13 / 28
13
しおりを挟む
「ご紹介しよう。私の友人で、王都一の敏腕弁護士、ヴィクター・アッシュフォードだ」
レオンハルト様に連れられて別荘に現れたのは、銀縁眼鏡をかけた、神経質そうな美青年でした。
彼は完璧にプレスされたスーツを着こなし、手には分厚い革の鞄を持っています。
その目は、まるで私をレントゲン写真のように値踏みしていました。
「……お初にお目にかかります、スカーレット・ヴァレンタイン嬢」
ヴィクター氏は、私の手を取らず、軽く会釈だけをしました。
「アイゼン団長から『面白い女性がいる』と聞き及びましたが……なるほど。確かに、あの愚かな王太子を論破し、請求書を送りつけるだけの『知性』を感じる面構えだ」
「褒め言葉として受け取っておきますわ、アッシュフォード弁護士」
私はニッコリと笑い返しました。
「貴方からも、私の嫌いな『感情論』や『根性論』を一切感じません。非常に話しやすそうな方で安心しました」
「ほう?」
ヴィクター氏の眼鏡がキラリと光りました。
私たちは一瞬で見えない握手を交わしました。
(同類だ)
お互いの直感が、そう告げていたのです。
***
リビングに移動し、早速作戦会議が始まりました。
テーブルには父からの手紙と、私が作成した反撃の草案が広げられています。
ヴィクター氏はそれらをパラパラと捲り、わずか数分で目を通しました。
「……ふむ。悪くない」
彼は短い感想を漏らしました。
「貴族法第12条および金融取引法に基づく違法性の指摘。さらに、物流停止による経済的報復。素人にしては的確な判断だ」
「素人とは失礼な。私は五年間、国の法務・財務の実質的な責任者でしたのよ」
「知っている。だからこそ、ここに来た」
ヴィクター氏はニヤリと笑いました。
「だが、これだけでは不十分だ。王太子は『王権』という超法規的なカードを切ってくる可能性がある。『国家の危機』を捏造し、ヴァレンタイン家を強制捜査する……とかな」
「ああ、あの殿下ならやりかねませんね。『リリィが泣いているのは国家の危機だ!』とか言って」
「えっ!? 私!?」
お茶を運んできたリリィ様が、自分の名前が出てビクッと反応しました。
しかし、私とヴィクター氏は彼女をスルーし、高速で会話を続けます。
「そこでだ、スカーレット嬢。我々はもう一手、法的拘束力のある『王族への対抗措置』を用意すべきだ」
「王族への? まさか『大憲章(マグナ・カルタ)』の第64条、『王族不行跡に対する弾劾裁判』ですか?」
「惜しい。それも有効だが、手続きに時間がかかる。私が提案するのは『王室会計監査特例法』の適用だ」
「……あ!」
私はポンと手を打ちました。
「なるほど! 王族が私的な理由で国庫に損害を与えた疑いがある場合、外部監査機関が王族個人の資産および権限を一時凍結できる、という……!」
「その通り。通称『王の財布封じ』だ」
ヴィクター氏は流れるように説明を続けました。
「今回の経済制裁は、明らかに王太子の私怨だ。これにより物流が停滞すれば、国庫への税収も減る。つまり『王太子が国の利益を損なっている』という構図が成立する」
「素晴らしいですわ! それなら、監査請求の署名は貴族院の三分の一で足ります。父の人脈を使えば、今日中に集まります!」
「さらに、アイゼン家の『軍事予算凍結』もチラつかせれば、軍部もこちらの味方につく」
「完璧です! 論理の包囲網で、殿下の手足を完全に縛れますわ!」
「フフフ……楽しいな。これほど話が通じる相手は久しぶりだ」
「オホホ……私もですわ。論理パズルがカチッとはまる快感、たまりませんわね」
私とヴィクター氏は、恍惚とした表情で笑い合いました。
その横で。
リリィ様が、ポカンと口を開けてレオンハルト様に話しかけていました。
「……あのぉ、レオンハルト様」
「なんだ」
「お二人は、どこの国の言葉を話していらっしゃるんですか? 呪文? 悪魔召喚の儀式?」
「いや、ただの法律用語だ」
レオンハルト様は苦笑しながら、紅茶を啜りました。
「だがまあ、リリィの言うことも分かる。あいつら、似すぎているな」
「ですよねぇ!? 空気が冷たいっていうか、ドライアイスみたいですぅ!」
「安心しろ。スカーレットのあんな楽しそうな顔を引き出せるのは、私以外ではあいつくらいだ。……少し嫉妬するがな」
レオンハルト様は、少しだけ面白くなさそうに頬杖をつきました。
そんな外野の会話など耳に入らず、私とヴィクター氏の「悪巧み」は加速していきます。
「では、この『監査請求書』の作成は私が担当しよう。君は実家の公爵と連携し、被害状況の証拠固めを頼む」
「承知しました。あ、ついでに『精神的苦痛による慰謝料』の算定式ですが、こちらの判例を使おうかと」
「ほう、百年前の『泥沼離婚裁判』の判例か。えげつないな、君は」
「勝つためには使えるものは何でも使います」
「気に入った。アイツ(レオンハルト)が惚れ込むのも無理はない」
ヴィクター氏は眼鏡の位置を直しながら、私に初めて温かい(といっても零度から三度になったくらいですが)視線を向けました。
「スカーレット嬢。君は優秀だ。どうだ、この件が片付いたら、私の事務所で働かないか? 君ならトップパラリーガル、いや、すぐにパートナー弁護士になれる」
突然のヘッドハンティング。
私は目を丸くしました。
「あら、魅力的ですわね。高給優遇、残業なしなら考えなくもありません」
「条件は相談に応じよう。アイツの嫁になるより、よほど有意義な人生が送れるぞ?」
「おい、ヴィクター」
ドスの効いた声が割り込みました。
いつの間にか私の背後に立ったレオンハルト様が、ヴィクター氏を睨みつけています。
「人の婚約者(予定)を勧誘するな。スカーレットは私の専属だ」
「おや、怖いわ。独占欲の強い男は嫌われるぞ?」
「うるさい。……スカーレット、君もだ。あまり楽しそうに男と話すな」
レオンハルト様は私の肩を抱き寄せ、子供のように拗ねて言いました。
「君と『論理パズル』を楽しむのはいいが、その後で私とも『愛の語らい』をする時間を確保しろよ」
「……レオンハルト様。今は作戦会議中です」
「会議は終わりだ。ヴィクター、お前は客室で書類を作れ。私はスカーレットと夕食の準備をする」
「やれやれ。愛に溺れた騎士団長は見苦しいな」
ヴィクター氏は肩をすくめ、鞄を持って立ち上がりました。
「では、私は仕事に戻る。……スカーレット嬢、君の実力、しかと見せてもらった。勝てるぞ、この裁判」
「ええ。完膚なきまでに叩き潰しましょう」
私たちは再び「悪魔の微笑み」を交わしました。
リリィ様が「ひぃっ、同じ顔が二つ……!」と震え上がっています。
最強の知能犯(弁護士)が仲間に加わりました。
これで、法的・経済的な反撃準備は整いました。
あとは、これをいつ、どのタイミングで殿下の喉元に突きつけるか。
(……ふふ。楽しみですわ)
私はキッチンの包丁を手に取り、夕食の野菜を切り始めました。
その切れ味は、かつてないほど鋭く、迷いのないものでした。
レオンハルト様に連れられて別荘に現れたのは、銀縁眼鏡をかけた、神経質そうな美青年でした。
彼は完璧にプレスされたスーツを着こなし、手には分厚い革の鞄を持っています。
その目は、まるで私をレントゲン写真のように値踏みしていました。
「……お初にお目にかかります、スカーレット・ヴァレンタイン嬢」
ヴィクター氏は、私の手を取らず、軽く会釈だけをしました。
「アイゼン団長から『面白い女性がいる』と聞き及びましたが……なるほど。確かに、あの愚かな王太子を論破し、請求書を送りつけるだけの『知性』を感じる面構えだ」
「褒め言葉として受け取っておきますわ、アッシュフォード弁護士」
私はニッコリと笑い返しました。
「貴方からも、私の嫌いな『感情論』や『根性論』を一切感じません。非常に話しやすそうな方で安心しました」
「ほう?」
ヴィクター氏の眼鏡がキラリと光りました。
私たちは一瞬で見えない握手を交わしました。
(同類だ)
お互いの直感が、そう告げていたのです。
***
リビングに移動し、早速作戦会議が始まりました。
テーブルには父からの手紙と、私が作成した反撃の草案が広げられています。
ヴィクター氏はそれらをパラパラと捲り、わずか数分で目を通しました。
「……ふむ。悪くない」
彼は短い感想を漏らしました。
「貴族法第12条および金融取引法に基づく違法性の指摘。さらに、物流停止による経済的報復。素人にしては的確な判断だ」
「素人とは失礼な。私は五年間、国の法務・財務の実質的な責任者でしたのよ」
「知っている。だからこそ、ここに来た」
ヴィクター氏はニヤリと笑いました。
「だが、これだけでは不十分だ。王太子は『王権』という超法規的なカードを切ってくる可能性がある。『国家の危機』を捏造し、ヴァレンタイン家を強制捜査する……とかな」
「ああ、あの殿下ならやりかねませんね。『リリィが泣いているのは国家の危機だ!』とか言って」
「えっ!? 私!?」
お茶を運んできたリリィ様が、自分の名前が出てビクッと反応しました。
しかし、私とヴィクター氏は彼女をスルーし、高速で会話を続けます。
「そこでだ、スカーレット嬢。我々はもう一手、法的拘束力のある『王族への対抗措置』を用意すべきだ」
「王族への? まさか『大憲章(マグナ・カルタ)』の第64条、『王族不行跡に対する弾劾裁判』ですか?」
「惜しい。それも有効だが、手続きに時間がかかる。私が提案するのは『王室会計監査特例法』の適用だ」
「……あ!」
私はポンと手を打ちました。
「なるほど! 王族が私的な理由で国庫に損害を与えた疑いがある場合、外部監査機関が王族個人の資産および権限を一時凍結できる、という……!」
「その通り。通称『王の財布封じ』だ」
ヴィクター氏は流れるように説明を続けました。
「今回の経済制裁は、明らかに王太子の私怨だ。これにより物流が停滞すれば、国庫への税収も減る。つまり『王太子が国の利益を損なっている』という構図が成立する」
「素晴らしいですわ! それなら、監査請求の署名は貴族院の三分の一で足ります。父の人脈を使えば、今日中に集まります!」
「さらに、アイゼン家の『軍事予算凍結』もチラつかせれば、軍部もこちらの味方につく」
「完璧です! 論理の包囲網で、殿下の手足を完全に縛れますわ!」
「フフフ……楽しいな。これほど話が通じる相手は久しぶりだ」
「オホホ……私もですわ。論理パズルがカチッとはまる快感、たまりませんわね」
私とヴィクター氏は、恍惚とした表情で笑い合いました。
その横で。
リリィ様が、ポカンと口を開けてレオンハルト様に話しかけていました。
「……あのぉ、レオンハルト様」
「なんだ」
「お二人は、どこの国の言葉を話していらっしゃるんですか? 呪文? 悪魔召喚の儀式?」
「いや、ただの法律用語だ」
レオンハルト様は苦笑しながら、紅茶を啜りました。
「だがまあ、リリィの言うことも分かる。あいつら、似すぎているな」
「ですよねぇ!? 空気が冷たいっていうか、ドライアイスみたいですぅ!」
「安心しろ。スカーレットのあんな楽しそうな顔を引き出せるのは、私以外ではあいつくらいだ。……少し嫉妬するがな」
レオンハルト様は、少しだけ面白くなさそうに頬杖をつきました。
そんな外野の会話など耳に入らず、私とヴィクター氏の「悪巧み」は加速していきます。
「では、この『監査請求書』の作成は私が担当しよう。君は実家の公爵と連携し、被害状況の証拠固めを頼む」
「承知しました。あ、ついでに『精神的苦痛による慰謝料』の算定式ですが、こちらの判例を使おうかと」
「ほう、百年前の『泥沼離婚裁判』の判例か。えげつないな、君は」
「勝つためには使えるものは何でも使います」
「気に入った。アイツ(レオンハルト)が惚れ込むのも無理はない」
ヴィクター氏は眼鏡の位置を直しながら、私に初めて温かい(といっても零度から三度になったくらいですが)視線を向けました。
「スカーレット嬢。君は優秀だ。どうだ、この件が片付いたら、私の事務所で働かないか? 君ならトップパラリーガル、いや、すぐにパートナー弁護士になれる」
突然のヘッドハンティング。
私は目を丸くしました。
「あら、魅力的ですわね。高給優遇、残業なしなら考えなくもありません」
「条件は相談に応じよう。アイツの嫁になるより、よほど有意義な人生が送れるぞ?」
「おい、ヴィクター」
ドスの効いた声が割り込みました。
いつの間にか私の背後に立ったレオンハルト様が、ヴィクター氏を睨みつけています。
「人の婚約者(予定)を勧誘するな。スカーレットは私の専属だ」
「おや、怖いわ。独占欲の強い男は嫌われるぞ?」
「うるさい。……スカーレット、君もだ。あまり楽しそうに男と話すな」
レオンハルト様は私の肩を抱き寄せ、子供のように拗ねて言いました。
「君と『論理パズル』を楽しむのはいいが、その後で私とも『愛の語らい』をする時間を確保しろよ」
「……レオンハルト様。今は作戦会議中です」
「会議は終わりだ。ヴィクター、お前は客室で書類を作れ。私はスカーレットと夕食の準備をする」
「やれやれ。愛に溺れた騎士団長は見苦しいな」
ヴィクター氏は肩をすくめ、鞄を持って立ち上がりました。
「では、私は仕事に戻る。……スカーレット嬢、君の実力、しかと見せてもらった。勝てるぞ、この裁判」
「ええ。完膚なきまでに叩き潰しましょう」
私たちは再び「悪魔の微笑み」を交わしました。
リリィ様が「ひぃっ、同じ顔が二つ……!」と震え上がっています。
最強の知能犯(弁護士)が仲間に加わりました。
これで、法的・経済的な反撃準備は整いました。
あとは、これをいつ、どのタイミングで殿下の喉元に突きつけるか。
(……ふふ。楽しみですわ)
私はキッチンの包丁を手に取り、夕食の野菜を切り始めました。
その切れ味は、かつてないほど鋭く、迷いのないものでした。
0
あなたにおすすめの小説
居場所を失った令嬢と結婚することになった男の葛藤
しゃーりん
恋愛
侯爵令嬢ロレーヌは悪女扱いされて婚約破棄された。
父親は怒り、修道院に入れようとする。
そんな彼女を助けてほしいと妻を亡くした28歳の子爵ドリューに声がかかった。
学園も退学させられた、まだ16歳の令嬢との結婚。
ロレーヌとの初夜を少し先に見送ったせいで彼女に触れたくなるドリューのお話です。
婚約破棄寸前だった令嬢が殺されかけて眠り姫となり意識を取り戻したら世界が変わっていた話
ひよこ麺
恋愛
シルビア・ベアトリス侯爵令嬢は何もかも完璧なご令嬢だった。婚約者であるリベリオンとの関係を除いては。
リベリオンは公爵家の嫡男で完璧だけれどとても冷たい人だった。それでも彼の幼馴染みで病弱な男爵令嬢のリリアにはとても優しくしていた。
婚約者のシルビアには笑顔ひとつ向けてくれないのに。
どんなに尽くしても努力しても完璧な立ち振る舞いをしても振り返らないリベリオンに疲れてしまったシルビア。その日も舞踏会でエスコートだけしてリリアと居なくなってしまったリベリオンを見ているのが悲しくなりテラスでひとり夜風に当たっていたところ、いきなり何者かに後ろから押されて転落してしまう。
死は免れたが、テラスから転落した際に頭を強く打ったシルビアはそのまま意識を失い、昏睡状態となってしまう。それから3年の月日が流れ、目覚めたシルビアを取り巻く世界は変っていて……
※正常な人があまりいない話です。
婚約破棄された令嬢、気づけば王族総出で奪い合われています
ゆっこ
恋愛
「――よって、リリアーナ・セレスト嬢との婚約は破棄する!」
王城の大広間に王太子アレクシスの声が響いた瞬間、私は静かにスカートをつまみ上げて一礼した。
「かしこまりました、殿下。どうか末永くお幸せに」
本心ではない。けれど、こう言うしかなかった。
王太子は私を見下ろし、勝ち誇ったように笑った。
「お前のような地味で役に立たない女より、フローラの方が相応しい。彼女は聖女として覚醒したのだ!」
美男美女の同僚のおまけとして異世界召喚された私、ゴミ無能扱いされ王城から叩き出されるも、才能を見出してくれた隣国の王子様とスローライフ
さら
恋愛
会社では地味で目立たない、ただの事務員だった私。
ある日突然、美男美女の同僚二人のおまけとして、異世界に召喚されてしまった。
けれど、測定された“能力値”は最低。
「無能」「お荷物」「役立たず」と王たちに笑われ、王城を追い出されて――私は一人、行くあてもなく途方に暮れていた。
そんな私を拾ってくれたのは、隣国の第二王子・レオン。
優しく、誠実で、誰よりも人の心を見てくれる人だった。
彼に導かれ、私は“癒しの力”を持つことを知る。
人の心を穏やかにし、傷を癒す――それは“無能”と呼ばれた私だけが持っていた奇跡だった。
やがて、王子と共に過ごす穏やかな日々の中で芽生える、恋の予感。
不器用だけど優しい彼の言葉に、心が少しずつ満たされていく。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
皆様ありがとう!今日で王妃、やめます!〜十三歳で王妃に、十八歳でこのたび離縁いたしました〜
百門一新
恋愛
セレスティーヌは、たった十三歳という年齢でアルフレッド・デュガウスと結婚し、国王と王妃になった。彼が王になる多には必要な結婚だった――それから五年、ようやく吉報がきた。
「君には苦労をかけた。王妃にする相手が決まった」
ということは……もうつらい仕事はしなくていいのねっ? 夫婦だと偽装する日々からも解放されるのね!?
ありがとうアルフレッド様! さすが私のことよく分かってるわ! セレスティーヌは離縁を大喜びで受け入れてバカンスに出かけたのだが、夫、いや元夫の様子が少しおかしいようで……?
サクッと読める読み切りの短編となっていります!お楽しみいただけましたら嬉しく思います!
※他サイト様にも掲載
完結 愚王の側妃として嫁ぐはずの姉が逃げました
らむ
恋愛
とある国に食欲に色欲に娯楽に遊び呆け果てには金にもがめついと噂の、見た目も醜い王がいる。
そんな愚王の側妃として嫁ぐのは姉のはずだったのに、失踪したために代わりに嫁ぐことになった妹の私。
しかしいざ対面してみると、なんだか噂とは違うような…
完結決定済み
【完結】「お前とは結婚できない」と言われたので出奔したら、なぜか追いかけられています
22時完結
恋愛
「すまない、リディア。お前とは結婚できない」
そう告げたのは、長年婚約者だった王太子エドワード殿下。
理由は、「本当に愛する女性ができたから」――つまり、私以外に好きな人ができたということ。
(まあ、そんな気はしてました)
社交界では目立たない私は、王太子にとってただの「義務」でしかなかったのだろう。
未練もないし、王宮に居続ける理由もない。
だから、婚約破棄されたその日に領地に引きこもるため出奔した。
これからは自由に静かに暮らそう!
そう思っていたのに――
「……なぜ、殿下がここに?」
「お前がいなくなって、ようやく気づいた。リディア、お前が必要だ」
婚約破棄を言い渡した本人が、なぜか私を追いかけてきた!?
さらに、冷酷な王国宰相や腹黒な公爵まで現れて、次々に私を手に入れようとしてくる。
「お前は王妃になるべき女性だ。逃がすわけがない」
「いいや、俺の妻になるべきだろう?」
「……私、ただ田舎で静かに暮らしたいだけなんですけど!!」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる