だった
「公爵閣下、姫様をどうか」
ヘレンは、いけしゃあしゃあと、そう言い放った
ヘレンに抱き寄せられたアリシアは、姉に抱きしめられる妹のように、うつむいている
それはヘレンがアリシアを公爵へと引き渡すことに同意してることを意味した
「勝手なことをするなヘレン・アシュトン!」
「恐れながら殿下、此度の婚姻は陛下のお決めになられたことです
いかに王太子殿下といえども、独断は許されません」
「アリシアは怯えている!」
「ええ、怯えていらっしゃいます、あんなことがあったのです、当然です、ですので・・・公爵閣下」
ヘレンは公爵に向き直った
「姫様をお早く、お連れして守っていただきますよう、お願い申し上げます」
この侍女、すごいな
エリックは素直にそう思った
エリック・ボルド卿は王太子と公爵の二人がこんなところで相まみえることは想定していなかった
まさかアリシアの侍女が王太子を呼ぶための魔道具を持っているとは
エリックは、アリシアの副官を数年務めた、アリシアを補佐し隊をまとめることが仕事だった
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たとえ生涯夫として愛されることはなくとも、アリシアのそばにいられればそれでよかった
望みが叶わなくとも、アリシアの幸せを願う気持ちに変わりはなかった
だからこそ
アリシアをアーネストから引き離すべきだとずっと思ってきた
侍女ヘレンも同じはず
しかし
彼女はアーネストに助けを求めた
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王太子はまだ少年だが、その器量は王と呼ぶにふさわしい
ハミルトン公爵に唯一対抗できる存在だろう
だから、退くことはしない
この騒動にかこつけてまた日を改めてと言い訳しつつアリシアをこのまま王宮へと連れ戻すだろう
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「見ての通りです公爵、このまま嫁がせるわけにはいかない、姉はいったん王宮へと連れ帰ります」
「アーネスト!」
「だまっていてください、姉上」
アリシアは黙り込んだ
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お似合いの二人だと思う
実の姉弟であることを除けば
「恐れながら殿下」
「なにか?ヘレン・アシュトン」
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「姫様は怯えていらっしゃいます、どうぞ、姫様をこちらへ」
「へ?」アリシアはきょとんとした顔でヘレンを見た
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「・・・怖いのか?アリシア」
「え?あ・・・は、はい」
「そうか…ではヘレン、アリシアを頼みます」
「かしこまりました、殿下」
「さ、アリシア、ヘレンの方へ行きなさい」
「・・・」
アリシアが怯えていると素直に信じたアーネストがアリシアをヘレンへと移す
アリシアは、人前で名前で呼ばれたことに不満げだけれど、従う
「姫様」
「ヘレン」
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その動作はとても自然だった
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それはヘレンがアリシアを公爵へと引き渡すことに同意してることを意味した
「勝手なことをするなヘレン・アシュトン!」
「恐れながら殿下、此度の婚姻は陛下のお決めになられたことです
いかに王太子殿下といえども、独断は許されません」
「アリシアは怯えている!」
「ええ、怯えていらっしゃいます、あんなことがあったのです、当然です、ですので・・・公爵閣下」
ヘレンは公爵に向き直った
「姫様をお早く、お連れして守っていただきますよう、お願い申し上げます」
この侍女、すごいな
エリックは素直にそう思った
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